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作者: 政宗祐太
掲載日:2014/01/31

「きみがわるいことはよくあるよね」

 確かにあるね。

「なのに、きみはいつも謝らない」

 何で僕が謝る必要があるんだい?

「今自分で認めたじゃないか。自分が悪いことがよくあるって」

 あ、そっちか。気色悪いことがよくあるってことじゃないんだ。

「あ、そっちか。違うよ」

 紛らわしいこと言うのは、やめてよ。脳みそを無駄に使ってしまう。

「逆ギレかよ。今のも悪いのは君だぞ。それに、きみに脳みそなんてないだろ」

 ……うるせぇな、そのうち立派な脳みそをゲットするよ。

「そりゃあ、来世まで待たないとな」

 ああ、そうですね。

「……お前、ずっとこのままでいいのか?」

 え?

「このままこんな狭い場所で終わっていいのかって聞いてんだ」

 いいわけないだろ。でもどうすんだよ。

「自分の殻を破れよ。こもってばっかりじゃ何も変わらないだろ?」

 それを言うならお前もだろ?

「俺はもういいよ。諦めた」

 随分とあっさりだな。

「当たり前だろ。お前と出会った時からずっと、俺はあっさりしてるよ」

 そうだったな。

「でもさ、時々思うよ。せめてもっと外の世界でいろんなとこに混ざり込んで」

 いろんな自分に出会いたかったか?

「うん」

 だよな。俺たち、ここで腐ってる場合じゃなかったんだよな。

「だな。長いことこのまんまですごし過ぎたな……」

 もう遅いかな?

「少なくともこのままではな。他のやつらに火でもつけてもらわねえと」

 悔しいよな。俺たちまだまだピチピチなのに。

「ああ。ピチピチだよな。まだ生まれてないようなもんだから」


[大きく揺れる]


「何だ、今のは。きみ、大丈夫かい?」

 俺は大丈夫だよ。まさかこれ……。

「まさか。そんなことしたらきっと二、三日トイレから出られなくなるよ」

 だよな……。だったらついに俺らは死んじゃうのか。廃棄ってわけだ。

「生まれてねえのに殺されるもクソもないさ」

 そうだな。俺もお前みたいに、さっぱりした性格でいたかったぜ。

「俺と一緒にならなくてもいいだろ。俺は淡白だけど、君はきみだ」

 そうだよな。俺はきみだからな……。今まで楽しかったぜ。

「俺もだよ。次は一つで生まれたいな」


[大きな衝撃、射し込むひかり]


「あれ、フライパンじゃない?」

 あいつ、火を通せばいけると思ってるんだな。

「どうなっても知らないぜ」


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