婚約者が膝枕を求めてくる
名前を借りました
婚約者エキスカが浮気をしている。
今、目の前で、浮気相手のプローブと腕を組んでいる。
夜会の真っ最中なのに。
「コントラ!お前とは婚約破棄だ!」
エキスカが言った。
「かしこまりました」
私は、あっさりと婚約破棄された。
幼い頃は甘えん坊で、泣き虫だったエキスカ。
長女の癖で、つい甘やかし、エキスカに言われるままに膝枕していた。
乳母が、小さい頃からしてくれていたらしい。
浮気相手プローブは、亡き母に似ているから婚約したい、だからお前とは婚約破棄だ、と、エキスカに婚約破棄されたのだった。
「婚約破棄だ!」とエキスカが婚約者コントラに言った時は、勝ったと思った。
だが…
「プローブ、膝枕してくれ」
男が真顔で言った。
「は?」
「膝枕だよ。婚約者は当然するものだろう?」
相変わらず男は真顔だ。
「え…?」
ドン引きした女は、元婚約者コントラに文句を言いに行く。
「ちょっと!何なのよ膝枕って!」
「何か問題でも?」
コントラ、首を傾げるな。
「エキスカって、もっと大人な格好いい人だと思ってたのに!最低!」
私が叫ぶと
「幼い頃に母上様が亡くなられたから、甘えたいのです。幼い頃から乳母に膝枕をしてもらっていたとか」
平然と答えるコントラ。
「何それキモッ」
鳥肌が立ったので、
「もう婚約者返すわ!」
と言って、エキスカを返品した。
エキスカに膝枕していたのは、弟がいて弟にもしていたから気にしてなかったが、浮気相手プローブの言葉からすると、異常だったらしい。
「逃げられた」
そして、そのプローブが逃げたらしい。
元婚約者の私の所へ来たエキスカ。
「さようでございますか」
「やり直そう」
エキスカが言ったので
「無理です」
と、即答した。
「何故だ!?」
「もう、新しい婚約者がいますので」
私が言うと
「早っ」
エキスカが目を丸くした。
「貴族の政略結婚なので」
「そんなのより、俺との愛が重要だろ?」
何を言っているのだ。妄想か?
「愛なんてありませんが」
「え?」
「婚約者だから膝枕するのは当然と言われたから膝枕しただけであり、愛はありません。政略結婚なので」
だから、簡単に婚約破棄したのだ。お互いに。
ちなみに、元婚約者の父から慰謝料をもらった。もう、名前も言いたくない。
「え?」
驚く元婚約者。
え?愛されてると思ってたの?
それなのに平然と浮気したの?
意味分からない。
「膝枕は乳母にお願いしてください」
「待ってくれ〜!」
私は待たずに、元婚約者の前から去った。
元婚約者は、マザコンがバレて、婚約を申し込んでも断られているらしい。
浮気して婚約破棄するからだ。当たり前だ。
私は、新しい婚約者と幸せになった。
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