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第420掌 安易に人のマネをするのは止めておこうね



「おっ。これはおいしそうだな」


「お客さん、いいね!分かってるね!」


「まあね」


 俺は選手が作った料理を買い漁っていた。


 ここのところ、ご飯とか王族が食べる食事って感じのものばかり食べてきたからな。いや、それが嫌ってわけじゃないんだけど、やっぱり自分に合った食事ってものがあるじゃん?俺には高貴な食事は合わないからさ。一般的な食事とか家庭料理が合ってる。


「さて。正直俺のところの種目は見ててもあんまり面白くないし、他のところを覗くかな」


 料理対決のここ以外には、この会場ではバトルもあったな。


「一番俺が見れる対決だからな。観戦しておくか」


 これで普通に俺、本選で負けてたら余裕綽々なだけの馬鹿になってしまうんだが、大丈夫だろう。むしろ俺にそんな優しいことが起きるはずがない。もっと面白おかしく抉ってくるだろう。この世界は俺に優しくないからな。


「どれどれ」


 俺は観客席に移動して高い場所から観戦モードに入る。確か、第六グループだっけ?


 俺が舞台に視線を送ると、そこには圧倒的な力の奔流がまき散らされていた。


「これは・・・。やはりというか、なんというか・・・」


 その力の奔流の中心にはあの男。神の眷属がいた。


「正体を隠そうとかそういう気持ちはないのか、あいつには」


 こうやってたら誰だって只者じゃないって感じるのに。それにあれって神力ってやつだろ?少しだけ感じ取れる。そんな力をこんな、言っちゃあ悪いけど、弱い連中相手にも使うなんて・・・。意外と素の状態が弱いか、ただの馬鹿なのか。どっちかだろ。


「でも、これはいい機会だな。どうせ話した感じ、和解とかはないからな。力の特徴を観察しておくか」


 プリマ姫は闇という概念。テラコスは魔法という概念。それぞれ使いこなしていた。そして本気を出すときはその力を象徴するかのように自分自身に合った武器を具現化していた。神力を使っているっていうことはあいつもその片鱗を見せているはずだ。


「ただ、馬鹿力を出しているようにしか見えない・・・」


 でも、いくら馬鹿と言っても流石に手加減自体はしているようだ。誰もあの力の奔流を受けて死んでいないからな。


「・・・ふむ」


 しかし、冷静に観察してみても馬鹿力を出しているだけにしか見えない。とするともしかして。


「力そのものを司っている?」


 だから神力も漏れ出てしまうんじゃないのか?力っていうのは何をやっていても出てしまうものだからな。だからその神力に反応して俺の疑似神眼スキルも初めて反応することが出来た。


「でも、そうなってくると厄介だな」


 あいつがどういう戦法を好むかによって変わってくるが、力そのものを司っているってことはあいつの攻撃や防御には常にブーストが掛かっているってことだ。そんな厄介な相手ってのも早々いるもんじゃない。


 ・・・・・・・・・あ。俺もスキルにオール・ブーストっていうスキルがあったわ。いや、でもあれは多少加算してくれるだけって感じだし。多分、あいつのはそれ以上の加算を力に入れることが出来るんだろう。俺のスキルが加算だったらあいつのは乗算かな。それくらいの差を感じる。


「これは決勝戦まで上がってくるだろうな」


 しかし、本当にヤバいな。俺がもし、あいつと戦ったら周囲とか、俺の今の姿を気にしている暇はない。女装も完全に解けてしまうかもしれないし、周囲の被害も甚大になってしまうだろう。はてさて、どうしたものかな。


「ファイン(偽)も倒さなくちゃいけないっていうのに、なんでこんなに毎度毎度、俺にはやることが多いんだ?」


 いつも一つのことをやっていると最終的にやることが増えている気がする。


「っと。観戦していたら時間を忘れてた。会場に戻ろう。そろそろ時間的にもいい頃合いだろうし」


 多分、終盤に差し掛かっているんじゃないかな。


 そう思い、俺は自分の会場に急ぐ。姿をコッソリとノーマに変身させておくことも忘れない。


「さて。どんな感じかな?」


 俺が戻ってくると、そこには丁度最後の出番の選手が出るところだった。


「さあ!最後のアピールが飾るのはこの男!予選で七位という一桁代を取ったベルルッティ・ヘクション!」


 なんだ?そのクシャミをしたかのような名前は。


「いくぜ?」


 なんだ?あのキザッたらしいイケメンは。


「~♪」


 どこからか、音楽が流れてくる。


「ボエ~~♪」


 なんだ?この酷い曲と酷い歌は。


 皆、耳を塞いでいる。


 まさか、俺のマネをしているのか?(傍から見たら)女な俺があれだけ受けたんだから、イケメンの自分ならもっと受けるだろうって。そんな気持ちが表情から伺える。しかし、どう考えてもこれはない。酷過ぎる。


「い、以上で第四グループの魅了対決を終わります」


 司会も弱々しい声でそう宣言する。


「ふふんっ!」


 自分がどんな評価を周囲から受けているか分かっていないクシャミ君。


「そ、それでは集計に入ります。集計が終わるまでは皆さんその場で寛いでいてください」


 司会はそれだけ言うと、舞台から消える。可哀想に。司会と審査員は間近でアレを聞いてしまったからな。南無南無。




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