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第115掌 最初の国は

さあ。

最初の国での編が開始です!



 移動に陰で活躍していた馬車を使い、西部劇の荒野のような道を走っていた。一応、馬が疲れないように馬車に入っている物は全て時空間に収納して俺自身にも重力操作・自己スキルを使って体重をほとんどなくしている。流石にゼロにするのは怖かったのでやめておいた。重さは大体十キロぐらいだ。


 リリアスたちは時空間に入っているのでここにはいない。まあ、俺だけいればいいからね。流石に一人で馬車を走らせるのは寂しいけど、旅は始まったばかり。こんなことで早くも根を上げるわけにはいかない。


「なあ、タカキ」


 そんなことを考えていたらダンガが声を掛けて来た。


「何だよ」


 ダンガは丸く開いた空間の裂け目からこちらを覗いていた。


「これ、空間をこじ開けているのと同じなんだからMPは減っていっているんだぞ。何が起こるか分からないんだから閉めとけよ」


「いや、気になったことがあってな」


「何?」


「そもそも、どこに行くんだ?」


 ああ。そう言えば言ってなかったな。


「ハフナーさんからの勧めというか、頼みもあってな。隣国のクロイス共和国に向かっている」


 地図で表せば、クロノス共和国はオークス王国の左隣に位置する国である。


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                               マハル国

 クロノス共和国       オークス王国   アリエス教国


 オ                          

 ル   ライドーク神国            ジョールズ共和国  

 |             バレール帝国               

 ク                            ノワール

 王   トトマン獣王国                    魔王国

 国                       ヤームロ帝国


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 地図ならこんな感じだ。


 ちなみにマハル国は島国だ。他の国は大陸にある。


 大陸事情ではオークス王国とバレール帝国が大陸では最も大きな国家となっている。国土もこの二つの国が最も大きい。なので、正直最初にリリアスを仲間に引き入れていなかったら俺はとっくにこの国の中で迷子になっていたことだろう。良かった。リリアスが仲間になりたいって言ってくれて。


「クロイス共和国って言えばあの奴隷国家か」


「奴隷国家?」


 なんだそれ?


「あ?王様から聞いてないのかよ」


 聞いてないよ。頼みも普通に隣国の様子が気になるから見て来てほしいってことだし。具体性のない頼みだけれども、恩を売るのは今後の活動を有利にしてくれるだろうからな。聞ける頼みは聞いておいて損はないだろう。


「いいか?クロノス共和国って言うのは奴隷が国のために働いている国家だ。共和国というだけあって貴族などはいない」


 へぇ~。まあ、奴隷が当たり前にある世界なんだ。その奴隷をうまく使うのはいいのかもしれないな。


「階層で言うと、

 下層が奴隷 犯罪奴隷・身売り奴隷だ。これが肉体労働などで最も働いている層だ。

 中層が一般の国民 こっちで言う平民だな。商人などはこの層だな。

 上層が国を運営している議員達だ。こっちで言うと貴族や王族と同じだな」


「それのどこが貴族などはいない、なんだよ」


 名前が違うだけで普通に王権国家と同じじゃないか。違うのは王様が一人じゃないってことぐらいだし。


「一応、うまく回っているって話だ。実際に内乱とかも起こっていないしな」


 予想だが、それは恐らくクロノス共和国に住んでいる人たちの半分ぐらいが奴隷だからだろう。上層って言うのはどこに行っても全体の一割以下だろうしな。


「多分、内情はギリギリだと思うぞ」


「そうなのか?」


「ああ。奴隷って言っても意思を持つ人なんだ。酷使されれば嫌気は差す。それを魔法とか奴隷契約で抑え込んでいるだけだ」


 クロノス共和国がいつ出来たのかは知らないが、それを何十年、何百年とされていればいつ爆発するか分かったもんじゃない。


「そんな国に行くのか・・・」


 ダンガはゲンナリしている。


「俺達が滞在中に何も起こらないことを祈るしかないな」


「ああ」


「まあ、これはハフナーさんへの大きな貸しになるし、それに俺達はいざとなれば時空魔法で逃げることが出来るしな。あんまり過度な緊張はしないでいこう」


「ああ。そうだな」


 それに奴隷国家ってことは不正な奴隷商人とかもいるだろうからな。気をつけておかないと。気付いたら俺以外の仲間が奴隷にされていましたってことになったら目も当てられないわ。俺は全掌握さえあれば無効化できるからそういうのに気を付けなくてもいいけど、リリアスたちはそうもいかないからな。アメリアの固有スキルも常時発動ってわけじゃないから騙されたらどうにもならないだろうし。


 いや、奴隷にされても奴隷にされた工程が悪ならアメリアの審判は発動するから大丈夫なのか?でも、やっぱり心配だし、三人とも俺が気を配っておこう。俺もだけど、リリアスたちも旅自体は初心者だからな。俺の日本での異世界の知識ラノベが役に立つだろう。


「聞きたいことはそれぐらいか?」


「ああ」


「それじゃ空間を閉じるぞ?」


「ああ。だが、別に俺がそっちにいてもいいんだぞ?」


「気持ちはありがたいんだがな。俺が移動しないと時空魔法は機能しないし、体重の操作が出来るのも俺単体だけだからな。俺一人の方が都合がいいんだよ」


「なんだか悪いな。こっちは普通に部屋みたいになってて快適なのに」


「いいんだよ。その代わり、野宿の時の番とかは任せたからな」


「おう。任せとけ」


 それで俺は空間を閉じた。


 さてと、クロノス共和国か。どんな所なんだろうな。




読んでくれて感謝です。

感想・評価・ブックマークをしてくれると嬉しいです。

よろしくお願いします!


今回はまだオークス王国の領内ですが、次からはいよいよクロノス共和国内に入ります。

それと、地図に関してですが、分かり辛かったら申し訳ないです。

一応、この世界の全体の大陸地図になります。

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