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第24掌 戦闘開始

祝!アクセス数一万突破です!

五桁です!ごけた!

コンプリートグラスパーの異世界冒険が始まって二週間とちょっと。これからもよろしくお願いします!

それでは追加分の話です。どうぞ!



「なっ⁉」


 急な展開に茫然としてしまう。リリアスもびっくりしているようだ。体が震えている。


「リリアス!ともかく、一旦戻るぞ!」


 俺はリリアスに声をかける。出来るだけモンスター達を刺激しないように。


「・・・・」


「リリアス?」


「・・・・」


 返事がない。俺の声も届いていないようだ。


「っち。仕方ない。今回もこれだな」


 リリアスをお姫様抱っこして<疾駆>と<瞬動>を使う。


 門に入り、一息つく。


「どうした?なにかあったのか?」


 さっき出たばかりの俺達が戻ってきたことを不思議に思った兵士が訊ねてくる。


「外に、モンスターの大群がいた。見た感じはスライムやゴブリンばかりだが、かなり数が多い。見た感じ、五百はいた」


「なにっ⁉冒険者たちはどうした?」


「ほとんど全滅していたよ。今はモンスターがこの門を包囲している・・・・・というよりはおそらくこの町を包囲しているな」


「なっ」


「急いで報告した方がいい」


「あ、ああ!」


 兵士は大急ぎで詰所に入っていった。少し経つと詰所にいた兵士たちが二人か出て来て色んな方面に走っていった。おそらく、領主のところと、ギルドのところにそれぞれ向かったのだろう。


「リリアス。おい!リリアス!平気か‼」


 俺は腕に抱いたリリアスに声をかける。リリアスは俺の何度目かの呼びかけにようやく我に返った。


「タ、タカキさん!」


 震えるリリアスは俺にお姫様抱っこされたまま抱き着いた。余程衝撃的だったんだな。まあ、恐らく初めて見る人に死だ。当たり前かもしれない。対して俺は落ち着いていた。確かに最初は驚いた。しかし、すぐに冷静になった。これはおそらくMNDの高さ故だろう。流石はMNDだけ化け物な俺。文字通り桁が違うもんな。


「安心しろ。ちゃんと守ってみせるから」


「・・・・はい」


 少し涙声だが大丈夫だろう。


 さて、それでは外の様子を確認しますか。


 俺は町の外を把握する。すると俺の見立てが当たっていたのか、モンスターの大群は町を囲うようにしていた。


 しかしそれ以上に、アレはマズいな。


「タカキさん?どうしたんですか?」


「ああ。さっきスキルで外の様子を見たんだが、ちょっとマズい状態になってる」


 明らかにスライムやゴブリンではない個体が一体だけいるのだ。大群の最後尾に。


「恐らくだが、今回の異変の元凶が出張ってきている。本気でこの町を墜とすつもりだ」


「そ、そんな!」


 さて、デリルには戦わないと言ったが、どうしたものか。ここにはシャーリやダンガがいる。こいつ等だけでも守り抜きたい。しかし、恐らくだが、この二人はこの町から今すぐには出れないだろう。ダンガはもしかするといけるかもしれないが、シャーリはデリルがそばにいる。そんな状態では間違いなく妨害が入る。下手するとシャーリを使って俺に戦うように強要するかもしれない。


「・・・・・」


 俺は考える。この状況で一番いい方法を。もちろん、このままリリアスと二人で逃げることは可能だろう。しかし、俺が守りたいと思った残りの二人もとなると不可能だろう。


「・・・・・これしかないか」


 観念する。もう、戦うしかないと。


「リリアス。俺はこれから外に出て戦ってくる。ダンガのところに行け」


「そ、そんな!私も行きます!」


「ダメだ。今回は流石にキツ過ぎる。一緒に戦っていたら守り切れない」


 今回は流石に足手まといになってしまう。


「で、でも!」


「今は足手まといだ」


「っ!」


 ここは厳しくいかないとな。


「安心しろ。全部蹴散らしてくるさ」


「で、でも!」


 今にも泣きそうになりながら俺を離さないと言った感じで強く抱きしめるリリアス。


「大丈夫だ。俺は神の使徒だぞ?あんなの軽く全部掌握してくるさ」


 それでもイヤイヤといって話さないリリアス。


「ごめんな」


 俺は首トンしてリリアスを気絶させた。そして、いつもの<疾駆><瞬動>コンボでダンガのところまで行く。


「ダンガ!悪いがリリアスを預かってくれ!」


「おわっ⁉なんだ急に!出発したんじゃないのか?」


「緊急事態が発生したんだ。モンスターが町を囲っている。冒険者たちは全滅だ」


「なにっ⁉」


「俺はこれからその対処に行ってくる。それじゃあな!」


 ダンガが何か言っていたが、俺はそれを無視して駆けていった。悪いとは思ったが、ダンガの店から門に行くまでの道に有った道具屋でポーションを貰った。支払いはダンガへと言っておいたから大丈夫だろう。後で払いに戻るし。




              ・・・




 外に出ると最初に見た時よりもどこかサッパリしていた。周りを見回してみると死んだ冒険者たちがどこかへ運ばれていた。


(何か目的があるのか?)


 そう考えるが、今はそんなことを考えている余裕はない。一気に行くぞ!


 俺が今使える中で最も広範囲に攻撃が出来るもの。それは水魔法だ。


「はぁっ!」


 俺は地面に手を当て、町を覆う水の渦をイメージする。それもかなりの勢いの。簡単に言えば洗濯機だ。


 そして、その変化はすぐに起きた。


 モンスターがいる場所より少し前に水が出始めた。そしてものすごい勢いでモンスター達を巻き込む。洗濯機には水が出ないように囲いや蓋があるが、これにはない。モンスター達は次々に遠くへ流されていく。


 今のでMPが半分は削れたな。でも、あれで何十体かは倒したようだ。レベルアップと掌握のアナウンスとが流れている。


 本気で戦う前にステータスを確認するか。



タカキ・ヤガミ 男


種族 ヒューマン?


レベル 51


HP:944/944(+100)

MP:470/867(+100)


STR:1003(+100)

DEF:1043(+100)

INT:953(+100)

AGI:1091(+100)

MND:4600(+100)


固有:全掌握(下位の把握を偽装として表示できます)


スキル:オール・ブースト

    疑似神眼

    疾駆

    瞬動

    棍術

    投擲

    短剣術

    硬化

    浸透


魔法:水魔法

   植物魔法

    


加護:地球神の祝福



 俺が最初に倒したスライムが持っていたスキルだ。ゲットできたか。それに、ついにステータスが四桁になっちゃったな。俺、この世界に来てまだ三日目なんだけど・・・・。


 まあ、そんなことは後でいくらでも考えればいいか。今は目の前のこいつ等だ。


 未だに何百体もいるモンスター達を見てそう考えた。




読んでくれて感謝です。


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