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第364掌 ギルドの雰囲気が変な訳

話数400話達成!!(^^)!



「しかし、ちょっと疑問に思ったことがあるんだが」


 ギルド長の部屋から出て一階に下りながらオルティにギルドの中に入ってから思っていたことを話す。


『何よ?』


「いや、俺がギルドにまあまあ顔を出していた頃は、俺にあんな絡んでくる奴なんていなかったんだよ。結構無茶したからな。そのことを知っている冒険者なら絶対にテンプレなことなんてしないはずなんだ」


『よく分からないけど、普通に考えてよそから来た冒険者だったんじゃない?』


「それはそうかもしれないけど、周りの連中まで似たような感じの奴ばっかりだった。普通なら止めるか、それでなくとも顔色を悪くしながら見ているはずなんだ」


 絡んだ奴のこの後やってくるだろう未来におびえながらな。俺もあんまりしつこいと普通に死なない程度にぶっ飛ばすこともあるから。


『そこまで怖がられるって・・・一体何をしたら荒くれ者の冒険者を怯えさせられるのよ』


「まあ、うん。それはおいおい・・・ね」


『何よー。煮え切らない返事してー』


 いや、正直あの時は自分でも人を大量に殺すってんで変なアドレナリンが出ていたからな。正直ちょっと過剰だったかもな~なんて思わないでもない。具体的に言えばもうちょっとチャンスを与えてあげても良かったかも、と思うくらいには。


「とにかく、ちょっと気にはなっているし、ハルさんに聞いてみるか。オルティも何があっても出来るだけ我慢してくれよ?」


『分かったわよ・・・』


 よし。言質は取った。それじゃあ早速。


 一階から降りて受付嬢のカウンターに行く。


「ハルさん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」


「はい。何でしょうか?すみませんが、あまり長いこと話は出来ないんですけど」


「ああ。大丈夫。ちょっと気になったこと聞きたいだけだから。そんな大した話じゃないよ」


「それなら大丈夫です。それで、何が聞きたいんですか?」


「さっきギルドに入って思ったんだが、俺に絡んできた奴がいたな~って思って」


「あ~。そうですね。やっぱり気にしますよね。さっきのこと、怒っていますか?」


「いや、怒ってはいないんだけど、あれだけのことをやった俺に絡んでくる奴と、それを止めもせずに笑っている冒険者達ばかりで驚いたんだ。随分と雰囲気も変わったな~と」


「いや、今までここで働いてくれていた冒険者の方々がもうすぐ開催される世界的に有名な大会に参加するために一時的に出て行ってしまったんです。それでその間、普段は燻っているガラの悪い冒険者が我が物顔

で威張り出しまして・・・」


 最後の部分を小声で説明してくれるハルさん。


「ふーん。ちなみに世界的に有名な大会っていうのは?」


「美の祭典です」


「うん?何だって?」


「だから美の祭典です」


「冒険者が?」


「はい」


「え?マジで?」


「はい」


 嘘だろ。冒険者と美なんてどこをどうしたら繋がるんだ?


「様々な催し物があるんですよ!」


「例えば?」


「冒険者繋がりで挙げると技の美しさを競う大会。魔法の美しさを競う大会。指定された魔物をどれだけきれいな状態で持ってくるか競う大会・・・等々」


「へぇ。ちなみに冒険者繋がりって言ってたけど、もしかして他にも色々とある?」


「はい。容姿を競う大会や作った料理の腕を競う大会。装飾品の出来を競う大会。他にも色々あります!」


「なるほどね。それで目ぼしい冒険者は全員いなくなったと」


「はい」


 俺の回答に落ち込み気味に肯定するハルさん。


「う~ん。もしかするとアネッサさんの頼み事ってこれも関係してる?」


「何を頼まれたのか時期的に大体分かりますけど、それは要因の一つってぐらいだと思いますよ?」


 でも、結局それも原因の一つではあるってことだろ?俺じゃなくても俺の下位互換ならいるだろうし。


「ま、どっちにしろ一回話を持って帰って吟味しないとな」


「はい。お待ちしています」


「ああ。それじゃあまた」


「はい!」


 そして俺はギルドを出る。


『理由が分かって良かったわね』


「まあ、ちょっとしたモヤモヤぐらいは晴れたかもな。でも、結局何も解決はしないけど」


『でも、依頼を受ける時の心の言い訳みたいなものは作れるんじゃない?』


「なんだかとっても情けない話だけどな」


『いいじゃない。それでやれるなら』


「まあ、な」


 さて。屋敷に戻るか。この依頼、特にリリアスに話を聞いて詰めていかないと。学園側とも話をしないといけなくなる。


「後はダンガも聞いとかないと」


『なんで?』


「新婚旅行的なものは終わってるけど、出来立てのカップルだからな。もう少しくらいイチャイチャしてもいいんじゃないかと思ってな」


『どっちでもいいけど、私とあった時にいた人達はいいの?』


「樹里とミッキー先生のことか?」


『ええ。あの人達も仲間なんでしょ?』


「いや、仲間ってわけじゃないよ。故郷が一緒だし、友達とか先生って間柄だけどね。それでも仲間ではない」


 今の段階から仲間になるって結構な強さじゃないといけないし。ゲームに例えていうなら物語の中盤で初期レベルの仲間が増えるみたいなものだ。こっちに育てる余裕がないのにそんなの増えても放置しかしないでしょ?


『そう。まあ私的には足を引っ張る奴がいないんならいいわ』


「そんなツンツンな態度をあんまり取るなよ」


 そう言って俺はオルティの頬を伸ばす。


『ほっと!あにふんの!』


「いや?可愛いなと思って」


『あんたまふぇ犬あふかいしないでふぉ!』(あんたまで犬扱いしないでよ!)


 こんな憎まれ口を叩きながらも結局はそういう奴も助けちゃうんだろうなぁと想像してホッコリするのだった。




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