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第232掌 ここで今まで逸らしてきたことをハッキリさせちゃったよ

ついに4月25日です。

この「コンプリートグラスパーの異世界冒険 ~探しモノを求めて異世界漫遊~」が一周年を迎えました。

特に何かをしようとかは考えていませんが、もしも可能であれば、ちょっとしたトーク回を書いてみようかなと思っています。

まあ、可能・・・いや、うん。た、多分だよ?でも、怪しいだろうな~。程度の認識でお願いします。

それにお休みとしていたはずの回に投稿することになるかもしれませんので、その時には日にちをずらして代わりに金曜日をお休みにしたいと思います。

まあ、これは今日か明日、投稿したらなんですけどね・・・φ(..)メモメモ

そして今回の話。

一話に押し込もうと必死になったら普段より少し多めになりました。

お楽しみいただけたら幸いです。



 突然の告白に驚いてしまい、完全にさっきまであった余裕は吹き飛んでしまった俺。


「好きなんです!」


「や、あの、その・・・」


「リリアスさんとアメリアさん、それにミールさんがタカキさんのことを好きなのは知っています。でも、それでも好きなんです!」


 俺が反応出来ないのを知ってか知らずか。俺に一分の隙も与えずにガンガン突っ走るカリーナさん。っていうか、ミールのことは初耳なんですけど・・・。リリアスとアメリアのことは知っていたけど。


「私のことを一番にしてください・・・なんてことは言いません。ただ、あなたを好きな者の一人として傍にいさせてください!」


 そう言って頭を下げるカリーナさん。


 確かに。俺はリリアスとアメリア、そしてさっき聞いてしまったけどミールが告白をして来ていないからと答えを曖昧にしたままだ。これは言うなれば、疑似ハーレムと言っても過言ではないだろう。しかし、ハーレムなんていうものはその構成している人全員の同意が無ければ成立しない。


「ありがとう。告白されたことなんて初めてだからどうしたらいいか分かんなかったけど、気持ちとしては素直にうれしいよ」


「そ、そうですか!」


「でも、さ。説明したと思うけど、俺にはやらなくちゃいけないことがあるし、いずれは日本・・・元の世界に戻る。そうなってしまったらその後、どうなるかは分からないんだ。だから、カリーナさんさえ良ければだけど、答えはその時まで待っていてくれないかな?全てが上手くいって、そして皆が望む未来が手に入ったら、その時、答えを言うよ。カリーナさんは勿論、他の皆にもね」


 今はこう言うしかない。


 ここできっぱりと断った方が今後のためかもしれない。でも、カリーナさんはもう俺達の仲間だ。


 それに、俺も男の子。綺麗な女性に告白されてノーとなんて言えるわけがない。まあ、待ってもらうのもカリーナさん次第なんだけどね。ここで待つのが嫌だって言うのなら断るしかない。危険な旅をしているんだ。安全になるまでは関係性を崩したくはない。


 勿論、これは俺に関することであって、他の仲間。例えばダンガが誰かと良い仲になったらそれは素直に祝福する。


 リリアスやアメリア、それにさっき告白してくれたカリーナさんは俺以外の誰かと良い仲になったら素直に祝福出来るか分からないけどね。あ、ちなみにミールは完全に気が付いていなかった・・・わけではないが、微妙なところだったのでリリアス達のようにハッキリとは言えない。


「・・・」


 何かを考えるかのように黙ってしまうカリーナさん。恐らくだが、遠回しに断られたのかもしれないとネガティブさんが発動しているのかもしれない。それは誤解だ。念のために訂正しておかないと。


「カリーナさん?」


「あ!ご、ごめんなさい・・・。失恋ってこんなにツラいものだなんて思いもしなかったから・・・」


 わー!やっぱり勘違いしてるー!


「ち、違う!さっきのは遠回しのお断りとかじゃないから!そのままの意味だから!勿論、カリーナさんが良ければなんだけどね!でも、告白は嬉しかったし、全てが上手くいって、皆が同意してくれるならきちんと受け入れるから!」


 あれ?さっきと若干ニュアンスがおかしくないか、俺?


