表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
442/521

第405掌 シビアな説明



 俺は魔王国の王との話を切り上げて集合場所へと駆け寄った。


 集合を掛けた運営の人間がある程度集まったと判断したのか、大きな声で話し始める。


「皆さん!お集まりいただきましてありがとうございます!これより美の大会の予選説明を始めたいと思います。聞き逃しのないように気を付けてください」


 御立ち台の上に立って集まった参加者全員から見えるようにして運営の人間は説明を開始する。


「すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、初歩的な説明も一緒にさせていただきます。まず、今大会は予選、本選、決勝戦の三つに分かれます」


 ここら辺が初歩的な部分ってわけね。


「予選から本選に進出出来るのはたったの百名のみ。ルールはただひたすら街中でアピールするだけ。街の中にいる人からの票を集めてもらいます」


 ここら辺もファイン(偽)に聞いている。まあ、ちょっと雑な感じもしないでもないけど、参加人数がずば抜けているっぽいし、仕方ないか。むしろ、予選でこれだけ大幅に人数を削るのはこちらとしてもありがたい。一対一とかで何日も延々とやってたら俺も学園の遠征期間が終わっちゃってオークスに帰るし。


「本選、決勝戦の内容はそれぞれその時に発表します。以上になりますが、何か質問はありますか?」


「はい」


「はい。そこの男性の方、どうぞ」


「禁止事情などは何ですか?」


 挙手した男性が大事なことを質問する。


「他の選手の妨害工作などは禁止です。バレた時点で失格になります。また、票集めのために街の人間に恐喝・暴力も禁止です」


 当たり前のことだが大切なことだよな。それに俺は何も疑問に思わないが、ここは地球じゃない。こういう俺が当たり前だと思っていることでも、この世界じゃ当たり前じゃないこともある。現に今の説明を聞いてガラの悪そうな奴らはあからさまに舌打ちしたし。


 しかし、この禁止事情って聞かないと教えてくれなかったのか。するつもりはなかったけど、聞かないで失格になるなんてことも起こりえたってことか。結構えげつないこともしてくるんだな。


 それに他の集合場所で聞いていない奴らも出ていそうだ。妨害もないわけじゃないと考えておかないと。妨害した奴自体は失格にしてくれそうだが、それ以外のことは何もしてくれなさそうだ。


「他に何かありますか?」


「はい」


 その言葉に俺が挙手する。


「はい。そこの女性の方」


「ぐふぅっ」


「どうかされましたか?」


「な、何でもないです・・・」


 実にアッサリと女性扱いされて精神的なダメージを負う。いや、バレて社会的に殺されてしまうよりはマシなんだけどね。それでも男として嫌かどうかは別なわけですよ。


「そうですか?それでは質問をどうぞ」


「はい。例えば場所取りなどで揉めてしまった場合などにはどうしたらいいですか?」


「その場合はお互いの合意の上で何かしらの対決をしてもらいます。内容はそちらに一任します。戦闘、話し合い、等価交換など何でもいいです」


 なるほどね。つまり争いごとが起きた時は一方的な行いじゃなければそれでいいってことか。


「審判は今日から予選終了まで監視している運営側が出てきてしてくれますのでご安心を」


 へぇ。その場にいなくても近くにはいるってことね。呼べば来るって感じか。


「他にありますか?」


「はい」


「はい。そこの女性の方、どうぞ」


 別の場所から女性が挙手する。


「アピールしていい時間はいつまで?大会終了までずっとってのはキツいと思うんだけど」


 ああ。俺はファイン(偽)に聞いていたから大丈夫だったけど、説明なかったな。もし聞いていなかったら以前のファイン(偽)の説明通り、自己中心的な奴と判断して票をくれなくなってしまうかもしれない。


「アピールしていい時間は三日間。太陽が出ている間のみです。それ以降に入った票は無効になります」


 これも聞いていなかったら悲惨なことになってたよな。街の人からも自動的に自己中的扱いを受けてしまうことになりかねないんだから。


「他にありませんか?」


 もう挙手する人はいない。


「・・・はい。それでは質問はここまでにします。では少し休憩に入ります。開始時間になったらここから呼びかけますので皆さん、あまり遠くには行かないように注意してください」


 そう言うと運営の人間は御立ち台から降りていく。


 それを見てわらわらとばらけ出す参加者達。


 しかし、俺はその場を動かない。なぜならいつ、開始時間になるのかを言わなかったからだ。


 案の定、ある程度集合場所から人がいなくなったら御立ち台にすぐに運営の人間が現れた。


「はい。休憩はここまでとします。予選の開始をここに宣言します。皆さん、頑張ってください」


 そういきなり宣言してすぐに御立ち台から降り、どこかに消える運営の人間。どうやら隠密系統のスキルか魔法を持っているらしい。ってそんなことはどうでもいいんだ。


「なっ⁉」

「え?」

「どういうこと?」

「もう開始なの?」


 等々。皆動揺している。しかし、ここでそんなことをしている暇はない。何せ場所取りはスピードが命なのだ。ここでグズグズしていたら良い場所が取られてしまう。


 俺はすぐさま移動を開始する。同じように何人かも動き出したようだ。


 結構思考速度が速い奴が何人もいるみたいだな。ちょっと面白くなってきたかも。




読んでくれて感謝です。

感想・評価・ブックマークしてくれると嬉しいです。

よろしくお願いします!


次の更新は来週の月曜日になります。

皆さん、良いゴールデンウィークを!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