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プロローグ01

第二部開始です!

そんなわけでここからは異世界漫遊編の開始になります。

漫遊を待っていた皆さん!

お待たせいたしました!

今回の話はプロローグなのでそこまでではないですが、きちんと旅させますので安心してください。

それでは今回のお話をどうぞ!



「お、お待たせしました!」


 リリアスの慌てた声が屋敷の玄関で響く。


「おう。悪いな。授業の後、すぐに出発なんてことになって」


「いえ。旅に出るなら早い方がいいですから。それにもし、これで私だけ来週までここでお留守番になんてなったら嫌ですし」


 俺が謝るとリリアスがそう答える。


「そうか。なら遠慮なく出発するとしよう。ダンガ、アメリア。準備は出来てるか?」


「当たり前だ。むしろ、この格好を見て出来てないと思うお前の目を疑いたいぐらいだぜ」


「同感ね」


「ダンガもアメリアも厳しいな!」


 恐らく、ダンガもアメリアも、そして俺もリリアスも旅の再開に胸が躍っているのだろう。だからこんなにハイテンションなのだ。


「それじゃ、出発の挨拶をしに行ったら行くとするか!」


 俺達は時空魔法で最初の相手に挨拶をしに向かったのだった。



               ・・・




 最初に向かったのはハフナーさん達のところだ。空いている時間もきちんと聞いているので大丈夫だ。この時間なら庭園で休憩中のはずだからな。


「おおっ?」

「これは・・・」

「何ですか⁉」


 俺達の時空魔法での転移に驚く三人の声。一人はハフナーさんで、二人目はアルナスさんだ。三人目はマリアーヌだ。


「よっと」


 俺はまず最初に三人を時空間に置いて、先に庭園に出る。一応、警戒とかもしておかないといけないからな。何が起こるか分からないのが現実だ。俺がこんな異世界にいるのがいい証拠だしな。


「どうも、お三方」


「あ、ああ」

「流石だね」

「・・・」


 俺の登場にホッとしている二人と唖然としているマリアーヌ。まあ、分からんでもないけど。


「大丈夫そうだし三人も出すか」


 そして俺は三人を異空間から庭園に出した。


「不思議なもんだな。あれが異空間ってやつか」

「私、まだフワフワしてます」

「癖になるかも」


 異空間の感想はいいから。王様の前なのに鋼の心臓の持ち主だな、お前たち。俺も人のこと言えないけど。


「さて、今日は挨拶に来ました」


 俺の言葉にハフナーさんが反応する。


「ということは今日、出発するんだね?」


「はい。準備も整いましたので」


「分かった。こちらのことは任せてくれ」


「はい」


 それからいくらか軽く会話をして俺達は庭園を後にした。


 なんだかアメリアがマリアーヌと仲良くなっているような気がしたんだが、気のせいだったのだろうか?やけに仲良さそうに談笑していたな。城に出入りしていた時に仲良くなったのだろうか?まあ、俺が首を突っ込むものじゃないし、気にするだけ無駄か。




                    ・・・




 次にやって来たのはギルドだ。流石に王都に来てから一番お世話になった人だからな。まあ、その分、迷惑も被っているけどな。挨拶ぐらいはしておかないと。


「どうもー」


 ギルドのギルド長室前に転移した俺は部屋をノックしてから返事を聞く間もなくそのまま部屋へと入る。そこには驚いたまま固まっているアネッサさんの姿が。何かの書類仕事をしていたのだろう。その書類が手から落ちていく。


「おっと」


 それを拾い、机の上に戻す。


「大丈夫そうだし、三人も出て来ていいぞ」


「いやいやいや!何許可もなく突入しているんだ!普通に不法侵入だぞ!」


「そんなこと言ったら勇者は泥棒ですよ!」


 よく分からないテンションで俺は言い返す。


「は?勇者が泥棒?」


「あ、何でもないです。こっちの話なんで気にしないでください」


「そ、そうか」


 そしてアネッサさんにも四人仲良く出発の挨拶をしてその場から再び時空魔法で離れる。


 次に向かう場所で最後だな。集まるまでが時間かかりそうだし、最後に回したのは良かったかもしれない。まあ、女子寮とかに移動は出来ないし、おとなしく知っている場所に転移してリリアスに道案内を頼むとするか。




