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第19掌 ピンチ

なんとか書けた・・・。

諸事情で疲れ切っているなか、なんとか書きました。

おかしな部分がないといいな。

それではどうぞ!



 俺はリリアスのいる場所まで猛スピードで走っていた。だが、思っていたより俺もリリアスも離れていたようだ。


「さっきのスライムも明らかにGランクやFランク以上だし」


 思った以上に危険じゃないか、この森は。


 急いだおかげか、あと少しでリリアスのいる場所に着くな。


 俺が少し安心していると、把握していたリリアスの周りに何体かのモンスターが現れた。


「⁉」


 ヤベっ!


 明らかにリリアスを狙っていやがる。どうやらリリアスもモンスターには気づいたようだ。なんとかモンスターと距離をとろうとしている。しかし、戦う術がないリリアスにはあの状況はマズい。俺の時と同じようにモンスターがメチャクチャ強い可能性が高い。


「急がねぇと」


 俺がさらにスピードを上げた瞬間、横から何かが飛んできた。


 それをさらに<瞬動>を発動させてスピードを上げて回避する。


 俺はその場に止まり、飛んできた物を確認する。どうやら棍棒のようだ。 


 そのまま今度は飛んできた方向を見る。そこには子供がいた。


「いや、違う!あれはゴブリンだ!」


 急いでステータス確認をする。さっきのスライムみたいに強かったら洒落にならない。



ゴブリン


種族 真・ゴブリン


HP:556/556

MP:223/223


STR:625

DEF:321

INT:99

AGI:452

MND:106


固有:応援要請


スキル:投擲 レベル3

    棍術 レベル3


魔法:植物魔法 レベル2 



 また、真シリーズかよ!


「本当にどうなってるんだ?」


 これは明らかに異変だろ。ただ、強いモンスターっていうならまだ分かる。でも、出てきているのは低級モンスターの進化したっぽい奴らばかりだ。


 これもハウリングモンキーのときと同じ異変の前兆なのか?


 いや、これは今考えていても仕方がない。それよりもリリアスだ。こいつらを急いで倒して向かわないと。見逃してはくれなさそうだし。


 俺が戦おうと身構えると、ゴブリンは大きな声で叫んだ。


「なんだ⁉」


 叫んだあと、ゴブリンは動かない。何をしたんだ?


 答えはすぐに分かった。ゴブリンの集団が現れたことによって。


 最初からいたゴブリンの後ろの茂みから約二十匹ほどがぞろぞろと出てきた。


「さっきの叫びは固有スキルか」


 しかし、困った。これでリリアスのところに行けない。


 流石にこの数を相手に速攻で倒すことは無理だ。さっきのスライムでさえあれだけの時間を使ったんだ。それを今度は二十体を相手にしていくなんて無茶もいいところだ。


「ここは少し迂回してでもリリアスを助けることを優先した方がいいな」


 そうと決まればさっそく行動開始だ。


 まだ魔法をどう使えばいいかなんて分からない。分からないものに頼っても仕方がない。ここは・・・


「これだ!」


 ステータス任せで思いっきり地面を殴る。痛いのは我慢だ!


「ギャギャッ⁉」


 人間離れした腕力で地面を殴ったので土が煙幕のような役割をしてくれる。これで目くらましになるだろ。


「今だ!」


 ゴブリン集団から少し迂回して駆け抜け―――


「ギャギ!」


「ごふっ」


 ようとしたら棍棒で投擲してきやがった。目くらましが全然聞いてないのか?


「ぐっ」


 腹を抑えて何とか立て直す。バックステップでゴブリン集団から距離を取る。


 どのくらい喰らった?


 俺はステータスを確認する。



タカキ・ヤガミ 男


種族 ヒューマン?


レベル 24


HP:98/450(+100)

MP:388/388(+100)


STR:470(+100)

DEF:466(+100)

INT:389(+100)

AGI:500(+100)

MND:2500(+100)



 これはヤバいな。死にそうだ。っていうか神の加護が無かったら死んでた。


「やっべえ。こいつ等、集団戦をやり慣れてやがる」


 上手い具合に多対一に持ち込まれてやがる。かなりピンチだわ。


「グギャ」


 俺に止めを刺そうとしているのか、ゴブリンが数体でこっちに突っ込んできた。


「やべ」


 その突進をジャンプして何とか避ける。そのまま木の枝に乗る。


「かなりピンチだな。リリアスも心配だし・・・。どうすっかな」


 どうにかしたいのは山々なのだが、現状、動ける状態ではない。


 何かないかと模索していると携帯が鳴った。


「誰だこんな時に!」


 ってアイツしかいないよな~。


「もしもし」


『もっしもーし』


 ピッ。


 切ってやったぜ。


<プルルルルル>


 っち!


「もしもし」


『切らないでよ』


「本気で掌握してやろうか?」


『すんませんでした!』


「それで?この忙しい時に何の用だよ」


『いや、君が早くも苦戦しているようだからね。アドバイスをと思ってね』


「アドバイスぅ?」


『そう。アドバイス』


「この状況を打開できるなら何でもいい!教えてくれ!」


『あいあい。って言ってもね。君はそもそも全掌握のちゃんとした使い方が出来ていないだけなんだよ』


「・・・・・どういうことだ?」


 本気で分からないぞ。


『君は不思議に思わなかったのかい?モンスター達のステータスを確認したときに。スキルと魔法にレベルがあったことを』


「思った。でも、お前がミスっただけかと思った」


『冷たい!・・・コホン!それは君の全掌握の力さ』


「全掌握の力?」


『そう。君が把握したものはすでに君の掌握圏内なのさ。だからスキルも魔法もレベルなんてない。すでに君は今持っているスキルや魔法を十全に使えるんだから』


 すげーな、おい。


「つまり、俺が把握できるものは何でも掌握できる?」


『そう。だからそんなゴブリン、キュッと殺っちゃいな!』


 そんなこと言われてもな。


 まあ、とにかくやってみるか。俺は一匹のゴブリンに狙いを定めて把握を使う。そしてそのまま把握を掌握に切り替える。すると。


「おお!すげえ!」


 俺が思い描く通りに動き回るゴブリンの姿がそこにはあった。


『よしよし。それと間違いを訂正しようと思って連絡したんだ』


 間違い?


『実は君に頼んだ探しモノがこの騒動に絡んではいたようだ』


「はあ⁉」


『ごめんごめん。探しモノ本体は今回はあんまり関係ないんだけどさ。その部下っていうかなんていうのか。そいつらが絡んでいるようだ』


「おいおい。安心してゆっくり強くなれると思ったのに。もうかよ」


『ごめんね。誤った情報を教えちゃって』


「いや、それはいいんだが」


『いいんだが?』


「そいつの能力はなんだ?」


『ん?強制進化』


「そいつだー!」


 そいつが今回の黒幕だわ。すげーあっさり判明したな。


「いや、もういい。あとはこっちで何とかする」


『そう?それじゃ後は頑張れ!』


「おう!」


 それで電話は切れた。


「さて、ここからだ。てめえら、覚悟しろよ。お前らすべてを掌握してやる!」


 下手に逃げても無駄だ。逆にやられる。ならこっからは


「真っ向勝負だ!」


 俺はゴブリンに向かって駆けだした。




読んでくれて感謝です。

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