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第131掌 いきなり来るよね



 雑談も終わらせ、やって来たのはさっきの門。見た感じだとさっきの俺に偉そうな態度をしてきた門番は見当たらない。言った通りに俺には会わせないようにしたようだ。


「これならまあ、大丈夫かな」


 俺はそのまま門の前までやって来る。


「ようこそお越しくださいました!」


 そこに俺を引き留めた、ちょっとひょろっとしている門番がやって来た。


「会議はもう少しで終わると思いますのでどうぞこちらへいらしてください」


 おっと。まだ会議は終わっていなかったのか。


「すまない。もう少し遅くに来ればよかったな」


「そんなことはありません!あの馬鹿がいなければすぐにでもこちらの方でお待ちして頂きましたから!」


 まあ、そうだろうな。戦争しているわけじゃないんだ。そんな中での他国の使者って言えば、普通に国賓だろう。


「それで会議って言ってたけど、何を話していたんだ?差支えない程度でいいから教えてくれないか?」


「はい。構いませんよ。そもそも、自分が知っている程度のことなら誰でも知っていますからね」


 どうやら相当下っ端にいるらしいな。なかなかの人格者で、仕事も出来るっぽいのに。なんで門番なんてやっているんだろうか?まあ、門番としてスカウトしようかなって考えていた俺が言えた義理はないんだけどな。


「どうぞ、中へお入りください」


 国会議事堂モドキの中にひょろっと門番に促されて入る。外の門も大げさなくらい豪華で大きかったけど、この門もかなりのものだな。まったく、どこに金を掛けているんだか。


「ここが中か・・・」


 そこは真っ白な空間だった。漫画とか海外ドキュメントとかで観たようなヨーロッパの昔の王宮みたいな感じだな。なんか、神とか祀ってそう。外見が国会議事堂で、中が王宮か。なんだか、似ているのか、違うのかよく分からなくなってくる場所だな。


「この議員堂は昔、神が創ったとされる異世界の文化を参考に建てられたとされています。何でもその昔、ライドーク神国が召喚した異世界の勇者が建設に携わったとか」


「へ、へ~」


 やべぇ。思いっきり関係者だわ、俺。


「まあ、そんなおとぎ話がある訳ないですよね。異世界なんておとぎ話ですよ」


 そのおとぎ話の住人がここにいるんですけど・・・。っていうか、この話を聞いて、異空間のダンガたち、絶対に笑っているだろうな。多分、今回のことが終わったらおとぎ話の住人ってからかってくることだろう。


「そ、そうだな。それで、俺はどこに案内されているんだ?」


「一応、使者と言っても、完全な国と国との・・・というわけではないようなので、公式の場ではなく、部屋を用意して、そこでお話をと」


「なるほどな」


 さっきのゴツイ門番が言っていたように、俺は高級冒険者ではあるものの、貴族でも何でもない。そんな輩が国のトップに会うんだ。恐らくだが、かなりの厳重な警備の中で話は行われることだろう。まあ、見た目上は俺一人だけだからな。そんなに警戒は厳しいことにはならないだろう。俺の見立てだと、警備の動員数は多いけど、緊張感はそこまでではないってところか。


 大丈夫かな~?俺のことを手紙には書かれているんだけど。しかも、マイナスイメージの方の二つ名の方で。宿からこの議員堂に来るまでにメルエさん達に聞いておいたんだが、どうやら俺の二つ名である「黒の英雄」と「狂った死神」は別の人物となっているようだ。つまりはここで「狂った死神」と認定されると完全に今後、この国では俺は「狂った死神」として見られてしまうということになる。


 もう、この国を自由気ままに歩けもしないじゃないか。こうなったらそこら辺も含めて脅しておこうかな?


 そんな物騒なことを考えているとその話をするという部屋に到着した。


「ここになります」


「案内ありがとう」


「いえ!自分は仕事をしただけですので!それでは失礼します!」


 そう言ってひょろっと門番は元来た道を戻って行った。


「それじゃ中に入りますかね」


 俺は何の疑いも持たずにそのまま部屋の中へと入る。


 その瞬間。


 俺の額に目がけて何かが飛んできた。しかもそれだけではなく、心臓、喉、股間、腹、目、口とそれは俺が防ぎ辛いように巧妙に間隔を開けて飛んでくる。


 俺は時空魔法で飛来した何かを異空間に飛ばすことでそれを回避する。念のために硬化スキルも発動しておいたが、特に何か特殊な攻撃というわけではなかったようだ。


 俺はその場で身を屈め、近くにあった家具の影に身を潜める。


「タカキさん!大丈夫ですか⁉」


「ああ。ビックリしたけど、何ともないよ。把握スキルには反応なかったから、恐らくは俺の把握スキルの探知範囲外からの攻撃だろう。だけど落ち着け、リリアス。ここで声を出すのはダメだ」


「ご、ごめんなさい」


「でも、それってかなりの凄腕ってことじゃない⁉」


 アメリアまで話しかけて来る。


「だから、静かにしてくれ。把握スキルで分かるけど、そろそろ相手も来る。このことは問題にもするけど、考えるのは後だ」


「・・・はい」


「分かればよろしい」


 俺は部屋の入り口であるドア以外の、攻撃されそうな場所に風雷魔法で結界を張る。ついでに高速思考と高速移動の掛け合わせもしておこう。いざって時の対処がかなり迅速になるからな。


「よいしょっと」


 俺は部屋にあるソファに腰掛ける。部屋もなかなかの広さだし、家具もそれなりに豪華でデカい。


 俺が座ると同時にドアがノックされる。


「どうぞ」


「失礼するよ」


 そうして入って来たのは、豪華な服で身を包んだどこか傲慢さが滲み出る男女だった。




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