第367掌 端折るところは端折る!
「ただいまー!」
はい。依頼全部こなしてきました。・・・え?速いって?依頼こなすのなんて前回、ジョールズ共和国で散々やったからな。ここら辺の話をするのは別にいいだろう。
とりあえず、レベルだけ紹介しておこうか。
まずは俺。レベルは511。前回のテラコスとの戦闘で大分レベルが上がっていたが、今回の依頼で完全に人間のレベル上限の突破してしまった。ステータスはいずれどこかでまたってことで。地道に魔物を狩りまくったので依頼を受けて向かった場所では魔物が全滅するんじゃないかってぐらい悲惨なことになっている。
過剰に狩ったからな。当分の間は魔物の発生はしなくなるだろう。依頼も今後はないだろうな。
そんで次はリリアス。レベルは304。前までの俺のレベルだ。俺がいない間もレベル上げをしていたのか、以前見せてもらった時よりレベルが上がっていた。俺のオール・ブーストスキルも助けて、すでに200レベルを超えていた。依頼の途中ですでに戦う相手がいなくなったので時空龍クロノのディメンショナル・プルートーで鍛えてもらった。
ダンガのレベルは332。新婚旅行でトラブルに巻き込まれたとかでレベルを上げていた。この話は追々ってことで。
アメリアはレベル298。他のメンバーよりレベル自体はあんまり上がっていないが、スキルのレベルが全体的に上がっている。スキルの数も増えているし、多様性に富んでいて多方面で活躍が期待できそうだ。これも後々、戦闘とかで見せてくれるだろう。
カリーナさんのレベルは244。結構頑張って俺達についてきている。しかも、スキルやステータスが自分の戦闘スタイルに特化してかなり尖った仕様になっている。
リアは258レベル。あまりレベルは上がっていないが、また何か条件を満たしたのか、ステータスのレベル×30になっている。
オルティはレベル410。すでに300後半レベルだったからあんまりレベル自体は上がっていない。まあ、オルティ自身やる気なかったからな。今回は俺が皆のフォローに回れなかったからオルティにフォローを任せた。
「正直、ちょっとやり過ぎた感が半端ない」
自分のステータスを見ていると、これって普通にレベル1の魔法を放つだけで殲滅魔法に早変わりするぐらいの自力。
「ただいま~。疲れた~」
アメリアが「ぐで~」としながら玄関に置いてあるベンチに座り込む。
「あはは・・・。アメリアさん、自分の部屋で休みましょうよ」
「う~ん。寝るのも仮眠程度だったからすぐにでも寝たい」
「おいおい。気をつけろよ。ここ、玄関だぞ」
ダンガが注意をする。
「まあ、気持ちは分かります。かなりの強行軍でしたから」
カリーナさんがアメリアのフォローをする。まあ、結構無茶したのは自覚している。
「でも、遠征依頼までに結構強くなれたんじゃない?」
ベンチで「ぐで~」としながら俺を見上げてアメリアがそう聞いてきた。
「ああ。これなら多分、皆で戦えば眷属にも勝てるんじゃないかな?少なくとも俺が戦ったテラコスレベルの相手なら十分に勝てる」
まあ、結局俺の神の使徒としての力は使えないままなんだけどな。しかし、能力って本当に一体何なんだろうな?
「それじゃ今日は各自、自分の部屋でゆっくり休んでくれ」
「「「「お~」」」」
力が抜けたような頼りない返事を返して皆は自分の部屋に戻っていった。
「さて。俺も」
皆が部屋に向かうのを見届けてから俺も自分の部屋へ向かうのだった。
そしてその日一日は寝て過ごし、気が付いたら次の日になっていた。
・・・
「明日はついに遠征だね!楽しみ!」
キャシーがウキウキを隠しもせずに私、リリアスにそう話しかけてきた。
「そうだね。でも、クラスでチームを組むと思っていたのにまさかごちゃ混ぜだなんて、思いもしなかったよ」
クラスメイトと組む方が気心も知れているし、やりやすい。でも、今回は同じクラスの生徒とは一人しか組めない。つまりクラスからそれぞれ二人一組を作って各クラスでシャッフル。それぞれレベルが均等になるようにしている。
ちなみに私のチームはAクラスから私とキャシー。Bクラスからギムル君ともう一人の男子。それとDクラスの女子と男子の六人チームだ。
「正直、この組み合わせには作為を感じたけどね」
「作為?」
キャシーが急にそんなことを不機嫌そうに言うので首をかしげる。
「だって、ギムルまで一緒なのよ⁉あいつがリリアスと一緒のチームになりたいからって何かやったんじゃないでしょうね?」
「いやいや。流石にそこまでしないでしょ?バレたらどうなるか」
「命が係わってくるからね。良くて休学とかかな~?」
今回の遠征、より命の危険度を上げている。タカキさんや私達がフォローに回るからって安心して戦うことの怖さを知ってもらおうっていう魂胆だってタカキさんがレベルアップのための依頼で外に出ている時に教えてくれたっけ?
「キャシーも私が同じチームにいるからって安心しきっちゃダメだよ?私は緊急事態になったりしたら離れることもあるかもしれないし」
「は~い」
タカキさん達は明日の準備に取り掛かっているみたいだし、遠征に関係する授業とかが終わったら今日は帰ろう。
私はそう考えながら次の授業の準備を始めたのだった。
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