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第107掌 ダンジョン逆走



 タカキが時空龍・クロノに転移させられている頃、ダンガたちは元来た道を走っていた。


「クソッ。せっかく地道に進んでいたのに逆走する羽目になるなんてな!」


「ダンガさん!後ろから攻撃、来てます!」


「分かってるッ」


 リリアスの警告に後ろを振り向き、急いで火炎魔法を放つダンガ。後ろから来ていた攻撃は糸による拘束のためらしく、殺傷性は少なく、火炎魔法により燃え上っていた。


 今、リリアスたちはスペーススパイダーの大群に追われていた。最初はふとした違和感からだった。進むごとにモンスターとエンカウントするのだが、何故かスペーススパイダーばかりなのだ。たまに別のモンスターとエンカウントするのだが、どう言う訳か、弱っていてあっさり倒せてしまう。


 おかしいと思って三人は話し合いをしているとそこに地鳴りがし出したのだ。音のする方向を見てみると、そこには大群の蜘蛛たちがこちらに向かって猛スピードで走って来ているのが見えた。


 これは流石に勝てないと判断した三人は元来た道を走り出したのだ。


「な、なんでダンジョンでこんな大群に追われなきゃいけないのよ⁉」


 アメリアが叫ぶ。


「やめろ。叫んだらその分体力が落ちる」


「分かったわよ」


 さっき、ダンガも叫ばなかったかしら?ともアメリアは思ったが、ダンガの言うことは一理あるので素直に言うことを聞く。


 そんな中、リリアスが『アマハバヤ』を取り出し、感知を始める。


「⁉」


 感知していることがダンガとアメリアも分かったのか、リリアスを見る。感知していたリリアスが驚きの表情になったので、二人は不安になりながらもリリアスに何があったのかを聞く。


「リリアス、どうしたんだ?」


「・・・この先、来た道が塞がっています」


「「え?」」


「つまり、この先は行き止まりになっています」


「「・・・」」


 冷や汗をダラダラ流し出す二人、否、三人。リアは未だに呑気にリリアスの肩で欠伸をしていた。走っているのに呑気な猫である。


「ど、どどどうすんの⁉」


「戦闘するしかないだろう。分岐点も過ぎてしまったし」


「そうですね。運が良ければ倒せるかもしれませんし」


「いや、あれは流石に無理でしょ!」


 アメリアは走りながらもスペーススパイダーのいる方向を指差す。そこには見た感じでも三桁はいるだろう大群があった。ダンジョン内が広いこともあってより多さが際立っている。アメリアはその光景が気持ち悪くて仕方ないのだろう。さっきから顔が真っ青である。それはダンガとリリアスも一緒なのだが、アメリア程気持ち悪いとは思っていないようだ。


 それもそのはず。リリアスとダンガはそれよりも自分たちの危機という部分でそれどころではないのだがら。


「分かるが落ち着け!何かいい手があるはずだ!」


「どんな手よ!」


「ここに来るまでのことを思い出せ!何かないか⁉」


 三人は走りながらも、焦りながらも必死に考える。しかし、もうすぐそこにはまるで閉め切ったかのような行き止まりがある。タイムリミットはすぐそこまで来ていた。


「にゃー」


 そんな中、リアがリリアスの顔をネコパンチでパシパシ叩く。


「な、何ですか?今、それどころではないんですけど」


 リリアスは焦りが滲んでいる声色でリアに答える。


「にゃんにゃ」


 するとリアはリリアスの肩から降りてリリアスたちと一緒に駆けだした。しかし、ついに行き止まりまで到達してしまう。


「時間がない!」


 ダンガも流石に焦り出す。


「うにゃー!」


 リアがかなり大きめに鳴く。その声に三人はリアに視線を注ぐ。


「にゃにゃ」


 ぺシぺシと行き止まりになっている側面の壁を叩くリア。


「あー!」


 その光景にリリアスが何かを思い出したかのように叫ぶ。


「ど、どうした⁉」


「何かあったの⁉」


 リリアスの急な叫びに驚きながらも聞く二人。


「ダンガさん、アメリアさん!ここですよ。私が見つけたあの黒い渦!」


「「‼」」


 順調にダンジョンを進んでいたので忘れていたが、確かにリリアスが発見した黒い渦のある場所であった。


 そして、三人は選択を迫られることになる。ここに残り、スペーススパイダーの大群と戦うか、それともこの黒い渦に飛び込んでどこかに飛ばされるかを。


「「「・・・」」」


 そしてほんの一瞬の思考のあと、三人は選び、頷き合った。


「行きましょう!」


「ああ。これに賭けるしかないわな」


「こうなったら生き残る確率の高い方に行くしかないわ」


 そして三人と一匹は出来るだけ密着・・・というか、リリアスにしか見えてはいないので、リリアスにくっ付くようにして黒い渦へと飛び込んだのであった。




                ・・・




『・・・む?』


「どうしたんだ?」


 時空龍・クロノの回復を待っているとそんな声が聞こえて来たので聞く。


『お前の言う仲間の反応が急に消えたのでな。どういうことかと思ったのだ』


「は、はぁ⁉大丈夫なのか⁉」


『心配するな。死んだなら死んだと我には分かる。そのような反応はなかった』


「そ、そうか」


 それなら一安心だ。


「でも、消えたってどういうことだよ?」


『うむ。恐らくだが、我の知らない転移か何かでどこかへと飛んだのではないかと考えられる』


「ここってあんたの領域なんだろ?」


『そうだ』


「それなのに分からないってヤバくない?」


『うむ。かなり危険かもしれんな』


 そう言われて俺はいてもたってもいられなくなった。っていうか、ここで待っているなんて普通に無理!


「俺が行く!頼む!その場所に転移させてくれ!」


『ここにちゃんと戻ってくるのなら我は構わんが、今はやめておいた方がいいぞ』


「なんでだよ」


『今、勝手に我のダンジョンの中に巣を作ったスペーススパイダーの大群がそこにいる』


 それにリリアスたちは追われていたってことか。


「構わねぇ。送ってくれ」


『いいのか?』


「ああ。レベルアップもしておきたかったからな。スペーススパイダーの大群ってことはなかなかのレベルアップに繋がると思うし」


『良かろう。我も戦う相手がより強くなるなら文句はない。しかし、同じ神の使徒としてお前を死なすわけにはいかん。危ないと判断したら我は強制的にここへと戻すぞ』


「ああ。それは助かるからお願いするわ」


『ならばそろそろ魔法の方も回復する。転移出来るぞ』


「おう!送ってくれ!」


『お前にマーカーを付けておく。これで我の知らない場所でも軽い会話と転移が出来る』


 便利だな。これって固有スキルの方の能力の一つなんだろうと俺は推測するんだけど、どうなんだろう。まあ、後で戦う相手に聞くわけにもいかないから戦った後に聞くことにしよう。


『よし。治った。送るぞ』


「ああ!」


 そして俺はリリアスたちがいた場所へと転移したのであった。




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