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第20掌 召喚魔法

多分、日曜日に投稿できないので、これはその分だと考えてください。(もう日曜だけど)

それと、1000ユニーク突破です!読んでくださっている皆さん!ありがとうございます!

それではどうぞ!



 私はタカキさんと別れてクシュルナ草を探し出した。


「結構まばらなんだな~」


 これじゃ一気に採取できないな。時間かかっちゃうかも。


「でも、こういう時じゃないと今はタカキさんの役に立てないから頑張らなくちゃ!」


 気合を入れなおして再び採取を開始する。村でも結構頻繁に野草狩りや草取りとかやってたし、森で活動もしたことがあるから慣れたものだ。テキパキと採取していく。


 どのくらい時間が経っただろうか。熱中し過ぎたようだ。結構な量も取れたしそろそろタカキさんと合流しよう。


 そう思って立ち上がって自分の来た方向を探す。結構奥まで来たようだけど、迷いはしない。理由は簡単だ。私が来た方向にだけクシュルナ草が生えてないから。


 そうして戻ろうと歩き出した瞬間、茂みが揺れた。


「⁉」


 タカキさんかもと一瞬思ったけど、それなら堂々と出てくるはず。一体なんだろう。


 私は身構えて様子を窺う。


「ギギッ」


 出てきたのはゴブリンだった。


「よかった。これくらいなら倒せるし、最悪でも逃げれる」


 ゴブリンのランクは一応Fランクだけど、実際はFとGの間くらいだ。一体か二体くらいなら私一人でも対処できる。それが一体だけだ。


 でも、いくら相手がゴブリンでも倒そうとするのは考えが安直だろう。私の性別は女なのだ。ゴブリンにとっては手に入れておきたいものだろう。なので、もしかしたら私の知らない、予想外の行動を起こすかもしれない。それは流石に危険だ。


「ここは逃げる一択ね」


 後ろにゆっくりと下がる。出来るだけゴブリンを刺激しないために。


 ある程度距離が取れたのを確認して一気に駆けだそうとして気づいた。


 私を囲んでいるゴブリンが何体もいることに。気づかなかった。私の最初にいた場所からは見えないように隠れていたのだ。


「くっ」


 動けなくなってしまった。でも、ゴブリンはそんなのお構いなしだ。私が動けないのをいいことにジリジリと距離を詰めていく。


 このゴブリン、頭がいい⁉


 Fランクのモンスターとは思えない知恵だ。普通のゴブリンなら一斉に襲い掛かってくるはず。なのにそれをせず、確実に私を捕らえようとしている。


 どうにかして時間を稼げないだろうか。


 そう考えても実際にはただ追い詰められていくだけだ。私にできるのは出来るだけ囲まれているゴブリン全部に均等に距離を取ることだけ。


 結局、私はタカキさんに頼るしかなかった。




                     ・・・




 俺は神にもらったアドバイスのおかげで戦況を覆していた。


「楽だな」


 簡単なことだ。俺の把握した圏内にいるゴブリンたちを全て掌握したのだ。


「まあ、流石にぶっつけ本番だからな。それに使い慣れてもいない。多分、俺よりも明らかに強いやつにはあんまり効かないだろうな」


 今回は俺が先のスライムでレベルアップしていたことが功を制した。


「いくぞ!」


 ゴブリンたちの動きを止める。そして俺はゴブリンに向かって駆けだした。


「シッ!」


 そしてそのままゴブリンに止めを刺していく。回し蹴りで首を折り、パンチで頭を潰し、抜き手で心臓を刺す。たまにかかと落としも繰り出す。


 それを繰り返した。けど、案外すぐに片が付いた。まあ、動かない相手に止めを刺すだけだからな。命の危機になっても動けないんだ。威圧とかよりも性質が悪いな。


<棍術を掌握しました><投擲を掌握しました><植物魔法を掌握しました><短剣術を掌握しました>


 そんなアナウンスが流れる。どうやら相手を掌握したら能力まで掌握できるようだ。短剣術は俺が見ていないゴブリンが持っていたのだろう。


<レベルが上がりました>


 最後にそんなアナウンスが流れる。


 一応確認しておくか。



タカキ・ヤガミ 男


種族 ヒューマン?


