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第390掌 暴走、ギムル君 その11

花粉症が私の目と鼻を苦しめる・・・ッ!

本当に仕事が手に付かないレベルで。

誰か、花粉症を治す治療法を開発してください(涙)



「タカキさん!」


 リリアスの声を聞いて俺はその方向に目線を向ける。しかし、自分の目に移りこんだものは胸の辺りがまるで焼け爛れてしまっているかのような状態になっているリリアスの姿。


「・・・リリアス。その怪我は?」


「こ、これは」


 ちょっと言いづらそうにしているが、まあいい。今はそれよりも治療だ。


「見せてみろ」


 一瞬で今いる場所からリリアスのいる場所にまで移動した俺は怪我の具合を見る。


「タカ、キさん。恥ず、かしいです」


「我慢してくれ」


 どうやら声も出づらくなってしまっているようだな。


「これはあの黒いのにやられたのか?」


「はい」


「そうか」


 なら回復魔法で治癒させるよりも安全策を取った方がいいな。


「『限定部分遡行(リミットリカバー)』」


 時空魔法を使っての治療だ。今までは力加減が心配で回復魔法の方に頼っていたが、みっちり一週間修行したからな(端折ったけど)。コントロールも大分良くなっているし。


「はい。これで大丈夫だろう」


 俺は数十分前の体の状態に戻しておいた。リリアスがやられてからそこまで時間は経っていないのかもしれないが、念には念を入れておかないとな。


「ありがとうございます」


 リリアスも怪我が治って安心しているようだ。


「さて。それじゃあ後はあそこの黒いのをどうにかするだけだな」


「気を付けてください。魔法での攻撃はある程度効きましたけど、痛覚もないし、再生しますから物理攻撃は全く効きませんでした」


「ああ。分かった」


 それなら一番いいのはこれだな。


「ほら。ポイっとな」


 その掛け声とともに黒い何かは消えてしまう。


「「「「「「「ええええええええええええええええっっ!?!?!?!???!」」」」」」」


 おや?リリアス以外の全員が驚いているな。


「もう大丈夫だ。倒したから」


「倒したって・・・。何をしたんですか?」


 キャシーが恐る恐る聞いてくる。


「まあ、もう帰ってこれない場所に送ったとだけ言っておこうかな」


「「「「「「「ヒィッ」」」」」」」


 おおっと。皆怖がらせてしまったようだな。


 実際は時空魔法を使った応用というか、技というか。ブラックホールを疑似的に作り出してその中に突っ込んだだけだ。勿論、ブラックホールの理論なんてよく分からないからまさに疑似的なものだ。習得した魔法は勝手に理解出来るようになっているらしいからな。じゃないと異世界人の俺が簡単に魔法を使えるわけがない。


 そんでもってただブラックホールをその場に作り出したら危険なので俺の作った異空間の中で発生。その異空間の中に黒い何かを放り込むだけというわけだ。中身が分かってしまえば本当にゴミ箱に捨てただけと大差ない。


「しかし、もう勝負云々言ってはいられないか。勝負はここまでとする」


 ギムルはどう思っているかは知らないが、これ以上は精神的にもキツいだろう。まさに死と隣り合わせだったわけだからな。


「あの~」


 そんな中、村長の息子さんがおずおずと声を掛けてきた。


「どうしました?」


「まだヘドロ系の魔物は結構な数、残っているんですけど・・・」


 ああ。そういうことか。まあ、言いたいことは分かる。


「分かっていますよ。残りは俺が片付けておきます。それに元凶を絶ったのでもう増えることもないと思います」


「本当ですかっ⁉ありがとうございます!」


 何度も頭を下げる息子さん。娘さんも同じように頭を下げている。


「そこまでしてくれもらわなくてもいいですって。それよりちょっと離れていてください」


「何をするんですか?」


 キャシーが俺の言葉を疑問に思ったのか、聞いてくる。


「これから全部の魔物を掃除する。危ないから離れていてほしいんだ」


「どうやって?」


 疑問は最もだ。


「こうするんだよ」


 俺は水氷魔法で作った矢を大量の展開する。


 そして把握スキルで全部の魔物を把握。


「後はぶち込むだけ―――だっ!」


 そしてまさに雨のごとく村周辺に住み着いている魔物に直撃させていく。


「凄い。ここから見えるだけでも全部当たってる。しかも、全部氷漬け」


「最後に仕上げっと」


 風雷魔法で作った矢を放つ。その矢は当たった瞬間にその周囲に斬撃を残して消える。そしてその斬撃が直撃したので氷漬けだった魔物は細切れ状態だ。


「「「「「「「・・・・・・・」」」」」」」


 皆言葉もないようだ。でも、実際の作業はここから。見えないように時空魔法で黒い何かと同じように異空間の中にあるブラックホールに放り込んでいく。これで本当に完了。


「それじゃあ村に行って完了報告しないとな」


 すでに皆言葉もない状態のままなので俺は皆の表情を確認したりはしない。


「タカキさん。実力が上がってから自重するボーダーも緩くなっていませんか?」


「え?マジで?」


「だって今までだったら人前でここまでの規模のこと、しなかったじゃないですか」


「うっ」


 確かに。前までならしなかったかも。ちょっとそこら辺のことに関して気が緩んでいるのかもしれない。


「確かにそうだな。今後はもうちょっと考えて行動しよう」


 自分でも強くなって試したい気持ちがあるのかもしれないな。ちょっと落ち着こう。この後リリアス達にどうしてああいう状況になったのか聞いておきたいからな。普通はリリアスだけでもある程度対処可能だったはずなんだから。




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