プロローグ01
はじめましての方ははじめまして!
他の作品で知っている方はどうもです!
新しい作品として投稿します。
作者のカッコイイを詰め込んでいきます。
作者はバッドな展開は苦手なので爽快でハッピーな感じにしていけたらなと思っています。
それではどうぞ!
地球ではないどこかの世界。
ここはとある国の辺境。ここから少し進むと国境がある。そんな国の端。
鬱そうと生い茂った森の近くに小さな村があった。
その村は貧しいながらも明るい雰囲気のある優しいという言葉が似合う、そんな村だ。まあ、村なのでどこか排他的なところがあるのは否定できない部分であろう。よそ者には冷たくなってしまう部分もある。
そんな村にいる普通の少女がいた。なかなか可愛らしい容姿をしている。髪は肩まで伸びていて、ストレートに降ろしている。髪が青色なのはここが地球とは全く違う世界のためだろう。目も澄み渡るような青のきれいな色だ。
「私、将来は絶対に魔法使いになるもん!」
その少女はいつもそんなことを言っていた。いつも言っているためか、半ば口癖になっていた。
しかし、そんな少女を村の住人はいつも小バカにしていた。
魔法使いとはなりたいと思ってなれるものではない。資質が大きく重要となってくるのだ。
しかも、その資質は特定の道具を使わなければ分からないし、その道具を使うには多大な資金が必要となってくる。
さらに、魔法使いになるためには魔法を教えてくれる師匠が必要になる。しかし、魔法使いはその肩書きだけでも生活できるほど高給取りなのだ。そんな魔法使いの弟子になるのには通常はそこにも大金を積まなければならない。
王都の学校に通えれば弟子になるよりもお金は掛からないのだろうが、あそこに行く人は貴族が大抵だ。平民では才能があると分かっていて奨学金を貰っている者しか行けない。才能の有無は王都なら平民でも魔法使いに知り合いさえいればコネで少しのお金で見てもらえるのだが、この村には勿論、そんな者はいない。こんな村に魔法使いが生まれるなんて思いもしないのだ。
そんなわけで少女は美少女と言える容姿をしていても、いつも村の住民にバカにされ続けたのだ。
・・・
それから何年かの時が経った。
その少女は美少女から美女と言っても過言ではない年齢になった。上手いこと美少女と美女が同居している感じだ。
「私はまだ諦めないわ!」
そんなことを言って未だに諦めていなかった。
そんなある日、少女は村の少年であるパッシュとケンカした。
「お前、いい加減もう魔法使いになること諦めろよ!」
「なんでパッシュにそんなことを言われなきゃいけないのよ!」
「な、なんでってそりゃあ・・・お、お前に俺の嫁に来てもらいたいから・・・」
「何⁉」
後半は声が小さくて聞こえなかったようだ。怒鳴るような大声で聞き返す。
「と、とにかく!お前、親もいないからお金もないし、一人で何度魔法使っても何も起きねーじゃねえか!素質ねぇんだよ!もう諦めろ!」
「そんなことないもん!きっと出来るもん!」
少女は半泣きになりながらも諦めようとしない。
「じゃあ、次に何も出来なかったら諦めろよ‼」
「いいわよ!絶対出来るんだから!」
根拠もない自信で約束をした少女とパッシュはそう言ってそれぞれ違う方向へと走り去っていった。
・・・
少女はパッシュとのケンカの後、すぐに村のすぐ近くの森へとやってきていた。森の中ではあるが、周りを木が囲んでいるだけで、開けた場所だ。
「絶対成功してみせるもん!」
そう言って少女はせっせと地面に魔方陣を書き始めた。
「みんな私のこと認めてくれないけど、魔法使いになればきっと見直してくれる!」
泣きそうになりながら少女は魔方陣を書き続ける。誰も認めてくれなかった自分の夢を認めさせるためにも。
少女が今、書いている魔方陣の種類は召喚陣。少女が望んだモノを召喚する希望の陣そのもの。本を読み漁っていると見つけたのだ。
今まで一人で出来そうな魔法は全て試した。村の書物も全部読んだ。たまに村にやってくる商人が売っている本もためたお金で買って読んだ。しかし、試した全ての魔法が発動しなかったのだ。毎回希望を抱いては打ち砕かれた。それでもいつかはと奮起した。
そして、色々と試したが、結果、現在少女に残された魔法は残り一つ。これが失敗すればどのみち村から出ない限りは新しい魔法は試すことが出来ない。しかし、少女に村を出る勇気も蓄えもなかった。少女はこれに失敗すれば諦めるしかないのだ。
「お願い!来て!」
少女が望んだのは英雄。自分を救ってくれる、連れ出してくれる勇者。長年の思いを乗せて祈り、召喚魔法を発動させる。
「お願い!私の勇者様!」
・
・
・
辺りを光が埋め尽くす。
そして、そこには奇妙な格好をした黒髪黒目の青年が立っていた。
「え?」
「ん?」
少女は魔法が成功したことに茫然とし、青年は訝しげに辺りを見渡す。
「おいおい。聞いてたことと違うじゃねぇか。どういうことだよ、あの野郎」
「あ、あの!」
「あ?」
「私、あなたを召喚したリリアスと言います!お名前を教えて下さい!」
「俺か?俺はタカキ。神にドナドナされた、ただのマヌケだ」
これが全てを掌握する者とそれを召喚した少女の出会い。そして、この世界でのタカキの初めの一歩目だ。
読んでくれて感謝です。
これからよろしくお願いします!




