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宇宙SFで地球を占領するには、何人必要なのか (。´・ω・)?

掲載日:2026/08/24

 宇宙SFでは、たまに恐ろしく簡単に惑星が陥落する。


「敵の惑星に地上軍一個連隊を降下させた!」


 そして次の場面では、


「三日後、惑星は完全に制圧された」


 などと書いてある。


 いやいや、ちょっと待って欲しい。

 その惑星、地球くらいの大きさではなかったのか?


 地球の陸地面積は約1億5000万平方キロメートルもある。

 しかも現在の地球には80億人以上が暮らし、現役軍人だけでも世界全体なら2000万人前後いる。


 さらに予備役、警察、国境警備隊、民兵、退役軍人などまで含めれば、武器を持って抵抗できる人間はさらに増える。


 そんな場所へ、


「精鋭の連隊2000名を投入する!」


 と言われても困るのである。


 2000人で地球を制圧しようとすれば、一人あたり7万5000平方キロメートルほど担当することになる。

 兵士一人に北海道一個分くらい任せる勢いである。


「お前は北海道を頼む」


「了解しました!」


 無理である。


 では、本気で宇宙から地球を攻めるなら何人必要なのだろうか。

 もちろん宇宙側が圧倒的な技術を持ち、軌道上から好き放題に攻撃できるなら話は変わる。


 空軍基地も海軍基地も宇宙から破壊。

 衛星通信も停止。


 大規模な軍隊が集結すれば、軌道上から監視される。

 それでも地上へ降りて占領する兵士は必要である。


 私なら、本格的に地球規模の惑星へ侵攻するなら、最低でも1000万人。

 相手が今の地球と同程度の軍事技術を持ち、本気で抵抗するなら、3000万人くらい投入したくなる。


 ……3000万人。


 なんだか凄い人数だが、それでも全員が敵と撃ち合うわけではない。


 食料を運ぶ人。

 弾薬を運ぶ人。

 戦車や宇宙艇を修理する人。

 負傷者を治療する人。

 通信を維持する人。

 捕虜を管理する人。

 軍用道路を作る人。

 占領した都市や軍事施設を警備する人。


 戦争とは、驚くほど大量の人間が後ろで働くことで成立している。


 そして一番面倒なのが地下基地である。

 未来の地球なら、重要な司令部や兵器工場が地下数百メートルに作られていても不思議ではない。


 山の中に巨大な軍事施設。

 地下鉄道でつながった補給基地。

 何十年間も籠城できる食料備蓄。


 そんなものが世界中に存在したら、軌道上から勝っただけでは戦争は終わらない。

 一つずつ探し、一つずつ包囲し、一つずつ降伏させる必要がある。


 だから3000万人を投入しても、「一か月で制圧!」とはならないと思う。


 制宙権と制空権を握るまで数週間から数か月。

 正規軍の主力を壊滅させるまで数か月。

 主要都市と軍事拠点を押さえるまで半年から一年。

 地下基地まで含めて組織的な抵抗をほぼ終わらせるなら、一年から三年くらいは欲しい。


 しかも、それで終わりではない。


「地球軍は壊滅しました!」


 と宣言した翌日から、


「南米で反乱です!」


「アジアで旧軍兵士が武装蜂起しました!」


「地下基地がまだ一個残っています!」


「占領政府の役人が暗殺されました!」


 という楽しい日々が始まるのである。

 完全平定には五年、十年、それ以上かかってもおかしくない。


 だから宇宙帝国が賢ければ、地球人80億人を直接支配しようとはしないだろう。


 政府を降伏させる。

 自治権を認め、現地軍を再編する。


 警察も行政官もそのまま使う。

 宇宙帝国軍は重要な宇宙港や軍事基地だけ押さえる。


 たぶん、こちらの方が圧倒的に安い。


 なにしろ3000万人もの兵士を一年以上戦わせるのである。

 食費だけでも恐ろしい。

 砲弾もミサイルも無料ではない。

 給料だって払わなければならない。


 つまり惑星を一個征服した皇帝が、


「勝ったぞ!」


 と喜んでいる横で、財務大臣だけが真っ青になっている可能性がある。


「陛下、今回の惑星攻略費用ですが……」


「いくらだ?」


「国家予算の三年分です」


「…………」


 宇宙戦争になっても、結局最後に敵になるのは兵站と予算と時間、その長い時間への情報統制なのである。

 だから私は、宇宙SFで惑星が三日で落ちる場面を見るたびに思う。


 その兵士たちは鬼神の如く強い。


 だが、一番強いのは、「細かいことは気にするな」と言える作者なのかもしれない(笑)

現在、SF戦記「星間覇道  ――没落貴族と女海賊、銀河帝位争乱――」を連載中です~♪

良かったら是非読みに来てやってください (*´▽`*)

https://ncode.syosetu.com/n1244lk/

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― 新着の感想 ―
再度お邪魔します。 こちらの願いに、お答えいただいたと思える作品に勝手ながら恐縮する次第。 改めて恐悦至極にございます。 地球侵攻地上軍、3千万人ですか。ちと想像できませんね。 あれから思い出した…
戦争はやはり不経済なのかもしれません。
地球を三日で征服は「無理やろw」となるけど、地球ではない惑星なら、三日で征服でも、「まあ、そんなもんなのかな?」となる不思議( ˘ω˘ )
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