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第36掌 ギルドで

調子が良かったのでもう一話投稿します。




 疲れていたのか、次の日に起きたら昼になっていた。


「寝すぎたな~」


 まあ、それだけ昨日は疲れていたんだな。リリアスもダンガも休日だから起こしに来なかった。っていうかもう出かけているっぽいんだよな~。


 俺は現在、街を散策していた。


 真っ先にギルドに行ってもいいんだけど、せっかく新しい街に来たんだ。色々と見て回りたい。


 結構活気があるんだな。なんか、日本の魚市を思い出す。まあ、俺は実際に行ったことはないんだけども。テレビで見ただけだけれども。


 あちこち見ていたら道の向かいから結構物騒な装備をした集団が歩いてきた。見た感じは兵士か?


「あれ、王都の兵だ」


 そんな呟きが聞こえてくる。


「ふ~ん」


 なんか物々しいな。中心に物騒な馬車もあるし。あの感じからして結構なお偉方っぽいな。


 把握能力を使ってみると中には女性がいた。


「ふむ」


 結構若いな。


 考え込んでいるとその集団は通り過ぎていった。絡まれなくてよかった~。最近、トラブルが友人感覚で絡んでくる気がしているからな。


 さて。あんまりふらつきすぎるとまたトラブルが起こりそうだし、目的のギルドに向かいますかね。




               ・・・




 やってきました。ギルドフェルゲン支部。ここはベルルクと雰囲気がまた違うな。


「ようこそ!ギルドフェルゲン支部へ」


 明るいな。なんか普通にお店に来たような感じだ。服屋の店員さんみたいな感じ?きれいな女性の人だ。受付嬢かな?


「依頼とか見たいんですけど」


「それならこちらです」


 連れて行かれるとそこには冒険者たちがたむろっていた。ギャップハンパないな!職員さんは特に気にしている感じはないし、これが普通なのだろう。


「こちらで選んでください。それでは」


 それだけ言うと職員さんは持ち場に戻っていった。あれ?結構あっさり・・・。


 まあ、そんなもんだよな。冒険者たちから勘違いされても困るだろうし。


 さて、そんなことは置いておいて、依頼を物色するかな。結局ランクはGのままだったし。自分が召喚したとはいえ、怪しい俺を信頼してくれたリリアスが拠点を欲しがっているわけだし、頑張って上げるかな。


「おっ。これなんかいいな」


 今日は物色だけにしようかとも思ったけど、今日一日でもすぐにできそうだな、これ。やってみようかな。


 依頼書を取って受付嬢の元に向かう。


「あの~」


「はい」


「これ、受けたいんですけど」


「はい。Gランクの依頼、スライムの核十個の納品ですね」


「はい」


「可能ですよ。それでは受注します」


 判子を紙に押して俺に渡す。おお。ベルルクとは受注の仕方も違うんだな。ベルルクは依頼を先に受けるんじゃなくて、依頼をこなした後に報告するって感じだ。つまり、事後報告ってやつだな。俺の最初のハウリングモンキーの報告が実は正しい手順だったわけだ。シャーリが新人だったからあんな感じだったけど。


「受注完了です。それでは頑張ってください」


「あ。実はもう持っているんですけど、それでもいいですか?」


「へ?」


 急なことにマヌケな声を出す受付嬢さん。


「これなんですけど・・・」


 そう言って俺が出したのは真シリーズのスライムの核。そう。緊急依頼の時の物である。デリルの言うことが正しいならこのスライムの核のレア度はAランクぐらいはあるはず。


「こ、これですか?」


「はい。ダメですか?」


「あの、失礼ですが、ギルドカードはお持ちですか?」


 え?なにそれ?


「いえ。実は登録だけなんですけど」


 そういえば登録したあの時はバタバタしてて登録だけだったな。俺もリリアスも。


「なるほど。それではこちらに来ていただけませんか?」


「?」


 あれ?ここでくれないの?


「はあ。分かりました」


 受付嬢は二階の一室に俺を案内した。


「ここは?」


 中に入り、辺りを見渡すと結構豪華な感じの内装だ。


「支部長室です」


 おお!これが小説のテンプレ、お偉いさんの呼び出しか。


「いらっしゃい」


 椅子に座っていたのはおばちゃんだった。おいおい。ここは婆さんか爺さん、もしくはおっさんか美人の女の人だろ!何もかも中途半端だわ!ツッコミも出来ない!


「あの。俺に何の用ですか?」


 と俺が聞くと次の瞬間、隣の受付嬢が襲い掛かって来た。


「おっと」


 まあ、最初から分かってたけどね。二階に連れて行かれるときに把握能力は使わせてもらったよ。前回、ギルド内部で面倒なことがあったんだから警戒は当たり前です。


「そい!」


 受付嬢を地面に押さえつけて、テレビで見た関節技を極める。


「ぐっ」


 さてと。


「どういうつもりです?」


「いやいや、ベルルクの支部長に色々聞かせてもらったからね。本当かどうか試させてもらったんだよ」


「俺はより、ギルドに不信感を持っちゃいましたけど」


「構わないよ。あんた程度ならいくらでもギルドにはいるからね」


 おおう。結構侮っているな。まあでも、デリルみたいな悪人って感じはしない。人を見る目がないだけって感じだ。


「そうですか」


 一言言って、全掌握を使う。


<威圧を掌握しました><火魔法を掌握しました><隠蔽を掌握しました>


 あれ?支部長にしては掌握したスキルが少ないな。まあ、もしかしたらすでに俺が持っているスキルもあるかもしれないけど。


 そして、ついに念願の隠蔽スキルだ!よっしゃ!これでステータスを隠せる!


「う、動けない?」


「それで?ここで殺そうか?」


 隠密行動で支部長の近くにまで行ってブレードを一本抜いて首筋に刃を当てる。


「相手がどれくらい強いかなんて関係ないんだよ、俺には」


「ぐっ」


「支部長から離れなさい!」


 俺の拘束から離れた受付嬢が叫ぶ。


 さて、どうやってこの場を治めるかな。




読んでくれて感謝です。

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