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詩集「第八集」

創作詩集 第八集



********


友情賛歌

作詞:たけぼんだぬき




晩春近き 昼下がり


雨降る 音も優しくて


道路を濡らす 日曜日


心澄みて 譜面読む


メロディ流れ 音を採る


リズムは 甘く


豊かに 柔らかく


包む 旋律 心地よし



音符の 流れ


川のごとく ゆるやかに


我が心を 満たさん


青春の歌 輝く旋律


間断なき その調べ


懐かしき 思い出


共に 流れたり



友との別れ


悲しけれど


何処に 住むとも


友情の きずな深く


生涯の 支えを君に


見つけたり


流れるメロディ


合唱し 歌いし曲は


森ケ崎 ギターつま弾き


歌わんと とりて 歌えど


我 一人 君と歌えば


和まなん


雨の音に 吸い込まれ


消え行く 寂しさ


今 ありと


どうしているかと


想像す


譜面の音符に


思いおき


道路に 流れる涙にも


川に流れて 君が元


音符と共に 届けよと


心に込めて 歌うなら


友情思い 届くと信ず



春の休日 雨の日は


友情培う 日々思う


君よ 達者で元気でいろと


声を限りに 歌う詩


雨音 静かに耳澄ませ


心豊かに 歌を聞く


ああ 一人歌うも


尚 寂し


肩組み 共に 歌いたし


友情 君と育てたし


春の一日 今この時を


楽しみ 語り 歌わんか


空は 曇りて 悲しげに


空に向って くちづさみ


心を 晴らし 今日を生く



********


旧借家跡に思う

作詞:たけぼんだぬき



古びた民家あり


放置されし


時の流れ


空き家となりて


幾年過ぎし


庭の草木荒れ


柱 朽ち


玄関 引き戸の


硝子割れ


崩れし 樋の


あちこちに


苔むし 寂しく


佇みたり



過ぎ去る時の


哀れかな


過ぎる時間の


無情かな



父若かりし頃


住みし 借家の


なれの果て


中学時代の


一時期を


過ごせし 頃を


思い出す


庭に見ゆる


一本の鉛筆


見つけ


手に取れば


ぼろぼろに


崩れて そこに


散らばれり


悲しく あの日を


思い出す


亡き父耕し


育てた 野菜


我がいのち 繋ぎ


今 こうして


生き延びん


古きあばら家


跡形も 哀れに見えて


涙 落つ


元気な父の働く姿


瞼に 浮かんで


消え去りぬ


遠き昔の 思い出に


あの日の太陽 燦燦と


わが身に ふりて


初夏の 昼下がり


思えば あの日


時過ぎれども


昨日のように


よみがえる


父の教えし 教訓を


また新たに 思い出す




「人 生まれし時


心は 始め角多き姿で


この世に


いのち受く


人の流れに


もまれ もまれて


角の取れた 人となる」




味わい深き 言葉かな


我が心 まだ 角あり


未熟ゆえ 磨く道は


人の中


もまれ もまれて


光輝く 己心 出ず


長き人生 まだ半ば


父の汗 光に照らされ


美しく 今も記憶に


はっきりと 


旧 借家跡


一人佇み 日が暮れる


********


願い 深く



作詞:たけぼんだぬき




皐月半ば 過ぎて


時を 習う


思い深くして


空に 想う


病得てより


一年が過ぎ


病気以前に


戻らず 悔しき


思いのみ つのる


脳下垂体腫瘍


良性なれば


とれば終わりと


安易に考えた


小生の未熟さか


同病室の青年も


同様の病


彼の腫瘍は私の倍


にまで大きくなり


一部の視力を失う


会社も退社し


専門学校への


道に進む。


若き青年の将来すら


危うき時代なり


我の求むる道は


何処へ向うべき


人の役に立ちたい


一念のみ強けれど


それのみでは生きて


いけず


あらゆる課題に


結論を出すべき時期


