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第128掌 奥さんの身分は・・・

すみません。

それでは以前に予告したように明日からお休みを頂きます。

予定では金曜日の0時に投稿になると思います。

もし、予定が前後しても一日程度ですので。

それでは今日の話をどうぞ。



 部屋から出て玄関に行くと、すでに皆、俺を待っていた。


「おう、タカキ。こっちの準備は出来てるぜ」


「そうか。それじゃ異空間を開けるぞ」


 そう言って俺は異空間を開ける。


 毎回思うんだけど、空間を開けるのが派手すぎない?そりゃあ、空間を開けるんだから派手なのは分かるけどさ。それでも人がいる場所で使えないじゃん。今回の小さく空間を開けるとなった時とか、目立たないようにするには事前に開けておくしかない。物を収納するのは収納袋の異空間に俺の異空間を繋げるだけだから簡単なんだけど。


「それじゃ、入ってくれ」


 異空間に入るように促す。使用人たちは自分で入るのは初めてだからな。前回は強引に俺が入れたからな。見た感じ、入るのに躊躇している。まあ、未知の空間に入るんだからしょうがないけどな。


「大丈夫だ。俺達は何回も利用しているし、結構快適だぞ?」


「そうですよ。自分専用の空間とかタカキさんが作ってくれますから収納袋としても使えますし」


「そうね。それにもう一つ自分の部屋があると思えばいいし」


 それぞれ五人を安心させようと言葉を重ねる。


「でも・・・」


 ミールが遠慮がちに口を開く。


「使用人である私たちがもらえ「部屋くれるの~?」」


 ミールが言い終える前にメルサが期待するような目で聞いてくる。


「ああ。今の部屋は家族全員で使っているだろ?それが間違った判断だとは思わないけど、せっかくだから自分の部屋も欲しいと思ったし、すでにこの異空間のことは五人とも知っているからな」


 異空間のことを知らなかったら使わせなかったかもしれないけど、使用人たちの緊急避難にも使えるからちょうどいいだろう。


「ほら。入った入った」


 そう言って俺は五人の背中を押して異空間の中に入れる。そのままダンガたちも後に続く。


「それじゃ閉じるぞ」


「はいよ」

「頑張ってくださいね」

「出来るだけのフォローはするから」


「おう。それじゃ」


 そして俺は異空間をかなりの小ささまで閉じる。そしてその異空間の穴に向かって声を掛ける。


「おーい。聞こえるか?」


『はい。聞こえていますよ』


 リリアスが返事をしてくれる。


「このまま開けておくから。外の様子が知りたい時はリアに頼んでくれ。闇魔法で映し出せるから」


『そんなこと出来るんですか⁉』


「まあな」


 俺の闇魔法とリアの闇魔法とを繋げて映像として映し出す。この前、旅の途中で暇だったからリアと一緒に闇魔法の使い方を研究したときに出来るようになったんだよな。


「それじゃ行くぞ」


『はい』


 そして俺はクロノス共和国に転移した。




              ・・・




 転移したのはトールとメルサを兵士から逃がすために逃げ込んだ路地裏。念のために闇魔法で姿は隠している。


「どうやら人はいないようだな」


 俺は誰もいないことを確認してから闇魔法を解く。


「さてと。それじゃ行くとするか」


 そして俺は路地裏から出る。


「???」


 なんか騒がしいな?


 あちこち兵士が歩き回っている。そして心なしか一般人が少ないような気もするな。どうしたんだろうか?


「おい」


 そんな不思議がっている俺に近くを通った兵士が声を掛けていた。


「はい?なんでしょうか?」


「この近くに奴隷が入り込んでいるのだが、お前は何か知らないか?」


 これって多分、トールとメルサのことだよな。


「でも、奴隷が入り込んだにしては大げさすぎませんか?この捜査する兵士さんたちの数」


 ちょうどいいや。ついでに情報収集もしておこう。そう考えて俺は何気なく聞いた。


「上からの命令だ。俺達も困っているんだが、下っ端は従うしかない。真面目にしないと、奴隷に堕とされてしまったりするからな」


「そんなっ」


「今のこの国のトップはトリスメデス様だからな。あそこの奥様は政治に口を出してくる恐妻らしい」


「他の方は何か言ったりしないんですか?」


「言えるかよ。トリスメデス様の奥様は他国の王族だぞ?下手に扱ったら即戦争だ。それが怖くて誰も何も言わないのさ」


 まさかの情報‼


 王族かよ。兵士の話を聞いた限りだと、わがままな奴っぽいな。


「そうなんですか・・・。それじゃ、お仕事頑張ってくださいね」


 俺の日本人スキル、無難に離脱するを使って兵士から離れる。


『私たちを奴隷にしたのって他国の王女様だったんですね・・・』


 俺の耳元で落ち込んでいる声色でメルエさんが呟く。


「そう考えると、あなたの恋敵は王女様だったってことになるな」


『その言葉だけだとすごいことだけどな。ライバルは王女様か・・・』


 ダンガは他人事のように呟いている。


「どこかのギャルゲーの設定かよ・・・」


 ダンガの呟きにそうツッコんでしまう。俺以外に地球のゲームのことなんて知らないから意味の分からないことを呟いている奴みたいな感じになってしまったけど。


「まあ、いいや。それじゃ行くか」


 この国は共和国。王宮とかはない。あるのは日本でいう国会議事堂みたいなものだ。その敷地内に国政を担っている重要人物たちは家を建てて住んでいる。トリスメデスも同じだ。多分、王族と結婚しているなら一番大きな家に住んでいることだろう。


「似ているならそれはそれで懐かしい気持ちになるかもな」


 そしたら少しは優しい対応になるかもしれないし。


 俺は少しの期待を持ちながら目的の場所に向かうのであった。




読んでくれて感謝です。

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