転生するときに、前世のスキルを持ったままって普通にチートでしょ。
下校直前、俺は見てしまった。
しかし誰に告白しているんだ。
よく見えないな。
「っえ!!」
俺の名前は田中雅之。俺の通っている高校はとても小さい。なんと2クラスしかないのだ。
そこで残念なお知らせだ。まだ入学して二か月しかたってないのに、いま俺のまえで弁当を食べているこいつ。そう、田崎望は学年の女子全員に告白したらしい。そして全員に振られたらしい。
ああ、残念だ。
なんで俺の前の席がこいつなのか。なぜこんな変人だと気付かなかったんだろう。なぜこんな奴の話を聞かなければいけないんだろう。なんで友達になってしまったんだろう。
誰か一人くらい付き合ってやれよ。愚痴を聞かなきゃいけないの俺だぞ。絶対女子全員グルでのぞむのことを面白がってるだろ。まあ、のぞむは馬鹿だからそんなことには気づかないだろうけど。
「なあ、まさやん。もうこの学校で付き合ってくれる女子いなくなっちゃったよ。」
「頼むからその気持ち悪い呼び方やめてくれないか。」
「話聞いてよ。」
「それはこっちのセリフなんだけどな。それより、のぞむは告った女子の名前と顔全員覚えてんのか。」
「もちろん。そんなこと忘れるわけないじゃん。血液型と誕生日も覚えているよ。」
バカだ。わかっていたけどこいつはバカだ。俺はクラスの女子の顔なんか3人くらいしか覚えてないぞ。そんなに人のことを覚えているんなら。社会で赤点をとるなよ。脳みその使うTPO間違えているぞ。
「そんなに女子と付き合いたいならモテそうな部活に入れよ。なんで帰宅部なんだよ。」
「そんなんきまってるじゃん。」
何がだ
「放課後は女の子とラブラブデートをするんだよ。」
「もうお前はそのあてないだろう。」
「あっ、もうそろそろ次の授業の用意しなくちゃ。」
「話変えんなよ。まあ、続きは放課後だな。」
「あいつ遅いな。探しに行くか。どーせ中庭だろ。」
「っえ!!」
とうとうあいつも壊れたか。まあ、あいつは病名告白したい病だからな。でもさすがにそれはないぞ。望よ。
「かわいい君のことが好きなんだ。付き合ってくれ。」
普通告白は「前から」が入ると思うんだが。
「さっきから言ってるけど。ボク、そういう嗜好ないから。もう女がいないからって、しつこいよ。」
なんかあいつが哀れに思えてきたよ。女子がいないからって、放課後に中庭でかわいい系男子に告白するなんて。
これは声をかけるべきか、それとも縁を切るかの二択だな。
『リア充を発見しました。直ちに別世界に転移させます。』
その声が聞こえた瞬間俺たち3人は真っ白なところにいた。
読んでくれてありがとうございます。
不定期投稿になりますが、是非次話も読んでください。