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第200掌 四回戦 交渉成立

ついに。

ついにこの話をもちまして、コングラが二百話に到達しました!

といってもとっくの前に話数だけなら二百は超えていたんですけどね。

そんなことを踏まえつつ、今回の話をどうぞ!



「それで?条件っていうのはどんなものなんだ?」


 戦いながら俺はリーダーの言う条件とは何かを問う。


「ああ。大会終了後に裏側の勢力の掃討の手伝いをしてもらいたいんだ」


「そんなことを計画していたのか?」


「ああ。表側は何も変わっていないように見えるが、所々で裏側の力が強くなっていることが分かる。その中でも分かりやすいのは「狂った死神」が出て来たことだな」


「お、おう」


 ここでそれが出てきますか。いや、この前にも遭遇しましたけどね。


「どうだ?この条件を呑んでくれるのなら俺達はこの試合、棄権してもいい」


「・・・」


 俺は別に掃討しようなんて考えていなかったんだがな。でも今後、神の眷属達が活動しにくい場所を作るという意味ではこの掃討作戦は結構いいのかもしれない。


「分かった」


「そうか!」


「だが、一つだけ」


「な、なんだ?」


 俺の言葉によってリーダーに緊張が走る。まあ、ここで何か言うってことはこっちからも条件が出ると思うよね、普通に考えて。


「この試合、棄権・・・というか、負けるのは俺達だ」


「・・・どういうことだ?お前達が勝ってくれた方が優勝出来る確率が上がるっていうのに」


「こっちには少々怪しい人物がいてね。優勝して権力を持たせるのはちょっと心配なんだ」


「そうか。なるほどな。だが、優勝しておくに越したことはない。しかし、俺達は優勝出来るという確証も何もない」


「そこは俺もフォローする。何なら次からこっそり交代してお前達の宗教のメンバーとして決勝戦に出てもいい」


「それ、バレないのか?」


「実はこの顔は魔法で変装しているだけだからな。何とでもなる」


「マジかよ。そこまでしてるって、一体この国で何やったんだよ」


「単なる濡れ衣なんだけどな。ちょっとこの国に来た時に色々あって」


「お前も苦労してるんだな」


 初対面の人に同情されてしまった。確かにやってられないと思ったけど。


「だが、どうやって負けるつもりなんだ?」


「ああ。ここでお前が俺を倒した振りをしてくれればそれでいい。俺は気絶した振りをするから」


「お前の仲間達は?」


「倒された後に俺から連絡を入れる。通信手段も持っているしな。あ。あと、一階にいるアースラ教のシスターには結界を張っているんだけど、俺が負ければ解くから安心して攻めてくれ」


「そ、そうか。分かった」


 何をそんなにドン引きしているんだろうか?俺は特におかしなことは言っていないはずなんだけど。(※ミスティさんに対して容赦がないから)


「あ。そうだ。もう一つ条件というか、頼み事があるんだが・・・」


「まだ何かあるのか?」


「ああ。というか、俺達にとってはこっちの方が重要なことだな」


 危ない危ない。危うく忘れるところだった。


「俺達はある目的があってこの大会に参加したんだ」


 まずは最初から言わないとな。


「目的?」


「ああ。この大会は次の教皇を決める大会だろ?」


「そうだな」


「つまり、勝てばこの国のトップになれるわけだ」


「お前、まさか―――」


「いや、俺が教皇になろうとか考えている訳じゃないぞ。俺の目的は協力者だ」


「協力者?」


「ああ。俺はこの国の権力者にあることに協力をしてもらいたいと思っている。勿論、基本的に危険なことはない。軽く、ある情報を俺に流してくれればいい。それとその関係で何かしら起こった時にすぐに俺に連絡してくれれば」


「ボヤかしているみたいだが、そのある情報っていうのは何なんだ?」


「それはこの大会で優勝してくれれば話す。まあ、そんなに難しいことじゃない」


 ちょっと規模が世界規模なだけでね。


「分かった。その条件、呑もう」


 リーダーは間髪入れずにそう言った。


「即決だな。いいのか?」


「ああ。嘘を言って俺を騙そうとしているわけじゃなさそうだしな。基本的にこちらにデメリットはないのだろう?」


「ああ。むしろ、放っておくとそっちの方が厄介になるかもしれない」


「なら、いい。その条件を呑めばお前達のような強力な助っ人を手に入れられるんだ。気張るさ」


「交渉成立だな」


「ああ。よろしく頼む」


 握手―――したいところだが、未だに戦闘中だ。そういうのは四回戦が終わった後にでもしよう。それよりも今は。


「それじゃ、いい感じの魔法とかを放ってくれ。上手く当たって気絶した振りするから」


「お、おお。でも、大丈夫なのか?結構痛いと思うんだが」


「対戦相手が何を言っているんだよ。それにそこら辺はちゃんとダメージがゼロになるように防ぐから大丈夫だ」


 というか多分、俺のDEFを抜くことは出来ないと思うし。つまり、あとは上手く直撃しているように見せるだけなんだよね。


「分かった。そこまで言うのならやるぞ」


「ああ。どんとこい」


「ハァッ!」


 次の瞬間、風魔法によって作られた斬撃により、俺は後ろに吹っ飛ばされた。


「こ、これでいいか?」


 魔力が切れそうなのか、辛そうにしているリーダー。


「ああ。バッチリだ。あとはこっちが勝手に負けるから一階にいる人を倒して来てくれ」


「了解した」


 そう言ってリーダーはその場を離れていく。


 もう、リーダーに掛けてある防音の魔法は切っても大丈夫かな。よっと。これでよし。後はリリアス達に連絡だな。皆、上手い感じに負けてくれるといいんだけど。


 心配になりながらも、俺は三人に連絡を取るのだった。




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