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番外① リリアスの学園生活 3 

番外編はいずれ、コングラ本編が終わった辺りでソートを行って一つの編として纏めたいと考えています。

まあ、それはまだまだ先の話なので今はこのやり方での投稿になります。



 時は私たちがクロノス共和国で色々としていた時に遡る。


 私は編入後、一人で初めてとなる授業を受けるために学園に向かっていた。


「大丈夫かな?」


 緊張のためか、ドキドキが止まらない。なんせ、この前みたいにタカキさんが一緒というわけでもないのだ。つまりは完全に一人。召喚魔法で喚べばリアは来てくれるだろうが、それでは色々と意味がないので出来るだけ使わないようにとタカキさんからくぎを刺されている。喚んでいいのは必要に迫られた時と、私自身に危険が迫った時だけ。


 そんなわけで若干ギクシャクしながら学園に向かっていた。


「・・・よう」


「?」


 そんな緊張気味の私にそんな声が掛けられる。


「・・・あ、ギムル君。おはようございます!」


「お、おう。おはよう」


「ギムル君も朝から授業なの?」


「ああ」


 この魔法学園はタカキさん曰くダイガク?ってところと似ているらしい。どの授業を取るかは生徒たちの自由で、別に朝から学園に来て、夕方までずっと学ぶってことはしなくてもいい。私は三日間で取れるだけ取っているので、その三日間は朝の一番初めの授業から夕方の一番最後の授業まで全部埋まっている。


「私もなんだ~。それに今日が初めてになるから緊張しちゃって」


「あれ?先週来てたのは?」


「あのときは授業の見学と軽い挨拶だけだったの。だから今日が実質的に初めての学園ってことになるのかな?」


「そうか。・・・よ、良かったらなんだが」


「ん?」


「今日、昼休みの時間に学園を案内してやろうか?」


 何故か顔を赤くしながらそんなことを提案してくれるギムル君。


「本当?そうしてくれると助かるな」


「じゃあ、昼休みに迎えに行くよ。クラス、どこ?」


「三年のAクラス」


「かなりのエリートじゃん・・・」


「え?そうなの?」


「魔法学園ではSからGまででクラスが分けられていて、実力でクラスが分けられているんだ」


「へぇ~。それじゃあ、ギムル君のクラスは?」


 気になったので好奇心に負けてすぐに聞いてしまう。


「俺はBクラスだ」


「じゃあ、隣のクラスだね」


「そうだな」


 まあ、この私のクラス分けは多分、ハフナーさん達が手を回したに違いない。魔法云々は抜きにして私の実力はこの国でも屈指のものになってしまっている。まあ、これは私の努力の賜物とかではなくて、タカキさんのおかげなんだけど。


 そんな私が最上位のクラスに編入しないのは少し不自然だ。別にSクラスに入れなかったことに不満がある訳でもなんでもないのだけれども、使える魔法の種類を除いたら普通にこの学園でもトップクラスの実力があるのだ。


 多分、タカキさんとハフナーさんが気を回して、編入仕立てでSクラスは目立ちすぎるけど、下のクラスだと確実に浮いてしまうだろうと心配してくれて、Aクラスで落ち着いたのだろう。それでクラスを自由に出来るという国家権力の凄さを思い知りながらギムル君と軽い雑談をしながら学園に向かうのだった。




                ・・・




 ガヤガヤとした喧噪の中。


 学園の中に入り、ギムル君と別れて自分のクラスに入る。入った瞬間に少し時が止まったかのようにシーンと静まり返る教室。


(あれ?私、何かしたかな?)


 そんな心配をしながらも、いつまでも教室の入り口に立っていては邪魔だと判断した私は自分に割り振られた席に座る。


「あんた、行きなさいよ!」

「なんで、私なのよ!そっちが行けばいいじゃん!」

「嫌よ!だってウインキャットを召喚獣にしてるってどんだけよ!なんでSクラスに行かないのよ!」


 そんな会話が聞こえてくる。結構小さな声で話しているのだろうけど、私のステータス値だど普通に聞こえて来てしまう。なんか居心地悪いな・・・。


「ねぇ!リリアスさん!」


「え⁉」


 そんな感じで少し気分が落ち込んでいると急に女の子が一人、私に声を掛けて来てくれた。


「この前のウインキャットってどこで召喚獣にしたの⁉」


「え?ええっと・・・」


「あっ!私、キャシーっていうの!よろしくね!」


「よ、よろしく」


「それで、どこでウインキャットゲットしたの⁉」

 

物凄いマシンガントーク。ちゃんとした答えを言わないと別の話題に移ってはくれないことがよく分かる。


「冒険者ギルドの依頼で王都周辺に出たときに出会ったの。なんか私というか、一緒に依頼を受けたパーティーメンバーに懐いちゃって。それで私が召喚魔法を覚えていたからちょうどいいってことで召喚獣になってもらったの」


「へぇ~!そんな珍しいことってあるもんなんだね!召喚獣にするにはかなり相手から信頼されてないといけないのに」


「まあ、最初から私にも結構懐いてくれてたから」


 多分、一番懐いていたタカキさんと仲良くしていたからっていうのが一番の理由だろうけど、それを言ってしまうと色々と台無しだからここは何も言わないが一番だ。


「リリアスさんてすごいのね!仲良くしてもらいたいな!」


「う、うん。よろしく」


「あ、私のことはキャシーって呼び捨てにしていいから!」


「あ、じゃあ私もリリアスって呼び捨てでいいよ」


「本当⁉それじゃ、リリアス、これからよろしくね!」


「こちらこそよろしく、キャシー」


 そして私に新しい友達が出来たのだった。




読んでくれて感謝です。

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