来れり


生の道 死の道


動の道 静の道


明の道 暗の道


何れの道も


己が次第


生き残りしわが身


最後まで 生きたし


ぶさまな醜態を


晒そうとも


生きたし


行き続けたし


******


海はるか


雲に隠れて 空暗し



雲のムコウ輝いて



蒼さを消し


くろずみ


悲しさ心に満ちる


今 丸亀港に佇みて


寂しさに 包まれん



ある老婆 港に


働く その姿


また味わい深く


強し



我を見て 微笑み


我も 微笑み返す



もうすぐ あめがふるで


ぬれんうちに かえりや



優しき声に 嬉しさわく


うん ありがとう


逞しき 老婆の姿


瀬戸の海に 似合う


海のにおいを 嗅ぎに来たんや


そういうと



老婆は にやっと笑い返し


変わった おっちゃんやのう


あはは と笑った



病の事 気分が優れぬ事


様々な事がある度に


丸亀の港へ来る



海の香りが 気持ちを和ませる


綺麗な海ではない


漁港だから


海岸線の砂浜もない


不思議に思うのだろう




それでも 港が好きだ


人が小さな漁船で


瀬戸海の自然に乗り出す


母なる港 人々がひっそりと


寄り添って 海の幸を頼りに


生きる そんな港が


僕は 大好きなのだ




風があるから 船は揺れている


小さな小船は 自然の前に


枯葉の如く 舞い踊る



力強い 海に


こんな小さな船で乗り出し


幸を求める



人々の何と力強き事か


何と勇敢な事か



瀬戸海は太平洋に繋がり


全世界へ繋がる


海は 何と広大な事か


暗き空と海が交わる


水平線を思い浮かべる


見渡す限り 何も見えない


海と空の水平線




心に満ちる 豊かさを


今日もこうして感じている


海のはるか 彼方に


僕の安らぎがあるのだ


海 はるかなり


海 広大なり


海 豊かなり



今日も こうして


生きられた


******


瀬戸の夕景

作詞:たけぼんだぬき





曇りの空に 横たわる瀬戸海


かかる 橋は 瀬戸大橋


点滅する 鉄柱のライトが


夕景に映える


そこに行き交う 貨物船舶の姿も


また美しい


春霞みの 中に 浮かび上がる


島々の姿が 何故か愛おしく


懐かしく 思えてくる


瀬戸に 生まれて 良かったと


思える瞬間



友の思いは 如何なるものだった


のだろうか。


仕事の帰り道は 大きな遠回りだった


友情と 自然の美しさを


満喫できる 一時



瀬戸海は のどかに ひっそりと


しかし厳然と 曇り空の中


横たわっていた



私は やはり瀬戸内海が


一番好きなのだ


都会で過ごした12年間


それよりも 多くの期間を


この海や 四国の山々に


守られて育ってきた



瀬戸の夕景は 静寂の


夕闇に包まれて


その姿を隠そうとしている


穏やかな 私の心のように


ゆっくりと


*******


優しさに 包まれて

作詞:たけぼんだぬき




私は 今日もこうして


生きてこられたよ


地球の寿命から


見れば ほんの一瞬


でも 一日の素晴らしさを


こんなに いっぱい


浴びるほど 受けた事は


なかった


毎日が 曇り空のようで


霞がかかったようだった


今日一日の わずかな時間


だけれど 花火の光のように


いっぱい輝いて 美しく


過ごせた 私の時間


優しく 見守ってくれる


多くの友情が


この花火を 僕に見せてくれたんだ


こんなに 優しさに包まれている事が


僕には 怖くなるほど


すごい事だったんだよ。


あなたにとっては


何でもない事だったのかも


知れないけれど


暗闇の中で蠢く自分の姿が


情けなくて 悲しくて


仕方なかったのに


僕は 嬉しさの余り


涙が 頬を伝わるのを


感じていた


優しさの 真ん中に


今 僕はいるんだね。


いいのかな


このままでも


それともあまりの


辛さに 見た 甘夢?


