第129掌 門番ってどこも対応は一緒なの?
お待たせしました!
この前、一か月ほど休ませていただいたのにまた休んで本当に申し訳なかったです。
今日からはまた再開となります。
テクテクと歩いて到着したのは目的地である国会議事堂(仮)のある敷地の門である。
「すみません。オークス王国から来た使者みたいなものです。国王から親書を預かっていますのでこの国の議員の方々に直接渡したいのですが」
門番が二人、そして離れたところに魔法使いが二人。それに近くに兵士が大勢詰めている部屋があるな。それに門には認証魔法っていうのが掛けられている。認証なしだと極端に行動が制限されてしまう魔法らしい。流石にかなりの規模の魔法使いとかを動員しなくちゃいけないからこういう国単位でとかじゃないと使えないみたいだけど(把握スキル調べ)。
まあ、オークス王国では俺にはそんな魔法は意味がないとハフナーさんもアルナスさんも分かっているからすでに認証許可を出しているらしい。流石ハフナーさんとアルナスさん。分かってるー!
でも、流石に国の代表がいる場所だな。かなりの厳戒態勢だ。
「ご苦労。しかし、現在は会議中だ。出直してもらおう」
見た目ゴツイけど、雰囲気がどこか軽い。そんな見た目の門番がそんなことを言ってくる。
おいおい、門番。俺、一応、使者って言ったよな?国を代表してきてんだぞ?何でそんなに偉そうにしてるんだよ。ほら、隣のもう一人のちょっとひょろっとしている門番は顔を真っ青にしているじゃないか。こいつの方が状況を分かっているんじゃないか?
「失礼ですが、あなたは門番ですよね?」
「?ああ。そうだ」
「他に何か重要な役職に就いていらっしゃるんですか?」
「なぜそのようなことを聞くのだ?」
「いえ、気になったものですから」
「まあ、よかろう。私はこの国に嫁がれた姫様に選ばれ、この国にやってきた誇り高き近衛兵なのだ!現在は他に空きがないので門番なぞしてはいるが、かなりの立場にあると言っても過言ではない!」
いや、過言あるよ。つまり、今はただの門番ってことでしょ?
「いえ、そのようなあやふやなものではなく、現在のハッキリとしている役職を教えてください」
「ふむ?君は今、かなり失礼な物言いをしているという自覚があるのかね?」
いやまあ、一応あるけど。そっちも自分がどんな相手にそんな態度をしているか分かっているのか?ほら、もう一人の門番の方はもうガタガタと震えだしているよ。こっちはしっかりと今がどういう状態なのか分かっているようだ。もし、巻き込まれて仕事的にか、もしくは物理的に首が飛びそうなら助けてあげるかな。流石に忍びない。
「あなたこそ、分かっているんですか?宣戦布告をしに来た使者でもないのにそんな不遜な態度を他国の使者に使っているという状態を」
「見た感じ、君は冒険者だろう?どうせ、オークス王国からの使者といってもおままごとか何かだろう。君も使いっ走りの依頼を受けただけだろう。そんな使いっ走りをするような駆け出し冒険者に態度を改める必要性など感じないな」
ふむ。ここまで言って引き下がらないなら仕方がないな。
「分かりました。では、会議が終わる頃にもう一度こちらに来させていただきます。時間を教えていただいても構いませんか?」
「そのような重要なことを君程度に教えるわけがないだろう。自分で考えて行動したまえ」
あーあ。もう一人の門番が泣き出しちゃったよ。
「分かりました。それでは失礼します」
そう言って俺はその場を離れる。少し離れたところでさっきももう片方の門番の人が俺の後を追いかけてきた。
「待ってください!」
「何か?」
一応、怒っているっていうポーズをとっておかないとな。
「先程は門番が失礼をしました!それで、会議の終わる時間をお教えしようと思いまして・・・」
「それはありがたいですが、いいんですか?重要なことなんですよね?他国の自分にそんなことを教えたら罪に問われたりするんじゃないですか?」
「そんなことはありません!むしろ、このままあなたを帰してしまうことの方が罪に問われてしまいます」
まあ、さっきの門番はすでに罪に問われるだろうけどな。ハフナーさんからも言われているから容赦しないし。
「なので、お教えします!会議が次の鐘が鳴る頃に終わりますのでその頃にもう一度お越しください。その頃には先程の門番は終業していると思いますので。いえ、むしろ、責任をもって終業させておきますので!」
この門番はなかなか対応が分かっているな。
「分かりました。今回のことは問題として取り上げようと考えていましたが、あなたのことは先程の対応のことに免じてフォローをしておきましょう」
「あ、ありがとうございます!」
「流石に全てを庇いきれるとは限らないかな。もし何かしらの罰を受けることになって、色々とヤバくなったら俺に声をかけてくれ。俺は少しの間はこの先の宿にいるから」
「は、はい!そのような気遣いまでしていただいてありがとうございます!」
まあ、正直、俺ん所にも門番って欲しいと思ってたし。この対応から大体、どういう人間かは分かったからな。でも、これはこの門番が大変なことになったらっていう前提があったらだけどな。流石にそんなにポンポンと増やすものどうかと思うし。
「それじゃ、これで失礼する。また後程、頼む」
「はい!」
そうしてスカウトまがいのことをした俺はこれから少しの間滞在する、前に泊まろうとした宿とは違う宿に向かったのだった。
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それと、まだ少しだけ先になりますが、更新ペースを少し落とそうと思います。
いきなり一週間に一度とかにはしませんが、平日更新にしようかなと考えています。
あらすじの部分で書いていましたが、気分だけでここまで来た見切り発車な作品です。
第一部まではこうしようとか、全体の構成とかは出来ていたのですが、流石に第二部からの細かな構成がまだ出来ていません。
自分の考える中ではありますが、中途半端な話にはしたくないので休日に色々と構成を練ってから平日に投稿という流れにしていきたいと思います。
予定では、十月の内からにしようと考えています。
詳しい日程はまたいずれしますが、キリのいい月曜日にでも「この週から平日更新を始めます」って報告します。
作者の都合で毎日更新でなくなって申し訳ありませんが、今後とも「コングラ」にお付き合いして下さると幸いです。
よろしくお願いします。




