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第27掌 次から次へと起こる

今回、いつもより少し短めです。

ごめんなさい!




「ダンガ。俺は西側の市場を見てくる」


「おう。じゃあ、俺は東側の方を見てくるぜ」


 俺とダンガは二手に分かれてリリアスを探しことにした。


 俺は建物の屋根の飛んで上がった。そこからステータス任せのスピードで走る。流石に<高速移動>まで使ったら人探しなんてできないし。把握スキル使おうとも考えたけど、出来ればスキルとかなんも無しで自力で見つけたいところだ。


 そんなわけで、西側の市場に着いてからあちこち走ってリリアスを探した。


 だが、一向に見つからない。しょうがないので町の人に聞いてみることにする。


「なあ、ここら辺で青い髪の女の子を見なかったか?」


「青い髪?いいや、そんなの見なかったよ」


 何人かに同じように聞いたが、見たという人はいなかった。


「これは俺の方はハズレかもしれない。一度ダンガと合流した方がいいかも・・・」


 俺はダンガの下に向かった。




                ・・・




 タカキ達がリリアスを探す出す前、未だに話し込んでいる頃。


 リリアスは買い物に出てはいたが、タカキ本人がいないのに未だに怒っていた。


「私も早く戦えるようになりたい。そしたらこんなふうに不安になったりしなくなるのに」


 というか、タカキに怒っているというよりも自分自身に怒っている要素が強い。


「特に行先も決めてなかったけど、どうしよう」


 その場の感情に任せて勢いだけでダンガの家から出てきてしまったリリアスは何もすることがなく、困っていた。


「買い物とかはタカキさんと一緒にした方がいいよね」


 そう考えたリリアスはちょうど目についた店を通り過ぎる。リリアスはその店を全く気にしなかったが、その店の店主は違った。リリアスの姿を確認するとバレないようにこっそりと鳥をどこかに飛ばした。


 リリアスは怪しい人物が何か行動を起こしていることに気づくこともなく歩いていった。


 何十分経ったのか。リリアスはただに散歩に目的を移行していた。


「お姉ちゃん!」


 歩き回っているとリリアスを無邪気そうな男の子が呼んだ。周りに自分以外に子どもからそう呼ばれる年齢の人がいないことを確認してから自分が呼ばれていることに気がつくリリアス。


「私?」


「うん!」


「何か用かな?」


 男の子に近づいて膝を曲げ、男の子に目線を合わせて問う。


「うん!お願いがあるんだ!」


「なに?」


「恥ずかしいからこっちに来て!」


 そう言って男の子はリリアスを人気のない路地裏に連れて行った。


「ここならいいかな」


 男の子はそう判断したのか、立ち止まる。


「どうしたの?」


 リリアスは男の子に問いかける。しかし、男の子はリリアスの問いには答えずどこかに走り去ってしまった。


「イタズラかな?」


 そう思ったリリアスが戻ろうと振り返った瞬間、視界が暗転した。そして誰かに取り押さえられる感覚だけがリリアスを襲った。


「これで依頼完了かな」


「ああ。文句は出ないだろ」


 そういう会話をしていたことだけは気を失う前に何とか聞くことが出来たが、意識はそこで途切れた。




               ・・・




 次に目を覚ますとリリアスは体を縄で縛られていた。


「な、なにこれ⁉」


 どうにかして解こうとするが、ビクともしない。どうやら魔法が掛けられているらしい。部屋もどこかの物置のようだ。色んなものが置いてある。


「お目覚めのようだね」


 リリアスが視線を自分を縛っている縄から上げるとそこにはデリルがいた。


「デリルさん!」


「やあ。こんにちは」


「デリルさんがこれをやったんですか⁉」


「ああ。そうだよ」


 リリアスの問いに呆気なく答えるデリル。リリアスもまさかそんなにすんなり白状するとは思っていなかったのか、すぐに返すことが出来なかった。


「ど、どうしてこんなことをギルド支部長補佐のあなたがこんなことを⁉」


「分かるだろう?勿論、タカキ君を従わせるためさ」


「なっ⁉」


 リリアスは、デリルがタカキを従わせようとすることはタカキからデリルについて色々と聞かされて分かってはいたが、まさかバレたら自分の立場さえも危うくなることまでするとは思ってなかった。


「どうしてこんなことをするんですか!」


「君は見ていなかったから分からないかもしれないが、彼は常軌を逸してる。あの五百はくだらないモンスターを相手に単騎で突っ込み、そして殲滅する力。欲しいのさ!これからの出世に役立つ彼が!私の思い通りに物事を進めるために!」


 興奮気味に話すデリル。まるっきり、悪役然としている。


「だから君にはここで彼を脅迫するための道具になってもらうよ」


「そんなっ!」


「もう少ししたら彼もここに来るだろうから、そのときにはよろしく頼むよ」


 嫌らしい笑顔でそう言うと、デリルはリリアスを閉じ込めている部屋から出て行った。


「ど、どうしよう・・・」


 デリルの前では弱気なところを見せないように気丈に振る舞ったが、デリルが部屋から出ると泣きそうになりながら呟いた。


「・・・・・タカキさんっ!」


 結局、タカキに助けを求めることしかできない今の自分を腹立たしく思いながら。しかし、どうすることも出来ないことに途方に暮れた。




読んでくれて感謝です。

リリアス、捕まっちゃいましたね。

なんか似たようなイベントをハイ・ハイ・ハイで書いたような・・・。

まあ、気にしない!気にしない!

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