レベル 41


HP:98/699(+100)

MP:598/598(+100)


STR:700(+100)

DEF:681(+100)

INT:555(+100)

AGI:730(+100)

MND:2900(+100)


固有:全掌握(下位の把握を偽装として表示できます)


スキル:オール・ブースト

    疑似神眼

    疾駆

    瞬動

    棍術

    投擲

    短剣術

    

魔法:水魔法

   植物魔法


加護:地球神の祝福



 おお!想像以上に上がっている。


 ってそんな悠長なことしてる場合じゃない。早くリリアスのところに行かないと!


 俺は再び駆けだした。


 その瞬間、俺は足元に浮かび上がった魔方陣によって転移した。




                   ・・・




 もう距離を取るのも限界だ。これ以上は持たない。


 私は完全に動きを封じられた。これでは、次にゴブリンが動いた瞬間、襲ってくるだろう。


 私は追いつめられ、ふと思い出した。


「そういえば、前もこんなふうに追いつめられたっけ?」


 その時は村人たちだったから殺されたりなんてことはなかっただろうけど。今回は違う。相手はゴブリンだ。殺されるか、苗床にされてしまうだろう。


「ギャギ!」


 その声を合図についにゴブリンたちが襲い掛かってきた。


「助けて!タカキさん――――!」


 目をつむって願う。私の希望を。


 いつまでそうしていただろうか。


 ゴブリンたちは一向に襲ってこなかった。恐る恐る目を開けて確認する。


 そこには私が願ったものがあった。




                    ・・・




 急に足元に魔方陣が現れたと思ったら強制転移だ。そして気がついたら目の前に俺を囲うようにして襲い掛かってくるゴブリンたち。


 俺はそのゴブリンたちを掌握して動きを止めて、丁寧に止めを刺す。後ろを振り返るとそこにはリリアスがいた。


「リリアス!」


 いきなりリリアスが現れたことに驚いたが、今は安否確認が優先だ。リリアスはその場で目をつむってジッとしていた。


 リリアスは俺の声が聞こえていないようだ。だが、すぐに目を開けた。


「タカキさん!」


「おう!無事みたいだな」


「はい!でも、どうして?」


「分からない。急いでリリアスのところに向かおうとしたら足元に魔方陣が浮かんでな。気がついたらリリアスが後ろにいた。まあ、ゴブリンも一緒だが」


 脳内ではレベルアップしたことをアナウンスして知らせてきたが、確認は後だ。


「え?ここは私がゴブリンに襲われていた場所ですよ。タカキさんが間に合ってくれたわけじゃないんですか?」


「え?」


 確かに。周りを見ても俺がさっきまでいた場所と若干違う。森だからあんまり変わらないから分からないけど。


「もしかして・・・」


 俺はリリアスのステータスを確認する。



リリアス 女


種族 ヒューマン


レベル 7


HP:30/30

MP:4/100


STR:9

DEF:34

INT:143

AGI:10

MND:330


固有:なし


スキル:走破 レベル2

    読破 レベル6

    

魔法:召喚魔法 レベル1

   


 召喚魔法使えるようになっとるー!


「リリアス!魔法!魔法使えるようになってる!」


「えっ‼」


「召喚魔法!召喚魔法使えるようになってるよ!」


「ほ、本当ですか?」


「ああ。だから多分、俺を召喚したんだ。距離も近かったから消費MPもギリギリで足りたんだろうし」


 俺がここに来る前の足元に現れた魔方陣はリリアスの魔方陣だったんだ。


「でも、初めてタカキさんを召喚したときはもっとMPが必要ですよね。どうして召喚出来たんでしょうか?」


「多分、俺がライドーク神国に転移中にリリアスの魔方陣の近くを通過してたんだろう。だからあんまりMPもいらなかった」


 簡単に言えば、移動中のトンネルに落とし穴があって、それに嵌まるようなものだ。


「なるほど」


「でも、よかったじゃないか!これで念願の魔法使いになれたんだし」


「はい!」


 心底嬉しそうなリリアス。


「まあ、とにかくここはまだ危険かもしれない。急いで持てるだけのクシュルナ草を持って帰ろう。流石に大量のクシュルナ草は持って帰れないけど、代わりに倒したモンスターの落としたアイテムは拾っているからギルドで買い取ってもらおう」


「はい」


 俺は周囲を把握して警戒する。これで奇襲とかには遭わないだろう。


 俺達は急いで町に帰還した。




読んでくれて感謝です。

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