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第4話
それから数日後。
国語のテストが始まる前に、僕は出来吉くんと眼鏡を交換。彼の眼鏡で、テストを受けてみたところ……。
「見える! 僕にも見えるぞ!」
思わず叫びたくなったけれど、心の声として留めておく。
それほどの驚きだった。本当に、解答欄に答えが薄らと浮かんでくるのだ。
それも一度に全部見えてくるのでなく、一問目から順番に少しずつ。これならば、答えがわかる順に従って、浮かんできた答えを鉛筆でなぞって書き込めば良い。
しかも、気のせいかもしれないが、浮かんでくる答えの文字は、ちょうど僕の筆跡とよく似ている。だから文字をなぞるのも簡単。
なんだか至れり尽くせりという感じの、すごい親切仕様だった。
テストが終わって、休み時間。
「どうだった?」
「バッチリだったよ! 出来吉くんの言う通り、すごい眼鏡だった!」
志津江ちゃんや江ノ川くんに対して、僕はそう答えるほどだったが……。




