番外① リリアスの学園生活 4
あと、もう一話くらいかな?今回の番外編は。
まあ、増えても今週までだとは思います。
それから二週間のプロット作成期間を頂きます。
そんなわけでよろしくお願いします。
魔法学園の授業。
私はそれに期待していた。それは何故か?私の知らないことや出来ないことを教えてくれるからだ。
「なのに・・・」
今、私は驚きと呆れの両方を持って目の前の光景を見つめていた。
「まさかここまで弱いなんて・・・」
私の目の前に広がる光景は、100人近くの生徒たちが演習場の地面に倒れ伏しているというものだった。
「どうした!この程度かぁ!」
私のいる二階の見学席から反対側にいるどこかダンガさんに似ているムキムキな男の先生がそんなことを叫ぶ。
「情けなさすぎるぞ!こんなんじゃ、編入生に笑われるぞ!」
笑いはしないけど、ちょっと呆れてはいる。
だって、先生のレベルは確かにこの中で一番高いと分かる。タカキさんみたいにステータスを見ることは出来ないけど、大まかなレベル差は理解出来る。あって20ぐらいしか差はないと思うんだけど。この人数で誰も勝てないなんてあるのかな?先生が何かしらの固有スキルとか持ってたら別だけど・・・。
現在、私たちは魔法戦闘の授業を受けている。ほとんどの生徒たちがこの授業には参加していて、これは合同授業でもあるので他のクラスの人たちも普通に混ざっている。
結構な人数が参加しているのだが、それは当たり前であったりする。私たち生徒は自由に授業を選べるのだが、大体みんな考えることが一緒なのか、一年生の最初から取れるだけ取ろうとするのだ。高学年になると他にすることとかも多くなるためだそうだ。何でも自分のなりたい職業になるために色々と活動するらしい。
と、そんなわけで大体三年生まではみんなほとんどの授業に参加するのだ。
「ふむ。これで終わりか・・・。時間が余ってしまったな」
どうやら全員との戦闘が終わったようだ。今日は生徒たちの全力戦闘を見るという授業らしく、この学園でも一、二を争うぐらいに内容が厳しい授業の一つらしい。そんなわけでみんな倒れたまま起き上がってこない。完全にグロッキー状態だ。どういうわけか、クラスが高い程その疲れ度合いが高い気がする。
どういうことだろう?普通、実力があるっていうAクラスの人たちとかはそういう部分でも強いのかと思ってたんだけど。
ちなみにSクラスの人たちはこの授業に関しては別の場所でやるらしく、ここにはいない。なんだか特別感を誘うな~。まあ、私はそういうのはいいんだけど。
「よし!編入生!降りてこい!」
「へ?」
「お前の実力をみんなに知っておいてもらわないとな!ここにいる全員、他の奴らの実力はすでに知っている。後はお前だけだ!」
「は、はぁ」
やたらと元気な先生に従って下に降りる。
「準備は出来ているか?」
「はい」
私はオークスに来るまで使っていたロッドを手に持つ。
「授業の最初に説明したとは思うがもう一度。今回の戦闘はあくまで本人の実力を見るものだ。なのでお前の召喚魔法も今回に限っては使用は無しだ」
「はい」
「流石に俺ではお前の召喚獣には勝てないだろうからな。だが、召喚獣に頼れないという場面の必ずあるはずだ。その時の予行演習だとも考えてしっかりと戦ってほしい。それでは構えろ!」
「はい」
「よし!いくぞ!」
そして戦闘が開始される。
といっても、私には先生の動きが遅く感じてしまう。なんせ、これでも近接格闘は出来る方だからだ。最近は弓の方を使っているけど、それまではロッドで戦ってたし。
「ソラァ!」
先生が拳を放ってくる。
それを軽く避け、後ろに逃げる。
しかし、それでは及第点はやれないといった表情で先生が私に追いついて来て再び拳を放つ。今度は連打だ。
それをロッドで全て受けきり、一撃、軽いのを先生の死角から先生に向けて放つ。
先生はそれに驚いていたが、ギリギリで何とか避ける。
「おい。なんかすごくね?」
「ああ。なんで先生とあんな感じに戦闘出来るんだ?」
「俺達がいくら頑張っても軽くあしらわれるのに」
そんな会話が耳に入って来る。どうやらグロッキー状態から解放された生徒たちが私の戦闘を見学し始めたらしい。見学といっても別に他の倒れている生徒も見学はしている。ただ単に会話する気力がないようだ。
「よそ見か!」
私に向けて先生が鋭い蹴りを放ってきて、私はそれをまともに受ける。それにより、後ろに吹っ飛んでしまい、地面に倒れ込む。
「ああ。でも、やっぱりこうなっちゃうよな」
「ああ。先生、元A級冒険者だからな」
「というか、そんな先生相手に自分の魔法を禁止されているあの編入生がすげぇ」
先生、元A級冒険者だったんだ。タカキさんと同じランクの人か。それならこれくらいの実力は納得かな。
「このくらいでやられてはいまい。早く立て」
「はい」
「やはり、効いていないか・・・」
「蹴りが当たった瞬間に後ろに跳びましたから」
「素晴らしいな。魔法も無しでここまで俺と闘えるなんて。ここで終了と言いたいところだが、ここまで実力が上の者と会うなんてなかなかないからな。最後まで相手をしてくれ」
「分かりました」
っていうか、魔法無しは当たり前のことだ。だって私、召喚魔法以外は魔法を使えないし。それを教えて貰うためにこの学園に来たんだから。
「いくぞ!」
それから先生と戦闘を続けたが、チャイムが鳴ってしまい、先生とは引き分けで終わった。
「本気を出させることは出来なかったか」
そんなことを言いながら先生は生徒を纏めて今回の戦闘の授業は終わりを告げたのだった。
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