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第415掌 バレてたんかい

すみません。

寝落ちしていました。



 次の日。


 俺はファイン(偽)から逃げてどうにか一日を終えることが出来た。


 俺はファイン(偽)の寄り付かない場所、つまりは王様の使っている部屋の一つを借りてそこで泊まった。本来宿泊するような場所ではなかったため、ちょっと寝心地は悪かったけど、丸一日オカマのおもちゃにされるわけにもいかなかったからな。


 っていうか、どんだけあのオカマには体力があるんだよ。俺もかなりの体力はあるつもりだけど、それでも寝たいし、体を休めたい。好きなことをしていても眠たい時は寝たいのだ。


「さて。それじゃあ本選に出場するとしますか」


 俺の予定ではこの本選でうまい具合にフェードアウトすることになっている。ファイン(偽)を蹴落とした後にな。


「集合はアリーナだったっけ?」


 この世界でもグラウンドやアリーナなどはあるらしい。様々な用途に使えるからと結構重宝しているとのこと。どこ情報だよと思うが、疑似神眼スキルを使った結果なので詳しいことは分からない。


「ファイン(偽)は・・・」


 王城の中にまだいると思い、あちこち探してみるが、中々見当たらない。しょうがないのでメイドに確認する。


「殿下なら朝一に起きてすぐに出かけられましたよ?」


 なんて情報が出てきた。


「早くない?」


「何でも『ワクワクして居ても立っても居られなくなっちゃったから体動かしながら会場に行くわ』とのことです。後、追加でもう一つメッセージを預かっていますけど・・・聞きますか?」


「な、なんでそんなに言うの嫌そうにしているのかは分からないけど、伝言なら聞くしかないでしょ」


 聞かないなんて選択肢はない。何せ、ここで聞かないと後々の交渉が出来なくなって気が付けば面倒なことに・・・ってことにもなりかねない。今はいくらでも手札は欲しいのだ。ファイン(偽)を蹴落とすための手札は。


「では。『あなたは考えていることは分かっているわ。私をこの本選で蹴落として脱落させたいのでしょう。でも、負けないわ。そんなわけでさきに行っているわ。本選からは敵同士として頑張りましょうね』・・・以上です」


「・・・」


「あの・・・」


「・・・」


「大丈夫ですか?」


「あ、ああ。ちょっと驚いていただけだから、気にしないでくれ」


「そうですか?それでは私はこれで。伝言を言い終わったって皆に言わなければいけませんので」


「ああ」


 ん?さらっとスルーしたけど、さっきメイドが皆に言わなければいけないのでって言った?まさか・・・全員にこの伝言を伝えているのか?それで俺が聞き終わったらもう話さなくてもいい。そんな感じではないだろうか。


「また厄介な・・・」


 ここまで入念にしているということはあっちも結構マジなようだ。


「でも、普通に伝言するなら俺の部屋に手紙でも置いておけば良かったのに」


 そう思ったが、その言葉は誰の耳に入ることもなく、虚空に消えていった。




             ・・・




 そして俺は王様に伝言のことを伝える。


「・・・そうであるか」


「ええ。結構あっさりバレました。どこでバレたのかはわかりませんが、自力でって言うのにも少し無理があるだろうし、ファイン(偽)にも使える駒とかがあるのかもしれませんね」


 おかげで俺は真正面からファイン(偽)と戦わなくてはならない。最初はこそっと戦っている最中にやってきて、こそっと端っこで倒して目立たないようにしようと考えていたのに。これでもう頑張って戦って倒すしかなくなってしまった。


 全く。厄介なことをしてくれたぜ。


「しょうがないので正面から打倒してきます」


「大丈夫なのか?」


「大丈夫ですよ。こう見えても高級冒険者ですので」


 ここのところ、自分の階級自体を忘れてしまいそうになるのだが、俺ってA級冒険者だからな。そんじゃそこらの冒険者よりも強いんだからな。


 王様からは報酬も貰う約束をしている。ここで貰うための前提条件が大事なのだが、前提条件っていうのが難しい。あの目立ちたがり屋のファイン(偽)から目立たないようにしながら勝たなくちゃいけないんだ。しかも、ファイン(偽)からは負けないなんて城のメイドに伝言を頼むぐらいだ。これはかなり厳しい戦いになりそうだ。


「そうか。では任せる。私は今日から試合を見ている。頑張ってこい」


「はい」


 正直、この言葉自体は俺にじゃなくて、ファイン(偽)に言うべき言葉だろう。そう思ったが、今の状態では無理だろう。距離的にも心の問題的にも。


「では私もこれから準備があるので以上になります」


 そういって俺は謁見の間を後にした。


「さてさて。試合形式は街の国民たちが考えたっていうし、これはどんな情報でも欲しいので早めに移動えきただけだ」


 不意打ちによる奇襲がすでに機能しなくなっているからな。


 遅刻したらシャレにならないので向かうことにする。


「結構洞察力が高いんだよな~」


 まさか王様とこそっと話した内容がファイン(偽)に聞かれているとは思いもしなかったからな。


「それじゃあ俺も出発するとしますか」


 グダグダと考えながら会場に向かうのだった。




読んでくれて感謝です。

感想・評価・ブックマークしてくれると嬉しいです。

よろしくお願いします!


マジですみませんでした。

でも、今週と来週は同じことが起きる可能性があります。

その時には温かい目で次の日の更新を待っていただければと思いますので。

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