番外① リリアスの学園生活 7
更新一時間前に何とか書き上げることが出来ました。
まさかここまで何も思い浮かばないとは・・・。
時は飛んでアリエス教国でのゴタゴタが終わって、旅行に行くまでの間のこと。
私は一旦、学園に顔を出していた。
それは、学園にこれまで休んでいた分を代わりに課題として宿題を出してもらい、それを出したら休んでいた分を帳消しにしてもらえるという好待遇をしてもらったからだ。
アリエス教国でコツコツやったおかげというか、分からないことはタカキさんやダンガさんに聞くことが出来たし、サポートでお茶とかを出してくれたアメリアさんがいてくれたりと、かなり捗ったのだ。むしろ私の中で「あれ?これ、私、学園に通っている必要ないんじゃないかな?」って思ったけど、そこで私は考えるのを止めた。
だって、私の夢でもあった学園生活でそんなことを思いたくないから。
そんなわけで黙々とやり切ったこの宿題を先生に提出すれば完了。ついでにもう一回休むことを伝えて、今日、授業を受ければそれでおしまい。
久しぶりに学園に行くとなり、私は少しだけ気分が上がっていた。
「おはようございます」
自分の教室に入って挨拶をする。
「あっ!おはよう!」
そう挨拶を返してくれたのはキャシー。休んだこともあって、何だか久しぶりに会ったような感じがする。
「学園をお休みしてまでの仕事なんて大変ね。どんな仕事をしてたの?」
「そんなに大変と思ったことはないかな。でも、内容は言えないよ。学生の私だとしても依頼内容は厳守しなくちゃ」
「そっか。どんなことをしていたのか気になったんだけどな~」
言えるわけない。他国の教皇を決める大会に出場して、そのまま新しい教皇を味方に付けたなんて。そんなことを言ったら私達は、というかタカキさんは何者だってことになるし、貴族の勧誘とかそういうのも増えてしまいそうだ。
今のところは二つ名持ちのタカキさんへの勧誘はオークス王国の王族の方々が防いでくれているが、それでも他に色々と情報漏洩が起こると厄介なことになってしまう。タカキさんや他のパーティーの皆さんにも迷惑が掛かるし、何よりタカキさんの足を引っ張りたくない。
「そうだ。この前、ギムルが来たわよ」
私の伝言のことかな?
「リリアスが休むことを教えてくれたんだけど、あいつに教えてもらうと何だかシャクね。負けたような気持にもなるし」
「ギムル君が私を追いかけて来てくれたから頼んだの。休むことをちゃんとキャシーに伝えてなかったから」
「直接来てくれたら良かったのに~」
「ごめんね。あの時は急いでいたの」
そうこうしていると、鐘が鳴る。授業の時間だ。
私達はそれぞれ自分の席に戻って授業を受けるのだった。
・・・
授業も終わり、放課後になった。
「リリアス。この後、暇?暇なら一緒に買い物に出掛けない?」
「うん。ちょうど今度の旅行のための準備をしようと思ってたの。行こう」
「え?リリアス、どこかに行くの?」
「あ、言ってなかったね。私、今度パーティーの皆さんやお世話をしてくれている人達と一緒にヤームロ帝国に旅行に行くことになってるの」
「ええっ⁉いいな~。ヤームロ帝国って観光地としても有名なところじゃん。私も行きたいと思ったところ!」
「そうなの!昨日買った本にもそんなことが書いてあって。もう楽しみで楽しみで。普段忙しいし、これからも忙しくなるからその慰安も兼ねてなんだって」
「へぇ~!ちゃんとしたリーダーなのね!」
「そうなの!」
タカキさんのことを褒められて嬉しくなっちゃう私。
「タカキさんはね!私が諦めかけていた夢を現実にしてくれた人でね!最初に夢を話した時に周りの皆が馬鹿にしたのにタカキさんはそんなことしなかったの!それでね!カッコよくてね!戦いのときも強くて、私達仲間を害する敵には容赦しなくて!でも、そんな容赦なく戦った後でもいつものタカキさんでいてくれるの!それでねそれでね!」
「すとーっぷ!」
「ほえ?」
ここからがいいところなのに。
「流石にそんなに早口で、しかも私が知らない人の話をされても何も伝わらないよ」
「え?でも、前に会ってるよ?」
「え?」
「ほら。前、私が冒険者パーティーの人を学園に連れて来ていたでしょ?」
「ああ。あの時ね。あの真っ黒な」
「うん。その人だよ?それに前に言った・・・す、好きな人・・・」
「え、えええええええええええええええっ!!??!?」
「あはははは・・・」
気づいていなかったもんね。タカキさんのこと。
「あの人が⁉」
「う、うん」
なんか、再度確認されたら恥ずかしいな。
そんな話をしながら帰っていると、隣のBクラスからザワザワとしているのに気が付いた。
「どうしたんだろう?」
「そうね。確かに、放課後にしては度を越しているわね」
そう言いながら教室を除くキャシー。
「こういう時は頼りたくないけど、ギムルに聞きましょう」
「そうだね」
私達二人はギムル君の姿を探すのだが、一向に見当たらない。
「あれ?」
「あいつ、もう帰ったの?」
仕方ないので知り合いじゃないけど、Bクラスの女生徒の人にキャシーが聞く。
「何かあったの?」
「え?ああ。昨日、ギムルが冒険者ギルドの依頼を受けてから帰ってこないのよ。それで何かあったんじゃないかって」
「え?」
そんな声しか出なかった。
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なんか、「リリアスの学園生活」も少しは波乱を起こさないとな~と思っての今回のラストです。
何も語りませんが、強いて一つだけ言うとするなら、この作品はハッピーエンド好きな作者が書いています。