ホッペを捻って見たよ


夢じゃないんだね


素敵な一日を


全ての人に


ありがとうと


言わせて欲しい


優しさに 包まれて


僕は今を生きている


*******


雨の国道

作詞:たけぼんだぬき




濡れる道路に


雨音が寂しくて


気分も滅入る


空にどんよりと


漂う雲が 心を


切なくさせる


ブレーキーランプの


光が妙に 眩しくて


目にしみこむ様だ


友の話が 車中の


暗さを打ち消すように


笑顔と笑いであふれている


心かよう 友はありがたい


来月は 満濃池でユル抜き


もうすぐ田植えの季節


農家ではもう 準備が


始まっている


休耕田が増えている


何か寂しさを


感じる


田んぼの雑草が


雨に打たれて


悲しそう


大地のめぐみを


人が受けて生きているのに


遊ばせるのは 勿体無い


雨に濡れる国道の


路面がきらきらと


車のライトに照らされて


哀愁帯びる


今日の道


明日は心も 空も


すっきりと 晴れて


くれよと 願うのみ


友と走る 国道の


思いよ 空へ届けよと


雨中の車は進み行く


******


雲 輝いて

作詞:たけぼんだぬき


雲に隠れた 太陽が


雲を きらきら


輝かせる


素敵な青空が


雲の合間から


見えている


爽やかな朝の空


空気は澄み渡り


気持ちのよい


お天気だ


讃岐富士の勇姿が


私をあたたかく


見守っている


こうして自然を


眺めていると


私は とっても


幸せな気分に


浸る事が出来るんだ


病 癒えぬ故か


すっきりとした


空が 僕は大好きだ


時が過ぎていく


感覚ですら


至福を感じて


いられるから


絶え間なく


過ぎ去る日々の中


刹那の喜びが


私を包む


生きていて


よかった


こうして


自然を眺められる


自分が 嬉しい


生に感謝


ありがとう


*********


笑えれば それで幸せ

副題:笑神降臨(ドランクドラゴンを見て)

