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第394掌 何とかしようとして結局自分が楽しんでる



「それで?俺を呼んだのは自分の息子の現状を確認したかったからってことでいいですか?」


 俺は何とも微妙な気持ちになりながら確認する。


「うむ。それもあるのだが、息子を何とか更生させるために協力してくれないだろうか?」


「え~?」


「嫌そうな顔だな⁉仮にも私、王だぞ!」


 だって完全に家庭の問題って感じじゃないですか。そんなものに首を突っ込んでもいいことないの分かり切っているし。


「そもそも知り合って間もない俺に一体何を期待しているんですか。俺の言葉なんてあのオカマには響かないと思うんですけど」


「お前、王族に対して辛辣だな。下手したら不敬罪だぞ」


「いや、事実を言っただけで不敬罪も何もないでしょ」


 実際はそうでもないだろうけど、この王様なら大丈夫だろう。ダメだったら速攻で逃げるけど。


「頼む!流れでとはいえ、一緒に大会に出て優勝までしたんだ。あいつにとってもお前は特別な存在になっている・・・はず!」


 いや、不安になるような言い方しないでくれ。そもそも特別な関係なんて言い方もやめろ!俺がソッチ系の人と思われるだろ!


「嫌だって!なんで俺が知り合って間もない奴のためにそこまでしてやらなきゃいけないんだよ。それにあいつも更生を望んでいるわけじゃないんだろ?」


 本人が望まないことなのにポッと出の俺が何かするなんておかしいと思わないか?


「頼む!もう散々色んなことを試したんだが、効果はなかったんだ」


「ちなみにどんなことをしたんだ?」


 参考までに聞かせてもらおう。


「ああ。まずは女を好きになってもらうためにメイドを宛がった。女を抱けば性欲が勝つだろうと思って」


 思った以上に大胆で最低な方法を初っ端からぶっ放すとは。王族とか地位を持っている人間の考えることはよく分からん。普通はそういうのって最後の手段だろ。


「だが、ダメだった。宛がったメイドと普通に仲良くなり、友達になりおった」


「まあ、普通の思考で考えればいいことだけどな」


 まあ、抱かせるはずの女性が友達になって帰ってきたら微妙な気持ちにもなるだろう。


「次にこの国でもトップの実績を持つと言われるプロの娼婦に頼んで誘ってもらった」


「おい」


 最初にしたのと変わらねぇじゃねえか。


「しかし、ダメだった。むしろあの馬鹿に嗾けられて「自分の気持ちに正直になるわ!」とか何とかいって仕事を辞めて自分の好きだった相手に告白しに行きおった」


 基本的に返り討ちになってるじゃねえか。


「このままでは何とも無駄なことをしていると感じた私はとりあえずその娼婦に最後の仕事相手として私の相手をしてもらった」


「あんた何やってんだ!」


 息子がダメで、ただ帰らせるのは勿体ないからって?満足そうにすんな!ただのエロ親父だよ!


「ゴ、ゴホンッ。まあ、それで地位や関係性がダメなのかと考えた私は次に婚約者を作った」


「ふむ」


 やり方はともかく、それなら仲良くなっていずれは・・・なんて長い目で見るしかない方法だが中々の良案ではないだろうか。まあ、やってることは基本的に女性を宛がうということに他ならないけど。


「しかし、よりにもよってその婚約者には好きな相手がおって、その仲を応援してしまう始末。本人同士ことだから私も迂闊に口出しすることも出来ず、結局婚約は解消してしまった」


 なんか、ここまで来たら可哀想になってきたな。


「そして最後の手段として私は危険を承知である場所に放り込んだ」


 ま、まさか・・・女性ばかりの酒池肉り―――。


「オカマやホモ。まさに男好きしかいないと言われるソッチ系のお店に!」


 ・・・・・・何やってんの?


「そしたら普通にお店の人といい感じになってさらにオカマが悪化してしまったので急いで戻ってこさせた」


 馬鹿じゃないのか?


「どれだけ好きな食べ物でも何度も食べていたら飽きるように逆にあいつの好きそうな場所に放り込んで飽きるまで構ってもらおうと考えたのだ」


 それで悪化して帰って来てるなら世話ないわ。


「で、現状の有様ってことか」


「うむ・・・。どうにかならんか?」


「いや、さっきから聞いていると女性を宛がってばかりじゃねえか。もうちょっと考えろよ」


 よく考えれば他にも案が出てくるだろ。


「そうは言われてもな」


「例えば好きなタイプを聞いてそれっぽい女性を連れてくるとか。男っぽい女性を連れてくるとか」


 あれ?俺も女性を宛がうっていう方法しか思いついてなくね?


「それとこれは最終手段だけど、時間が解決してくれるのを信じて放置」


「それはダメだろう!」


「勿論、男とはくっつかないように気を付けながらだ」


 放置して結局男に走ったら元も子もないだろう。


「根気はいるが、最も親子の関係性が壊れない穏便な策でもある」


「・・・なるほど」


「―――ってなんで俺は普通に案を提供してんだ。もういいいよな?後はそっちで勝手にやってくれ」


「待ってくれ。一緒にどうにかしてあの馬鹿の性癖を治そう!」


「嫌だよ!」


 なんでついこの間会ったばかりの奴の特殊性癖をどうにかせにゃならんのだ。下手したら俺があのオカマターゲットになりかねないっての!


 そして俺はほぼ強引に城から抜け出すのだった。




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