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第5話
テストが返却されると、思いもよらぬ結果が待っていた。
「乗山くん、これはどういうこと?」
「おい、乗山! お前、いつも通りの赤点じゃないか!」
志津江ちゃんと江ノ川くんが僕を責める。僕の点数は、わずか26点。いつもみたいな、ひどい点数だったのだ。
「そんなこと、僕に言われても……」
小さくなる僕とは対照的に、なんだか出来吉くんは、ほっと一安心という雰囲気だった。
「そうか。この眼鏡を使っても、本人の実力通りにしかならないのか……」
後日。
出来吉くんが中心になって、色々と試行錯誤した結果、僕たちはついに眼鏡の謎を解明する。
どうやら眼鏡の機能は正解が見えることではなく、ほんの一瞬先の未来が見えること。つまり答案用紙に浮かんできたのは、実際に本人が書き込む答えに過ぎなかったのだ。
(「テストが100点になる眼鏡」完)