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マッチョ売りの少女

 これは、あたしの身の回りで起こった、本当の出来事です。

 あたしの友達にN崎君(仮)という男の子がいました。このN崎君は、いつの頃からか、身体を熱心に鍛えるようになり、徐々にマッチョになっていったのです。

 思春期にはよくある事ですよね。青春の幻影です。皆さんの周囲にも二、三人はいたのじゃないでうしょか? マッチョになる同級生。

 その頃、巷では『マッチョ売りの少女』という都市伝説が流れていました。暗い街中の裏通りで、マッチョを売り歩く少女が出るというのです。二つ穴の開いた袋を被せられたマッチョが、鎖に繋がれ、少女に引かれ、売られている。

 そんな話があったものですから、あたしはN崎君に、ほんの軽い気持ちで、こんな事を言ってみたのです。

 「そんなに身体を鍛えてたら、『マッチョ売りの少女』に売られちゃうわよー」

 ……もちろん、単なる冗談のつもりでした。


 しかし、それから数日後です。N崎君は行方不明になってしまったのです。持っているはずの携帯電話に連絡してみても、出ない。

 ただ、実は、皆には秘密にしてあるのですが、一度だけ、N崎君から電話がかかって来た事があったのです。ですが、それがとても信じられない内容で、あたしはそれを誰にも話せなかったのです。N崎君は電話をかけてきはしたものの、一言も喋らないで、あたしが幾ら問い掛けても何も返してはくれませんでした。そして、耳をすますと、向こう側からは、鎖の擦れる音と、「マッチョは、マッチョは、いりませんか?」という少女の声が。


 もしも、行方不明になったマッチョが、あなたの近くにいたのなら『マッチョ売りの少女』に売られているかもしれません。

なかやま●●●君 とか、売られてそうですね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 拝読しました。タイトルからもう惹かれてしまいました!何を売るかと思いきやマッチョをそのまま…少女本人が出てくるのも読んでみたいとつい思いました。ところで、需要はあるんでしょうか、マッチョ。雪…
[一言] やられました! タイトルを見た瞬間から腹筋が釣りそうです。 久々にニヤケ顔が治まりません。 また、期待してます。
[一言] 消えるマッスルの謎ですね。マッチョ売りの少女も実はマッチョだったりして……最近身体鍛え始めたから狙われるかも!
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