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第240掌 初めての買い物 訪問

急なことで申し訳ないですが、私の不始末をここで報告したいと思います。

活動報告でも謝罪させて頂いたのですが、ここでもさせて頂きたいです。

一周年記念のトーク回で更新頻度についてキャラ達が触れたのですが、それをゴールデンウィークが挟まり、すっかり忘れてしまっていつも通りに週四回投稿をしていました。

書いたことと違う事をしてしまったことをここに謝罪したいと思います。

申し訳ありませんでした。

それで、更新頻度についてなのですが、なんだかんだでまだまだ週四回投稿でも行けそうなのでもう少しの間、このままで行かせてもらおうと思います。

是非、お暇な時間にチェックの方、よろしくお願いします。



 肝試しが中止になり、タカキが少し寂しそうに帰った次の日。旅行六日目。


「僕達だけで出かけたい!」

「でかけたい!」


 そんな声がタカキ達が全員集まった部屋で響いた。


 今日、この場では今日は全員で何をするかを話し合っている最中であった。個人であちこちに出歩くのはそろそろ止めて皆で楽しもう、思い出を作ろうと考えたからだ。しかし、そんな考えに不満を持つ者がいた。それが彼らだ。


「トール、メルサ・・・。どうしたんだ、急に?」


 タカキが心配そうに二人に聞く。


「僕達だけいつも誰かいた!」


 誰かと言うのはトールもメルサもお互いのことを言っているわけではない。


「そりゃ、お前達はまだ誰かが見ていないと危ないからだ」


 二人の兄であるハンクがそう窘める。


「僕達、しっかりしてるもん!前も二人で働いてたし!」

「だいじょうぶだよ!」


「いや、それはどうしようもなくて仕方なかったからであって・・・。それに本当だったらお前達まで働かせたくなってなかったんだ」


 ハンクは昔のことを思い出して後悔した感じで苦虫を噛み潰したような顔になりながら言う。


 それに他にも大丈夫だった理由として、奴隷だったことも理由となっている。奴隷は確かにその奴隷本人を縛り付けるものではある。しかし、逆に縛り付けられている分だけ所有者からの庇護も受けていたのだ。タカキは強引にその奴隷契約をどうにかしてしまったが、メルエ達の所有者は国。つまりクロノス共和国なのである。


 そんな国のものを盗ったも同然のタカキは正直国家レベルの犯罪者でもあると言えるのだが、トリスメデスを取り込んでおり、「狂った死神」ということをオークス王国が周辺諸国に言い触らしたことにより今更感がすごい。


 とにかく。そんな国のものであったメルエ達は遠回しなプリマの嫌がらせというか、暗殺というか。それ以外には特に何も危害は加えられなかったのである。


 しかし、その庇護は現在は存在しない。まあ、代わりにタカキの庇護があるのだが。


「皆も僕達のこと、まだ危ないって思ってるの?」

「(うるうる)」


 二人でハンク以外の皆に聞く。


「「「「「「「うっ」」」」」」」


 急に矛先がこちらに向き、つい目線を逸らしてしまうハンク以外の七人。


「・・・皆もハンク兄ちゃんと同じなんだ!」

「もういいもん!かってにいくもん!」


 それだけ言い、二人は部屋から飛び出していった。


「あちゃ~。失敗した。こりゃ全員での行動はまた明日になりそうだな。旅行で気を緩んでいたか?」


「いや、タカキはどう考えても旅行に出てから終始緩んでただろう・・・」


 ダンガが呆れたようにタカキにツッコミを入れる。


「ともかく。このままじゃ皆も心配だろうし、リア」


「にゃ!」


「後は頼めるか?見つからないように」


「にゃふす!」


「う、うん。まあそれじゃ頼んだ。とりあえず、俺達も一応は観光とかしてるから。何かあったら呼んでくれ」


 リアの返事に戸惑いながらも後のことを頼んだタカキ。


 リアはタカキの作った次元の扉へとそのまま入っていくのだった。




              ・・・




 場所は移り、トールとメルサは街の中心から少し離れた人気の少ない道にいた。


「おにいちゃん。これからどこにいくの?」


 メルサは見知らぬ場所に怯えながらその場で唯一頼りになるトールに問いかける。


「最初にこの国に来た時に話したことあっただろ?」


「???」


「武器だよ」


「ぶき!」


「武器とか売ってる所を見に行こうと思ってるんだ!」


「タカキおにいちゃんにおこづかいももらってるから、わたしたちだけでもかえるかもしれないもんね!」


 そうしてドンドンと奥へと進んでいく二人。


「にゃにゃにゃ」


 それを建物の屋根の上から見ているリア。特に危なそうな場面もないし、見てるだけでいいかと判断して姿は現さないことにしたようだ。


「あ、ここかな?」


 トールはそれっぽい店を見つけてメルサをつれて中に入る。


「おにいちゃん・・・」


「ん?」


「どうしてめだつところにあるおみせにいかないの?」


 至極真っ当なことである。


「それは前にタカキお兄ちゃんが言ってたからだよ」


「タカキおにいちゃんが?」


「うん。定番ってやつなんだって。こういう人通りが少ないお店には凄い武器や、凄い鍛冶師の人がいることが多いんだって言ってた」


「そうなんだ~」


 よく分かっていないだろうが、それでもトールが自慢気に言うので凄いことなんだと判断してそう言うメルサ。


「あれ?でも、わたしたちのところにはダンガおじさんがいるよ?」


「それはそうだけどさ?使う側からしたら武器は武器だし。それに買ったやつを見せればいいと思うんだ。そうすればもっといいものをダンガおじさんが作ってくれるかもしれないし」


「う~ん。そうだね!それじゃなかにはいろう!」


 そして二人はズンズンと進むメルサを先頭に店の奥へと入っていった。


 そして奥に到達すると、そこにはどう見ても刀身が真っ黒になっている剣や槍、短剣など様々な武器が置いてあった。そしてその中心辺りには一人の娘。


「あら?こんな所にこんな可愛いお客様が来るなんて。珍しいこともあるのね」


「―――あ」

「―――きれい」


 トールとメルサはその場に呆然と立ち尽くしてしまう。


「私のお店に何をお買い求めに来たのかしら?」


 そこにいたのはブロンドの髪を靡かせていて、さらにそこから長い耳が覗いている。


「「エルフ?」」


 そう。そこには物語でも定番中の定番。綺麗な容姿で長身のエルフの女性がいたのだった。




読んでくれて感謝です。

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