表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
211/521

第189掌 二回戦 苦戦?



 アメリアがリリアスとダンガに加勢に来ているから後はそんなに時間も掛からないだろう。


「ちょっと!リリアスとダンガ、ヤバそうなんだけど!」


「え?」


 ミスティさんが焦った様子で俺にそんなことを言ってくる。ヤバそうなことなんてないと思ったが、ミスティさんの見ている映像を俺も観る。するとそこには―――


『ダンガさん!そっち!二人行きました!』


『おう!そいつの相手は任せたぞ!』


 確かに苦戦しているな。どうも動きが違う奴が四人いるみたいだ。しかも、連携も取れている。あの動きからして何年も一緒に戦っているな。ベテランの冒険者達か?


 まさに阿吽の呼吸。リリアスと相性の良い近中距離戦闘タイプを戦わせておいて、ダンガと相性の良い手数が多い近距離スピードタイプが何人もダンガに攻撃を仕掛けている。しかも、一人が危なくなったら誰かがフォローに入っている。


 これは倒すのに時間が掛かりそうだ。リリアスとダンガが本気を出したら力だけで押し切れるけど、殺してしまうかもしれないからそれも出来ない。


 そして、その隙に俺とミスティさんの捜索に他の奴らがその場から離れている。まあ、俺達は空にいるから上を見れば目の良い奴はすぐに見つけることが出来るんだが、それがない。多分、空にいるってことが頭から抜け落ちているんだろう。


「ここに私達がいるなんて誰も思いもしないでしょうね」


「え?なんでですか?」


 ミスティさんも俺達を敵宗教が探していることに気が付いたのか、そんなことを呟く。


「だって、飛行魔法なんて出来る人、ほとんどいないのよ?そんなことが敵が出来るなんて普通は思わないわよ。っていうか、思いたくないんでしょうね。その時点で実力が違い過ぎるもの。だから空を探そうとなんてしていない」


「え?そんなに難しいことじゃないですよ、これ」


「難しいのよ!体勢の維持とか大変って話なんだから!それに飛んでいるだけで魔力を消費し続けているのよ?すぐに枯渇してしまうわ」


 あれ?この魔法もそんなに目立つの?把握スキルで体勢維持して、風魔法で飛んでいるだけなんだけど。ま、まあ、出来る人がいないって訳でもないみたいだし、それに魔力を度外視すれば出来る人はそこそこいるだろう。気にしない気にしない。


「まあ、いいじゃないですか。今は気にしなくても。それより、俺達を探している奴らをどうにかしましょう」


「いいじゃないですかってあなた・・・。まあ、いいわ。それより、リリアスとダンガはいいの?あのままじゃヤバそうなんだけど」


「あそこにはアメリアも向っていますから大丈夫ですよ。もうすぐ合流出来そうですし。それより、俺達は雑魚を倒しておかないと」


 そう言って俺は風魔法を発動させる。風は便利だよね。見えない攻撃だし、弱い相手なら簡単に倒すことが出来る。これが魔物達相手ならたまに避けられるんだよな~。野生の勘ってやつで。


「ほい」


 俺は発動させた風魔法で俺達を探している敵さんに攻撃する。まあまあの速度で放ったから避けれないだろう。


 案の定、俺の攻撃を避けることも出来ずに狙った数人がやられる。


「「「「⁉」」」」


 おお。残った数人が驚いている。驚いているだけだから感知出来る奴はいないみたいだな。リリアス達と戦っている奴らなら感知出来たかもしれないけど。そいつらはリリアス達の相手で忙しいしな。


 それじゃ、残りも片付けますかね。


 俺は風魔法で追加攻撃をする。それを避けることも出来ずに受けてしまう残りの敵さん。でも、喰らうことを覚悟していたのか、攻撃を耐えて意識を保っている奴が二人いた。


「おお。根性あるなー」


「さっきから何やってるの?」


 ああ。ミスティさんには見えていないのか。今もリリアスとダンガの所の映像だけ見ているもんな。


「今、残党狩りしてるんです」


「言い方、怖いわよ!」


「まあ、いいじゃないですか。それで、何人か倒したんですが、攻撃を受けることを覚悟していた二人が生き残っているんですよ」


「だから言い方!」


 俺はその二人に再び風魔法で追撃する。しかし、あちこちに動き出したのでその攻撃が外れてしまう。


 だが、動きはぐちゃぐちゃで法則性もなく、攻撃を感知出来るわけでもないので我武者羅に逃げ回っているだけだろう。それならやり方を変えますか。


 俺は風魔法を単発式ではなく、範囲攻撃に切り替える。簡単に言えば、風の壁みたいなものを上から叩き落とす。これなら逃げても無意味だ。


「ほい」


 俺は魔法を発動させる。勿論、手加減はしているのでベチャって潰れたりはしない。グロはこの大会では厳禁だからな。


「「がっ⁉」」


 見事的中。二人もノックアウト。


「どうしたの?」


「今、残り二人を片付け終わりました」


「言い方!まあでも、これで後はリリアスとダンガの所だけってことになるのね」


「ええ。中々やる相手みたいですけど、それはリリアスとダンガの二人だけを相手にしているから何とかなっているだけです。アメリアも近くまで来ているのでそろそろ終わりますよ」


 もし、仮にリリアスとダンガ、それにアメリアも倒せたりしたら、その時は俺が出ないと負けてしまうだろう。だからまあ、どっちにしろ終わりだね。


 俺は再び観戦体勢に戻るのであった。




読んでくれて感謝です。

感想・評価・ブックマークをしてくれると嬉しいです。

よろしくお願いします!


それと昨日も書きましたが、明日から来週の木曜日までお休みさせていただきます。<(_ _)>

次の更新は来週の金曜日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