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第17掌 初依頼受注

すみません。ここで一応報告しておきます。

作者の諸事情により、今週の日曜日は投稿することが出来ません。

もしかしたら、夜に投稿できるかもしれませんが、不定期と言っておきながら現在、なんだかんだで毎日投稿しているので一応報告しておこうかと。

それでは今回の話です。どうぞ!



 翌日。


 俺は窓から出る太陽の光によって起こされる。っていうか、これって太陽だよな?世界自体が違うから本当は違うかもしれないが。


「俺はギリギリまで惰眠を貪りたい勢だったはずなんだがなぁ」


 流石は異世界。部屋で何もすることがない。俺が現在、持っている文明の利器はこの携帯のみ。おそらくは神が充電を補充してくれているとは思うんだけど、出来るだけ使いたくはない。っていうか、どうやって充電しているんだろうか。少し気になる。


「んー!」


 大きく伸びをする。


「流石に風呂無しが何日も続くとキツいな」


 考えてみればこの世界に来てから一度も風呂に入ってない。寝る前に髪と顔を水で軽く洗ったくらいだ。宿屋の従業員に水を頼んだら近くに川があるからそこに行けと言われたくらいだ。異世界パネェ。


 贅沢を言えば、風呂に入りたい。贅沢を言わないまでも水でいいから体を軽く洗っておきたい。流石に川であっても裸になるわけにはいかないからな。お巡りさん呼ばれてしまう。


「まあ、今日の依頼で町の外に出ればどこかに川か何かはあるだろう」


 俺は昨日のうちに川から汲んできていた水で顔を洗う。


「異世界も春?で助かったぜ。もしこれが冬とかだったら俺、水で体なんて洗えないし」


 凍死してしまう。(ちなみに、この世界の気候が春なのは神がいきなり違う世界に召ぶのに気候まで違ったら体を壊してしまうだろうという気遣いである。いつもふざけているわけでは決してないのだ)


「よし!」


 準備も完了したし、リリアスと今日も頑張りますかね。準備って言っても荷物らしい荷物はないし。




                  ・・・




 再び、冒険ギルド。ガヤガヤと昨日に引き続いて賑やかだ。


 俺は掲示板に張られている依頼書を吟味中。


「これなんてどうだ?」


「・・・。これはやめておいた方がいいと思います」


 俺がいいと思った依頼をリリアスに見てもらっている。っていうか、これならリリアスが直接見た方がいいんじゃね?まあ、それは出来ない理由があるんだけどな!


「リリアス」


「はい」


「どれがいいんだ?っていうか、なんで俺の選んだ依頼は全部ダメなんだよ!」


 実は結構な数の依頼を選んでいるのだが、リリアスが全部却下してしまっているのだ。リリアスさん、ここまで気が強かったっけ?俺の中でのリリアスさんは健気な女の子って感じの子なんだけど・・・。


「タカキさんが選んだ依頼、全部採集依頼か、低級の冒険者でも受注出来る高ランクの依頼じゃないですか!」


「いや、いけるかなーって思って」


 実は体洗いたいからなんて言えない。


 俺が選んでいる依頼は全部が水辺が近くにありそうな感じの依頼ばかりなのだ。お金も稼げるし、俺も体洗えるし、一石二鳥じゃね?


「私たち、昨日登録したばっかりなんですよ。最初はもっと経験を積める簡単な依頼にするべきです」


「なんかリリアス、いつもより気が強くね?」


「命に関わることには流石に気も強くなります。というか、そこは妥協しちゃいけない部分だと思います」


 で、ですよね。


「ハァー。分かった。正直に言うよ」


 俺は腹をくくる。


「な、なんですか?どうしたんですか?」


「実は・・・・・・・」


「ゴクリ・・・・・・」


 緊張した面持ちで俺の言葉を待つリリアス。俺が真剣な顔をしているから尚更だろう。


「からだ、あらいたい」


「・・・・・・・・・・・・・・はい?」


「だから。からだ、あらいたいの」


「はぁぁ~~~」


 その場に力なくへなへなと座り込むリリアス。


「そ、そこまで力が抜けるようなことか⁉」


「だって、タカキさんがあまりに真剣な表情するから。私はてっきり探しモノ関係なのかと」


「すまんすまん。それはないって昨日も言ったろ?」


「まあ」


「それで、俺のこの願いは結構切実なんだよ」


 日本じゃ一日一回入るのは当たり前っていうか、ほぼ絶対みたいな感じがあったからな。むしろ入らないと違和感というか、なんか落ち着かないというか。


「はぁ。タカキさんの事情は分かりました。探しモノ関係じゃなくても、私はてっきりレベルアップのために敢えて高ランクの依頼を受けるのかと」


「分かってもらえてうれしいよ、俺は」


 そもそも、俺は別に高ランクの依頼を受けたいなんて一言も言ってない。今回はたまたま採集依頼以外の依頼が水場での高ランクの依頼のみだっただけだ。そもそも、リリアスを連れて行くのに用意もせずに危ないところに行くはずがない。だから、最初は採集依頼ばっかり出していた。でも、あまりに却下していくのでつい高ランクの依頼を出したのだ。


「でも、なんで採集依頼がダメだったんだ?」


 結構簡単なものもあったと思うんだが。


「タカキさんはまだここに来て間もないじゃないですか。そんな状態で町の外を迂闊にうろつくのは危険だと思いまして」


 ハウリングモンキーを倒すくらいには強いことをリリアスは知っているはずなのにこの心配。心にジーンとクるね。ちなみにリリアスの言う“ここに来て”と言うのは“この世界に来て”という意味だ。


「心配してくれるのは嬉しいが、俺の最終目的は分かっているだろ。そうも言っていられないさ」


 神の類と戦うことを前提としている依頼なんだ。こんなところで躊躇なんてしていられない。


「むぅ。それは・・・・分かってはいますけど」


「なら我慢してくれ。ちゃんとリリアスは守るからさ」


「うぅ。はい」


 リリアスの表情を見る限り、完全に納得はしていないようだ。なら・・・。


「最終的には俺と守り守られるくらいのところまでいってくれよ。待ってるぞ」


 リリアスはおそらく、役に立たないことを気にしているんだろう。足手まといになりたくないんだ。


「は、はい!」


 俺の言葉にパァっと表情を明らめるリリアス。どうやら予想は当たっていたようだな。


 まあ、リリアスの魔法の特訓も手伝うつもりだが、それには俺も強くなっておかないとな。


「というわけで、この依頼でいいか?」


 俺は簡単な採集依頼の紙を渡す。


「はい。これでいきましょう」


 リリアスも納得してくれたし、行くか。


 受付で受注してさっそく依頼開始だ。ちなみに今回の受付嬢はシャーリではなかった。いたにはいたんだけど、昨日のことをリリアスが引きずっていたので違う受付にしておいた。この町を出立するまでに仲直り出来ればいいんだが。


 それはさておき。初依頼だ。気合入れていくか!




読んでくれて感謝です。

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