作詞:たけぼんだぬき




すべからく 世の中は


楽しく 生きられる人が


一番の 幸せ者


笑いは 人を長生きさせる


苦しいからこそ もっと


笑えれば いいのだろう


難しい事を考えずに


どんな小さな事でも


ああ ありがたいなと


思えれば 自然と笑顔が


こぼれてくる




幸せって 遠くにあるんじゃ


ないのかも知れない


僕の 君の 足もとに


そっと あるもの


気がつかずに 通り過ぎて


行き過ぎてしまわないように




幸せは 笑顔が大好きなんだよ


きっとね


だから 笑顔があふれている


人の元へ 幸せは寄って行くんだ




笑顔の君は 周りの人々にも


笑顔を与えていけるんだ




悲しんでいる時は


幸せが逃げていってしまうんだ


辛くても 悲しくても


笑って生きられる


強い自分に なりたい




いつも笑顔を振りまいて


生きていける人生は


とっても素晴らしいこと




君と 僕とで


笑いのコラボができると


いいね。


今日の空のように


すかっと晴れた


気持ちのよい


笑いを 今この時に


もてれば きっと


君も僕も


とっても幸せなんだ




笑いが 幸せを


呼び寄せるように


君と僕にも


幸せがあふれるように




笑顔を絶やさず


生きていこう


いつまでも


*******


夜の灯火

作詞:たけぼんだぬき





人生の 昼と夜を


歩きながら 生きていく



共に歩く人はいない



道すがら 出会う人々の


優しさという 糧を支えに


ここまで生きてきた



疲れ果てて 倒れた事もあった


楽しくて 笑いながら 歩いた


道もあった



色んな人と そして風景と


出会いと 人情に触れて


少しは私も 人生の機微という


ものが少しだけ見えてきた



そんな気がする。



人を利用する事よりも


人と共に生きる大切さを


この歳になって少しだけ


分かった気がする



優しさも沢山触れてきた


自分が人にしてあげた


優しさなど一度もないのに


どういうわけか 人から


沢山の優しさと 助けを


もらって こうして


生きてこられた。




恩返しをしていけば、


僕の一生では返せない程だ



みんな優しすぎる




そう思う自分がいる



特に病を得てからは


本当の友人と 


利害で繋がっていた


人とが はっきりと


わかれた




形式だけで付き合っていた


人々は あっという間に


目の前から消え去った




体調が悪い時に 訊ねてきた


友人に 気分が悪かったから


悪口を 言ってしまった



しばらく 彼は訊ねて来なかった



僕の本音は


もうこんな人間と付き合うな


という意味を含んで投げかけた


悪口だった




でも 彼は僕の体調を心配して


くれていた



一ヵ月後 調子はどうだと


メールで送ってきた



悪口を言った手前


もう彼は 僕から離れた


いや 離れて欲しかった



本音はそうだ



でも彼はそうしなかった



今では 彼になら


何でも話せる 本音の付き合いが


できる友人となった



人は 一人で生きていけない


ものなのだと 感じている



愛する人や 家族 友人


人生の夜の灯火なのだ



暗ければ暗いほど


その灯火が とっても


ありがたく見えるのだ



今日の闇夜も


心配してくれる 仲間たち


の多くの灯火に 道を歩んで


いけるんだ



こうして 生きられる自分は



本当に幸せ者だな



全てに ありがとう


*******


霞む 山を見て

作詞:たけぼんだぬき


副題:核実験への怒りを込めて



讃岐の大地 雨にぬれ


霞みがかり 山侘びし


春の一時 我佇み


山を見る


晴れた朝には見える


真っ青な空も


今はなし


雨を含んだ雲は


どうしてこんなに


寂しい色をしている


んだろう


まるで悲しさを含んだ


私の心のように


悲しそうな顔をしている


山はいつも楽しそうなのに


今日の顔は空と同じ悲しみを


帯びてそこに佇んでいる


田植えを待つ田んぼは綺麗に


整地されて地上に降り注ぐ


悲しみを受け止めている


大地も 空も 私も


漂う 空気でさえ


侘しさを たもち


私を尚一層 物思いに


引き摺りこんでいく


笑顔の 太陽よ


慈愛を持って


この大地に豊かな


芽ぐみを 与えたまえ


人々の心にも


豊かな いのちを


蘇らせ 生命の


息吹を 与えたまえ


霞の 向こうに


幸せが 満ちているように


私は 山を見上げている


願い求めている


未だ 晴れぬ 心の闇を


豊かな力で 混沌の闇を


晴らしたまえ


空よ 雲よ 山よ 大地よ


私の愛すべき 国土よ


慈雨に打たれ


横たわる君たちよ


我に 笑顔を


永久に 幸いを


全地球の いのちに


その富を与えたまえ


平和の 鐘を 


打ち鳴らしたまえ


原爆で 保たれる


平和など 欲しくもない


我が儘な 指導者など


私には不要だ


それよりも


争いのない 豊かな


心と 広大な いのちを


持った指導者が


今の時代をリードしゆく


そんな国土になって欲しい


人だけが 人を殺す


動物たちは わが身を


活かす為に 獲物を食らう


人は 名誉や 人権や


他愛もない 誇りの為に


人を 殺すのだ


なんという 愚かな


なんという 哀れな


なんという 虚しい


過去の戦争も 国という


プライドの為に 互いに


殺戮を繰り返してきた


太平洋戦争で亡くなった


日本人戦没者は300万人


をゆうに超える


戦争は プライドと


