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第374掌 外国では自分の行動に責任が伴うことを理解しよう

ついにこの回で100万文字突破です!

文字数も大台に乗ったのでこの調子でガンガンいきたいです!



 その後、やはりというか何というか。問題を起こす生徒が出た。


 娼館に行かせたお陰でそっち方面で暴走する奴は出なかったのだが、街にいる可愛い系や美人系の女の人に強引なナンパをし出したのだ。


 勿論、そんなことをすれば学園の顔に泥を塗ることになるし、最悪国際問題になりかねない。何せ、この遠征に参加しているのは平民だけではないからだ。


 答えは簡単に導き出せると思うが、貴族の子息という肩書きが重要になってくるのだ。他国の貴族が自分の国の民を乱暴に扱った。それだけで責められる原因を作ってしまう。


  さて。そんな馬鹿な真似をしたのは誰か。


 そんなの勿論、あの俺に突っかかってきた男子生徒に決まっている。しかも、やらかしやがったのが、自分だけではなく取り巻きの貴族と一緒にナンパをしていたということ。


 一人だけなら軽く見せしめにしてナンパされた女性に口止め料を払えばいい。お金は後で学園とバカやらかした男子生徒の親共に請求するから俺の財布は痛まない。


 だが、複数となると話自体が大きくなる。集団でこういうことをやるってことはそれだけ大事なのだ。


 しかし、それではハフナーさんやアルナスさんに迷惑が掛かる。それは望むところではないので使いたくはないのだが、闇魔法、いや、今回の端折ったパワーレベリングで位が上がり、暗黒魔法を使った。


 簡単に言ってしまえば催眠術だ。これって悪いイメージばかりで正直使いたくはなかった。


 だが、そうも言っていられなくなったので被害者の女性達に使用。完全に証拠隠滅した。


 それでもってナンパをした馬鹿共は国に強制送還しておいた。ここでも催眠術を使い、何か起こっても記憶出来なくして時空魔法でアルナスさんに引き渡しておいた。


 そして夜も明け、次の日には移動を開始。強制送還した奴がいた班には事情を説明して再度班を組んでもらった。暴走する奴がいなくなって皆も口には出さないがホッとしている。


 そして前回リリアスの指示した班の動きを見ていた他の班もぎこちなくではあるが徐々に戦い方を変えていき、魔物とも戦えるようになってきた。


 これで一安心とのんびりとしていたらついにノワール魔王国の王都であるエーデルハイムに到着した。


「賑やかなのがここまで届いてくるな」


 王都の外からでも騒いでいるのが分かる。


「すでに美の祭典は始まっているみたいですね」


 カリーナさんが王都の外壁を見ながら呟く。


『どうでもいいけど、この騒がしいのどうにかならないの?うるさくて仕方ないんだけど!』


 オルティが前足で耳を抑えながら訴えかけてくる。


「どうにもならないな。俺達じゃこれを止めようとしたら破壊に訴えかけるしかない」


『じゃあそうしましょう!』


 ダンガの言葉を真に受けて思考が暗黒面に落ちそうになっているオルティ。犬って鼻だけじゃなくて耳もいいのか?詳しいことは分からないけど。なんとなく人間よりは凄い気がする。


「ちょいちょい!待った!シャレにならないから!あと、そんなことはしないし、やる気もない」


 俺は暗黒面に落ちそうなオルティを急いで止める。


『えー?やらないのー?』


「やらない。ほら、耳栓をやるから」


 異空間から耳栓を取り出す。魔法で作った耳栓だ。ちなみにヘッドホンタイプもある。これは流石に犬のオルティには使えないからまた今度だな。


「それじゃあ門番に話を通して中に入ろうか」


 俺は門番のいる場所に向かった。


 そして簡単な手続きと質問に答えて入都完了だ。


「それじゃあここでも一日休みにしよう。明日からは冒険者の真似事で依頼を受けてもらう。それと空き時間を滞在期間中に作る。その間は開催中の大会に参加してもいいし、自由時間に使ってもいい」


 広場で生徒達に話をする。


 俺の言葉に嬉しそうにはしゃぎ出す。


「ただし、一つだけ条件がある」


 その俺の言葉に静かになる。


「自分の中で目標を定めてそれをこの遠征中に達成すること。どんな目標でもいい。一段階上の自分になれればそれで。質問があればここまで護衛してきた冒険者達も答えてくれる。もし、自分のことを話すのが恥ずかしいなんて考えを持っているのならすぐに捨てろ。そんな一時の感情で今後の自分を無駄にするな」


 俺は辺りを見渡す。生徒達は俺の言葉を静かに聞いてくれている。


「将来、大人になった自分、その到達点に至るにはどうすればいいかを考えて行動してくれ。俺からは以上だ」


 正直地球で聞いたような話をしているだけではあるんだけどな。それでも俺自身がいいと思った言葉だからここで話した。って言っても現代っ子な俺はまだ自分がどんな自分になりたいのか分からない。これは俺に向けた言葉でもある。


「さて。これで今日は終わり―――と言いたいが、最後に皆にそれぞれランダムに依頼を用意した。ここにいる冒険者が持っている封筒を選んで班ごとに持って行ってくれ。難易度はそれぞれだが、達成出来ないほどのものは入れていないから安心してくれ」


「はい!質問いいですか?」


「ああ。いいぞ」


「それって今日から依頼をこなしてクリア出来たらこの王都にいる間は自由にしていいってことですか?」


「ああ。勿論、俺がさっき言った課題はこなしてもらうが、それ以外は自由だ。ただし、すんなり達成出来る依頼はないからな。覚悟して挑んでくれ」


 リリアスの班の子からの質問だったな。キャシーって言うんだっけ?


「それじゃあ解散。今日も宿代を支給するから皆取りに来るように」


 ふう。これで後はこの王都にいる冒険者との合同の護衛になるから大分楽になる。


 余談だが、宿代を取りに来たのは全員男子生徒だった。それと渡すときに感謝された。リリアスを守るためだったのでちょっと複雑な気持ちになったけど、感謝されて悪い気はしないのでOKってことにしておこう。




読んでくれて感謝です。

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