小説のコツ4
お久しぶりです。一年以上ぶりの更新になりますね。待ってくださった方には申し訳ありません。
それでは小説のコツ4をやっていきたいと思います。
・キャラクターの管理をしよう!!
キャラクターの管理とは一体どういうことか。
小説には様々な役割を持ったキャラクターがたくさん登場します。
わかりやすい例で言えば、探偵ものの推理小説。
語り手、探偵、刑事、被害者、犯人、目撃者、一般人……その他大勢のキャラクターが登場すると思います。
しかし小説というのは、ただキャラクターを出せばいいというわけではありません。きちんとキャラクターを管理、操作していかなければ小説としては成り立ちません。
例えば、犯人の動機がめちゃめちゃだったり、目撃者の情報がとんでもない嘘だったり……そんな調子ではまともな小説にはなりませんよね?
当然、こんなことをする人は居ません。
では、なぜこんなことを言うのかというと、最近では多くのキャラクターを登場させる小説が流行っているからです。群像劇だったり、ハーレムだったり。
基本的に小説というのは多くの登場人物を出すのは好ましくありません。長編で多くても十人程度がギリギリといったところでしょう。
なぜそんなことが決まっているのか、といいますと、まず一番に挙げられるのが『読者が覚えられない』という点です。
作者は当然見分けがつくでしょう。今喋っているのは誰で、あそこにいるのは誰で。
しかし読者というのは、作者が書いたものを読み取っていかなければなりません。それ故に作者の腕が十分でないと、どうしても誤解や不明な点が出てきてしまいます。
口調が似ていたり、名前が似ていたり、特徴が似ていたりするだけで、読者は混乱してしまいます。
じゃあ、全部特徴的なものにすればいいのか! ということでもありません。半分金髪で半分白髪で口癖が「~だべさ」の女の子が出てくればそれは確かに特徴的ですが、これはただ奇妙なだけですよね? 人を笑わせるのと人に笑われるのでは意味が大きく違うのと同じく、これもまた大きく違います。
それではキャラクターを多く出す小説を書かない方がいいのか。ということになりますが、そう質問されたら一瞬の迷いもなく「はい」と答えます。
理由は本当に単純で難しいからです。デメリットである『読者が覚えられない』という点を作者一人の腕だけでカバーするというのは本当に難しいことです。キャラクターを増やせば増やすほど作者の力量は試されます。成田良悟さんの『バッカーノ!』シリーズのように百名近くのキャラクターを管理できるようになれば、プロにもなれるでしょう。
ですので、基本的にはオススメいたしません。素人には難題過ぎます。
が、これはあくまで基本です。
型破りは型を知っていないと出来ません。強引に言い換えれば、型を知っていれば型破りをしてもいいということになります(笑)。
つまり、登場人物を多くするのはタブーということを知っていて、あえて登場人物を多くしている、というのなら問題はないということです。
なぜ多くしてはいけないのか? そのデメリットをどうカバーするのか? そういった対策と技術があるのであれば、使ってみてもいいと思います。
・登場人物が多い小説の書き方のコツ!!
それではどうやって登場人物の多い小説を書けばいいのか、ということについて触れていこうと思います。
自分自身、登場人物が多い小説を書くのは苦手なのですが、少しでも参考になればと思い書かせて頂きます。
あくまでも参考ですのであまり真に受けないようにお願いします(笑)。
先ほど説明したデメリット『読者が覚えられない』という点ですが、これは唯一にして最大の欠点だと自分は思っています。
これは前提として作者が魅力的なキャラクターを大量に生み出すことが出来ないと、出来ることではありません。
魅力的なキャラクターをどうやって生み出すのか……。
すごく難しく、人によっても感性が違います。ですので、一概にどういったキャラクターが魅力的なのかについては語ることが出来ません。これはいずれ気が向いたら別の機会にでも書かせて頂くことにします。
今回は『魅力的なキャラクターがいる』ということを前提に話を進めていこうと思います。
まず、魅力的キャラクターがいるとして、出番がなければそもそも意味がありませんよね?
ネットでよく見かけるのですが、「○○(主人公の名前)は絶対に渡さない!」という台詞をヒロインに喋らせる、というものがあります。これは確かに主人公に好意があるということをすぐに分からせてくれる台詞ですね。しかしだからと言って、似たような台詞をいろんなヒロインに言わせれば、それでハーレム小説が成り立つのかというと少し違います。
出番が出るたびに主人公が好き、主人公が好きと、言い続けても何一つ魅力を感じることは出来ません。
ここで言いたいのは出番とは増やせばいいものではない、ということです。
では、どういった出番を増やせばいいのか?
例としてハーレムを挙げてしまったので、ハーレムで例を挙げますが……。
主人公好き好き小説に決定的に足りないのは、動機だと思います。なぜ主人公が好きなのか。それがハッキリしていないことが多いです。
主人公が強いから、主人公がお金持ちだから、主人公が優しいから。理由は何でもいいです。ただ、その前に“読者が納得できるなら”という一文が入ります。
自分が数は少ないですが市販の小説のハーレムもの?を読んだときに、ほとんどの場合、最初はハーレムではなかったと感じました。ですが、巻数を重ねるごとにいつの間にやらヒロインが主人公を取り合っている、そんなような印象を受けました。
なんでそんなように感じるのか。それは多分、ヒロイン一人一人を深く掘り下げて登場させていったからだと思います。
主人公がヒロインと出会い、面倒ごとに巻き込まれ、解決する。それも一回じゃありません。何回も何回もヒロインを助けてようやく主人公に心を開き、そして主人公に好意を持つ。
そんな風にすれば動機はハッキリして、なぜ主人公のことが好きなのか納得が出来ますよね。そして、ただ登場させて好き好き言わせるよりも印象がずっと深くなると思います。
その上、一つ一つエピソードを交えれば『読者が覚えられない』なんて問題は発生しないじゃないでしょうか?
群像劇も同じです。
面白い群像劇はある人物とある人物が衝突したとき、どっちも応援したくなることが多いです。
それは二人の人物が信念がどちらも理解できるからです。どういう経緯があって衝突しているのか、それが深く描かれていれば少なくとも『読者が覚えられない』ということはないと思います。