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第335掌 急展開は突然に



『グルルルルッッ!!!グオオオオオオオオオオオオオオンッ!!』


 神獣が元の狼の姿に戻り、長達に向けて咆哮する。


「「「「「「「「「―――――ッ!」」」」」」」」」


 長達はその咆哮を聞いただけで圧倒的な実力差に身を強張らせて何も出来なくなってしまう。


「ちょ、ちょっと!あの子は気を遣って私達にはあの咆哮に混じっている威圧を向けていないから長達ほどじゃないけど、それでもキツイものはキツイのよ!あなたも気を遣いなさい!」


 アメーシャに言われて気が付いた。エリトゥナも辛そうにしている。そのエリトゥナを拘束しようとしていた警備員みたいな奴らは神獣の威圧をモロに受けている。


 あー、なるほど。神獣のやつ、威圧のコントロールが上手く出来ていないな?だから警備員のかなり近くにいるエリトゥナにかなりの影響が出ているんだ。


「悪い悪い。それじゃあちょっと待ってろ」


 俺はアメーシャとエリトゥナ庇うように自分の威圧スキルを使用する。こっちの威圧が強過ぎると長達だけでなく、神獣まで威圧してしまうからな。アメーシャとエリトゥナに向かって来ている威圧だけを同じ強さの威圧で打ち消す。


「・・・あ」

「ふぅ。ビックリした」


 エリトゥナは力が抜けたような様子で呆けているし、アメーシャは自分で自分の肩を揉みながら腕をグルグルと回している。オッサンかよ・・・。


「それで?話は戻すけど、証拠を出せってことだよな。これ、俺が手懐けた主」


『誰が手懐けられたって?私は誰かのものじゃないわよ!』


 文句を言って来る神獣。


「いや、俺に一方的に倒されたのはどこの誰だよ」


『うぐっ』


「あのまま一方的にやられて殺されていてもおかしくなかったんだ。むしろ一回確認を取って殺さなかった俺に感謝しろ」


『それは確かにそうだけど・・・』


 っていうか、いきなり敵意むき出しで出て来たのはそっちだからな。そこを忘れるなよ?


「まあ、見ての通りだ。あと、散々依頼受けさせられてこっちは大分イライラし出している。っていうか、これ以上は待てない」


「「「「「「「「「・・・」」」」」」」」」


 あー。威圧したままで話すことが出来ないんだ。


「もう威圧は収めていいぞ」


『いいの?何かしてこない?』


「大丈夫だ。何かして来てもこっちで処理する」


 俺の言葉を受けて神獣は威圧を収める。分かりやすく威圧が解けた瞬間に止めていた呼吸をようやくし出した・・・みたいな?そんな感じだ。


「さて。それじゃあこれで話が出来るだろう。俺はこれ以上の先延ばしを許すつもりはない。今ここで言わせてもらう。さっさと霊薬を渡せ」


「な、何を勝手なことを!」


「そうだ!貴様ごとき人間が我々に意見を出すなど、万死に値する!」


「貴様など、我々の言いなりにでもなっていたらいいのだ!」


 散々な言いぐさですね。神獣を前にしてよくそこまでの見栄が張れるもんだ。逆に感心するわ。


「そうか。それじゃあ次の日には新しい長でも誕生しているかもなぁ。俺、この主をここに放置するから」


「―――なっ!」


「き、貴様!」


「そ、そんなことしてただで済むと思っているのか!」


「済むと思っているよ?この主の咆哮程度でこのザマになっているお前達なんか束になってかかって来ても怖くもなんともないわ。そのまま十秒も経たないうちに返り討ちにしてやるよ」


「き、貴様!ここまで我々をコケにするなど―――っ!」


「罪人だ!警備の者達!全員集合せよ!」


「この者達を討伐せよ!」


 おいおい。殺すとかそういう言い方通り越して討伐ですか。もう人として扱っていないな。


「そうか。なら俺達も遠慮はしな――――――」


 俺がそう宣言しようとした瞬間、地面が揺れる。


「な、なんだ?」


「じ、地面が揺れているの⁉」


「ひ、ひぃ」


 俺は腰を落として倒れないように踏ん張り、アメーシャとエリトゥナは本気で怯えている。地震って異世界ではかなり珍しいのかもしれないな。少なくともハイエルフの様子を見ているとそう思う。


「大丈夫だ。地震ってだけだ」


『な、なんであんたはそんなに平気そうなのよ!』


 っておい。神獣のお前までビビってんのかよ・・・。


「俺、地震については慣れてるから」


『ず、ずるい―――!』


 まあ、これは自分の生まれた国特有の耐性みたいなもんだからな。


「しかし、周りの様子からして何かが起こり出しているのは確実っぽいな。おい、神獣」


『何よ』


「アメーシャとエリトゥナを守っててくれ」


『あんたはどうすんのよ?』


「俺は原因が何かを調べてくる」


 そう言い残して俺は窓から外へと出る。


 外に出ると何が起こっているのか直接的なものは分からないが、間接的に何に影響が出ているのかは分かる。だって空を見たら空間が軋み出しているもの。なんか、ヒビが入っているように見える。


「どうやら長達なんかと言い争っている場合じゃなくなってきたみたいだな」


 俺の把握スキルの索敵範囲内に俺の目的の奴らが引っかかった。


「ついにアクションを起こしてきたな」


 俺はその反応がある場所に向かいたい気持ちでいっぱいだったのだが、まずはカリーナさん達の安否を確かめにアメーシャの家に向かうのだった。




読んでくれて感謝です。

感想・評価・ブックマークをしてくれると嬉しいです。

よろしくお願いします!


何にも思い浮かばなかったんです・・・。

急展開に持っていくためのルートが全然「こんにちは」って声かけてくれなかったんです。

そんなわけでもし他にいい案を思いついたらそっちに変更するかもしれません。

最終的に次の話に繋がるような流れにはするので変わるとしてもこの話だけです。

変更したらその時には前書きにでも載せて周知するのでよろしくお願いします。

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