工業高校で、創作に必要な文章力をゲットしたお話
短編として投稿したつもりでしたが、間違えました。続きません。
私、公立の工業高校はぜんぶ同じことをしていると思っていました。うちの高校が特殊だったと知ったのは、卒業して十数年たってからです。皆様の高校はどうでしたか?(^^ゞ。
今から30年前、私は工業高校に通っていました。
そこの高校の名物は『レポート地獄!』
2週間ごとに実習レポート提出が義務付け。枚数はレポート用紙で10枚~20枚。
モーターの稼働実験や配線工事etc。実習の結果を教科書や図書室の専門書の知識に照らし合わせ、自分なりの総論を書きます。
実習を担当した教師から合格が出るまで、何度もリテイクされ書き直します。
内容はもちろん、誤字脱字や文法の間違いも細かくチェックされます。
放課後は職員室に生徒たちが日参し、それぞれの教師の前に列をなします。
他の人のは写せません。なぜなら、合格したレポートは先生が取り上げてしまうから。提出日が早いほどレポートの点数も高くなるので、友人に見せる余裕は皆無です。
レポート合格が期日を過ぎると、日数に応じたマイナスポイントがつきます。一定のポイントを超えると留年決定。救済処置はありません。毎年、何人も留年者が出ました。
『大学並みじゃん!』と大卒の友人から、驚かれました。
しかも30年前はまだ一般家庭にパソコンは普及していません。全て手書き!さらにシャープペンシルや鉛筆は使用不可!ボールペンのみ!!
そのため教科書の丸写しは出来ません。実習による結果は毎回変わるからです。手書きなのでコピー&ペーストも出来ません。内容をそのまま書くと手が疲れるので要約する必要があります。ネットもないので、実習ノートと教科書の他にたよりになるのは図書室の書籍です。司書教諭に泣きつき、一緒に資料になる本を探します。
司書教諭(文系)の先生は実習の事はわからないので、欲しい資料の内容を説明する必要もありました。
※実習教諭は資料収集は手伝いません。
もちろんグラフや図も、定規を用い方眼紙に手で書きます。完成間近にグラフの目盛りの数字を間違に気づき、泣く泣く1ページ全部書き直しなんて事もありました。
授業の合間や部活前の僅かな隙間時間。みな机に向かいレポートをガリガリ書いていました。
本当に大変でした。しかし感謝もしています。なぜならこのレポート地獄を生き抜いた卒業生は、文章力が異様に高くなるからです。
全体の構成。要約。結果に至るまでの根拠の記載。資料の集めかたに調べ方。専門用語の使い方。誤読されにくい分かりやすい文章。ひたすら書く胆力。
身につけられたのは、高校時代のレポート作成のお陰です。
最近、受講している小説講座の先生に褒められました。
「修正箇所を指摘すると、あっという間に直しますね。アドバイスされる事すら、嫌がる方が多いのに」
「……慣れてるだけです……」
偏差値は、ちょうど真ん中ぐらいの学校です。卒業後にすぐ就職する生徒が多い高校だったので、ノルマを課せられることに慣れさせるためだったそうです。締め切り厳守も、仕事の期日を守る訓練。卒業してから有難みがわかりました。大手の企業に指定校推薦で入れるので、それ目当てのめちゃくちゃ優秀な生徒もいました。大好きな学校です(*^▽^*)