              ・・・




 そしてやって来たのはオークス魔法学園。その正門である。最後の相手はミッキー先生たちクラスメイトの皆さんだ。一応、今日出発することはミッキー先生に伝えておいたし、すぐに集まれるようにしておいてくれているはずだ。まあ、連れて行かないけど。


「それじゃリリアス、案内頼んだ」


「はい!」


 ダンガとアメリアを時空間に残し、二人で学園内を歩く。


 ダンガとアメリアは学園に入ったことないからな。また面倒なトラブルとかに巻き込まれたら困るし、今回は待機だ。


「ここです」


 リリアスの案内でやって来たのは男子寮と女子寮とを繋ぐロビーである。男女は門限までの自由時間はここで交流を深めるらしい。まあ、溝を作るよりはマシだし、いいと思う。


 俺の感想は今は置いておいて。


「それじゃ、リリアス。頼む」


「はい!」


 そしてリリアスはロビーの中に入っていった。流石にクラスメイト達とリリアスの保護者であるという立場しかない俺が寮内に入るのはダメだろうという判断からリリアスにクラスメイト達を呼ばせに行かせた。


 五分のすればすぐにリリアスとクラスメイト達が出て来た。


「久しぶりね、孝希君」


「どうも、先生」


 ぎこちない雰囲気の先生。だが、そんなことに構っている時間がもったいないので今回はそのままスルー。


「ダンガが皆に渡したいというのでこっちに寄りました」


『『???』』


 俺の言葉に疑問符を浮かべるクラスメイト達。


「ダンガ」


「あいよ」


 異空間から出て来たダンガが近くの建物の陰から、たくさんの武具を抱えて出て来た。


「それは?」


 樹里が聞いてくる。


「お前たちの武具だよ」


 俺の言葉に驚くクラスメイト達。流石に何も無しで放置は俺の心に罪悪感として残るからな。これくらいはしておかないと。まあ、実際にしたのはダンガだけれども。


「それじゃ俺達は旅に行くので」


「連れて行ってはくれないのよね?」


 ミッキー先生が聞いてくる。


「ええ。せめてこの学園で上位に入っておいてもらわないとね」


 俺の言葉に悔しそうに俯くミッキー先生と樹里。この学園に入って実感しただろうが、魔法込みでの戦闘を行っているこの学園で上位の強さになるというのはなかなかに難しい。どうやらしっかりと洗礼は受けているらしかった。


「上位になって、その時にまだ俺達の旅に同行したいのなら言ってください。また試験して見極めてあげますので」


 そして俺はそれだけ言い残すとその場から歩いて離れて行った。リリアスとダンガも後に続く。アメリアさんは今回は特に用がなかったので時空間にお留守番です。今頃リアを可愛がることで寂しさを紛らわせているに違いない。


 時空魔法での移動もこいつらに見せるにはまだ早いしな。


 そういうわけで目立たない場所まで来てから転移で屋敷に戻った。


「これで挨拶とかその辺の諸々は終わったな」


「はい!」

「そうだな」

「・・・ええ」


 アメリアは最後に自分だけ出れなかったことに不満なようだ。


「・・・まったく」


 俺はアメリアの頭を撫でながら言う。


「それじゃ、出発しますか!」


「はい!」

「おお!」

「・・・うん」


 リリアスとダンガは元気よく。そしてアメリアは恥ずかしそうに返事をしたのであった。




読んでくれて感謝です。

感想・評価・ブックマークをしてくれると嬉しいです。

よろしくお願いします!


それと、細かな点ですが、フェルゲン編の第五十二掌の

タカキがアメリアを抱きしめた部分を訂正しました。


タカキがアメリアを抱きしめた部分はタカキがアメリアの頭を撫でるというものに変更しました。


あの時は作者自身のテンションが上がってそのまま勢いで書いてしまったんです。

ご容赦ください。

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