「ほ、本当ですか⁉」


「え⁉いや、うん」


 バッと顔を上げて、綺麗な顔を俺に思いっきり近づけて来るカリーナさん。その迫力に負けて何度も頷いてしまう。自分で言った言葉を思い返す間もなかった。


「そ、それじゃあ、私達、仮ですけど恋人ですね」


 あれー?気が付いたら凄いところまで来ちゃっているぞー?


「ま、待ってくれ」


 俺は焦りながら普段のネガティブそうなカリーナさんとは似ても似つかない明るいカリーナさんにストップをかける。


「はい?」


「さっきの言葉に偽りはない。でも、それより先にすることがある」


「なんですか?」


「リリアスとアメリア、それにミールへさっきと同じことを伝えなくちゃいけない」


 そう。ここで俺がカリーナさんと恋人(仮)になったとしても、それをリリアスとアメリア、ミールが許容するかは分からない。だからそれを確認してからだ。


「分かりました。それじゃ行きましょう!」


 俺はテンションが若干明るい感じにおかしくなり出したカリーナさんに連れられて転移してリリアスとアメリア、そしてミールのいる場所に転移するのだった。




             ・・・




 転移と言っても、最初からいきなり街中に出たりはしない。リリアス達のために作った異空間の中に俺とカリーナさんが一旦転移する。そしてリリアス達に呼び掛けてから人目のないところで異空間から出るのだ。


 そして早速実行。


「そんなわけでフェアに行こうと思う」


「「「ふぇあ?」」」


 おっと。フェアは通じないな。


「公平に行こうってことだ。これから俺がそれぞれ一人ずつ話をしていく。場所はミール以外は分かるだろうけど、ディメンショナル・プルートーのクロノの部屋な。それじゃ時間が勿体ないし、リリアスから」


 リリアスだけを連れて転移。


「タカキさん、何だか急過ぎませんか?何かカリーナさんとあったんですか?」


 鋭いな。


「ああ。さっき、告白されてな」


「ふぇっ⁉」


 おお。リリアスも驚いてる驚いてる。


「それでこの機会に皆に伝えておこうと思ってな」


「な、何をでしょうか?」


「リリアス。お前の気持ちには気付いていた。だが、俺はいずれ元の世界に帰る」


「っ!・・・はい」


「だからここでハッキリさせることは出来ない。だけどもし、リリアスが納得して、待っていてくれるなら俺はその思いに応えようと思う。勿論、条件はあるけどな」


「条件・・・ですか?」


「ああ。どうやら俺は誰も手放したくないみたいでな。全員と一緒にいたいんだ」


 ホモォ的な意味じゃなく、ダンガも。それに使用人達もな。


「だから、それでもいいって言ってくれるなら。それが条件だ」


「・・・・・・。・・・分かりました。私は待ちます。告白をカリーナさんに先越されたことは少し悔しいですけど、パーティーの中で私が一番タカキさんと長い時間を過ごしていますし、そこは譲りますよ」


 そう言ってにっこりと笑うリリアス。全く。年下でも女の子は凄いな。


「さて。リリアスの答えも聞けたし、後は二人だな」


 早速リリアスとアメリアをチェンジ!


 同じような内容をアメリアにも聞かせる。


「ふん!どうせ、こうなるとは思っていたし、私は全然気にしないわ。まあ、もしかしてまだ増えるかもしれないって思うと困るけど」


「そんな。これでもモテ過ぎだって思ってるのに。これ以上なんてありえないさ」


「どうだか」


 何故か別の意味で責められた感じになっていたが、まあそこは置いておこう。


 そして再びアメリアとミールをチェンジ!


 再び同じような内容を話す。正直、二回も同じような内容を書いたら書くのも大変になってくるんだよ。って、誰に言い訳してるんだろうな?それに書くって何だ?・・・まあ、いいか。


「いいですよ!そもそも私は奴隷だったんですし、タカキさんのハーレムに私を入れてくれるだけでうれしいです!だから気にしないでください!っていうか、私ってそんなに分かりやすかったですか?」


 いや、カリーナさんがやらかしただけだから。他の皆は気が付いていたかもしれないけど、ギリギリだけど、俺には気付かれていなかったし。


「ふぅ。これで全員だな」


 全員に説明をし終え、ようやく一息ついたのだった。


 それからカリーナさんが許可を出したのでそこからはリリアス、アメリア、ミールを入れた五人での観光になった。というより、関係をハッキリさせてから初のデートとなったのだった。




読んでくれて感謝です。

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