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第219掌 苦しみからの解放 その5

もうちょい!

もうちょいで終わりますので!

予想では、あと10話はいかないと思いますので!

もう少しだけアリエス教国編にお付き合い下さい!



 作戦を開始した俺達は隠れることもせず、走ることもせず、堂々と教会の正門へと歩んでいく。


「止まれ!何者だ!」


 門番をしていた信徒が大きな声で問いかけてきた。しかし、ここで応えてやる義理はないし、無視してそのまま突入。


 ここで門番をしていた信徒が侵入者である俺を排除しようと魔法による攻撃を仕掛けてきた。


「くらえ!『水球弾』」


 水の玉一つを高速で飛ばしてくる。しかし、魔法の射出スピードも本人の力量に依存するためか、速いと言っても常人でも目で見える程度のスピードだ。


「邪魔」


 その魔法を俺は手で叩き落とす。


「なっ」


「ふん!」


 そのままお返しとばかりに水魔法を発動。種類も同じ水球弾だ。ただし、数が違う。門番が一つだったのに対して、俺は十。本当はこれ以上出せるのだが、死んじゃうから止めておく。


「ぐあ!」


 二つ程何とか避けた門番だったが、残りの八つが命中する。それにより、相手は完全に沈黙。


「よし。このまま中に入るぞ。邪魔する奴は裏側だろうが表側だろうが関係なく迎撃していくから」


「了解しました。それじゃ私はサポートに回りますね」


「ああ。頼む、リリアス」


「はい」


 そして、俺達は創造教の教会の中に入った。


 まず、俺達を出迎えたのは武装した信徒の軍勢。勿論、それ程多くはいない。広いとはいえ、中に入れるギリギリの人数だ。それでも、普通の侵入者なら簡単に制圧出来る程度の数はいる。どうやら門番が何かしらの手段で中にいる人達に伝えたのだろう。やることはしっかりやっていたんだな。


「そこまでだ!貴様達はここで大人しく投降しろ!」


「ただの侵入者にこの警備は過剰なんじゃない?」


「うるさい!大人しく捕まってろ!」


 俺の言葉に応える気はないようで、信徒達が俺達を捕まえようと襲い掛かってくる。


「おいおい。ここは殺す気でこないと。まあ、そんなこと、この広さと人数で出来るはずないけど」


 そう言って俺は魔力を周囲に展開する。


「リリアス」


「はい!」


 俺の言葉にリリアスは応えて、ミスティさんを抱えてジャンプする。そこで俺が足場を風魔法で固定。これでリリアスとミスティさんには影響がない。安心して発動出来る。


「『津波』『雷電』」


 水魔法によって周囲に津波を発生させる。これでリリアスとミスティさんを除いた全員に水が行き届いた。そして俺も少し宙に浮いて威力を抑えた電気を津波によって発生した水に流す。


「「「「「ぐぁぁぁああ!!!」」」」」


「はい。状況クリア。進もうか」


「本当に容赦ないわね」


「タカキさん的にも早めに片を付けて他の所に応援に行きたいでしょうから。殺しはしないでしょうが、それ以外は容赦しないでしょうね」


「私達、よく生きてたわね・・・」


 まあ、ミスティさんやカリーナさんと出会わなかったらあなた達にも容赦はしなかったでしょうね。


 俺的にも出会ってて良かった。容赦なくやった後でそういうの聞いてたら後味悪かったからな。


「このまま一気に主要な人物を片付けていくぞ!」


「はい」「ええ!」


 そして俺達は奥に向かって駆け足で進んでいった。




        ・・・




 それから、俺達は把握スキルで分かる主要な人物をサクサク片付けていった。


「後残っているのは誰々?」


 ミスティさんが俺に聞いてくる。


「そうですね。後は最深部にいる三人だけです」


「三人・・・」


 恐らく、ミスティさんを暗殺者に見立てたのはその三人の中の誰かだろう。ここまででミスティさんからは動揺や怒りなどの感情は表れていなかったからな。もし、ミスティさんを暗殺者にした奴がいたら何かしらのアクションを起こしていたんだろうしな。


「まあ、そういうのは全部終わった後にでも煮るなり焼くなり好きにすればいいですよ」


「そうね。今は作戦に集中しなきゃね」


「ええ。その意気ですよ」


 そんなことを話しているとその最深部に到着する。主要な人物は三人と言ったけど、俺達が来た時点で護衛を呼んだのか、五人程まあまあの強さのがいる。連携が上手く取れたらリリアス一人だけなら厳しいくらいの強さはあるな。まあ、連携が取れたらの話だけど。


「それじゃ、突入しますよ」


「ええ。私は大丈夫だから、気にしないでやっちゃって」


 その言葉を受けて俺は扉を開け放った。


「っ!」


 その瞬間、俺達目掛けて火・水・風・土の魔弾が降り注ぐ。


「うおっと!」


 俺はそれを風魔法で防壁を作って防ぎ切る。


「ちっ!仕留められなかったか!」


 丸々と太ったおっさんが悔しそうな表情で呟いた。


「仕方ないだろう。ここまで三人だけでやってくる程の実力者だ。この程度の不意打ちでは倒しきれないだろうよ」


 どっしりとした雰囲気の初老の人物がそう嗜める。


「このままで大丈夫なんだろうな!?これだけの人数と実力のある人物達が負けるはずがないだろうな!?」


 こっちは明らかに小物感が漂うヒョロッとしたオカッパお兄さんだ。典型的な小悪党だな。


「悪いな。制圧しに来たんだ。話を聞くつもりはない。大人しく投降しろ。嫌なら力尽くだ」


 さてと。これでここは終わりだし、サクサク進めていこうか。あっちも話を聞くつもりはないだろうしな。


 手をプラプラさせながら準備運動をして、リラックスしながら戦闘を開始するのだった。




読んでくれて感謝です。

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