欲望と 自己顕示欲


の象徴だ


もうやめよう。


何度 叫んでも


同じ過ちを また


繰り返すのか


今日の霞んだ山のよに


僕の心は 虚しいのだ


平穏と 和む いのちが


平和を生み出すのだ


世界中から 原爆 水爆を


無くさぬ限り 人は


自らの文明を 滅ぼすだろう


今のこの時を 生きている


私には どうすることも


出来ないのか


虚しさ故の ため息か


一人より 二人へ


二人より三人へ


そうして広げれば


この大地にも 真の平和が


訪れるだろう


黙って佇む讃岐富士は


無言ゆえの 威厳を放つ


霞もうが 晴れようが


我が信念でそこに立つ


偉大なる大自然よ


我を包みたまえ


慈愛に満ちたその


腕で 温かく包んで欲しい


空に降る慈愛の雨よ


我を 静かに見守って


霞の彼方に 希望という


虹を見せたまえ


晴れ渡る大地に豊かに稲を


平和という稲をたわわに


実らせよ


田植えの時期がやってきた


讃岐の大地に 豊かな糧を


豊かな いのちの喜びを


与えたまえと 願って止まぬ


春の終わりに 雨が降る


讃岐の大地に 雨が降る


*********


今宵も更けて 見た夢は

作詞:たけぼんだぬき





春の一夜 静寂の中


只虚しく 掛け時計の音


正確に 刻む リズム


その正確さゆえ


哀愁を感じる 一夜


眠りのその中に


君の夢を 見る


寝苦しくて 苦しくて


汗をかいて 目を覚ます


知らぬ間に 机にもたれて


眠っていた


枕にしていた 腕は 痺れて


指先の感覚も 薄れている


小一時間程 眠ったのだろうか


耳に入る音は 時計の刻む音だけだ


かけていたCDも 終って沈黙を


保っている


再生釦を 押すほど


聞きたいと 思わない


夢に現れた 君の姿を


思い出そうと努力する


白いワンピースに


ピンクのネックレス


髪留めの 大きなヘアーピンが


ブルーに光って 僕の記憶の中に


鮮明に見えていた


夢だと思うまでの わずかな時間


僕は青年に 戻っていた


時は確実に 過ぎているのに


すぐに 現実に戻った時


頬を 涙が伝わった


春のうつつの 夢幻


時の独楽は 鮮やかな


色を混ぜて 夢を飾るけれど


とまった 独楽は


転がり落ちるだけ


一時心が安らいだ


何故って 君と会えたからさ


眩しい程に 輝いていた


また逢おうね  夢でさ


*****


自分を見つめる季節

作詞:たけぼんだぬき





皐月は 皐月病と言われる


心の病がある


何故一年の内でこの時期


なのだろう


何故自分を見つめる時期が


人にはあるのだろう


がむしゃらに生きている


人間には皐月病はない


生きている事に必死に


なっているからだという


本当にそうなのだろうか


僕は がむしゃらに生きてきた


時期に自分に問いかける


時間は 普通に生きてきた


時期よりも 多くあった


ような気がする。


忙しければ 忙しいほど


心の隅に 不安と焦燥とが


あって 眠る前等に


目まぐるしく 心の中を


駆け抜けたものだった


眠れなくなるほどに・・


人は本来 そういう感情の


生物なのかもしれぬ


一番自分を苦しめたのは


焦りだ


時が過ぎていくのに


自分は 毎日変らずに


生きている


そんな感覚が胸を占めていく


働いて その分の 報酬を


受けている


だから 何の文句も苦情も


言える立場ではないのだが


お金という代償に対する


報酬が多くても満たされなくても


胸にある焦りは変わらなかった


一年の過ぎ行く時間の中で


五月だけ そんな思いが


強くなり 自分を見つめる


時間が増えていく


そんな風に感じるのは


今年だけではない


この感覚は 私一人の


ものなのか


人に聞いたこともないから


分からないけれど


友人の一人は


全く私と同じ感覚を


持ち合わせていた。


一年という時の中で


何故 この季節 否


皐月だけ そうなのだろうか


今の私もまた


自分を見つめる時間が多く


なっている。


昔ほど悩む事はなくなった


自分の気持ちの対処法を


これまでの人生から


学んできたからだ


だけどそれは


根本の解決にはつながらず


こんな気持ちも ある時期が


過ぎれば小さな問題へと


変化していく


消え去るわけではない


ただ 大きなテーマとして


自分が向き合わなくなるだけだ


不思議な 月だね 皐月ってさ


こう感じながら 今を生きている


何の変わった事も なかったかのような


顔をして 過ごしている


これが 経験を重ねるという


意味なのだろうか


虚しいものだね。


経験豊富という事はさ・・・


この感覚が悟るという事なのかな


吾に心を従わせる


悟るか・・・


なるほどね


人生の機微をもっと 表現できたら


きっとこんな悔しい思いは


しなくてよいのかも知れない


文字を書き連ね 心のひだを


一本 一本的確に鮮明に


書き連ねても 心を表わした


事には つながらない


このもどかしさを


持ちながら また今日も


こうしてポエムを


書き続けていくのだろう


求めても 求めても


たどり着けない 心の旅


それでも 僕は 書き続ける


自分が 欲する 道だから


苦しみの中から 文字が


浮かんでくるように


大地の 地平線から


心という 太陽が赤々と


輝きながら あらわれるまで


僕は 歩き続けるんだ


一人の この道を


****


壮大な空間の 巨大な星

作詞:たけぼんだぬき



時空間を超えるその向こうに


何もない 暗闇から


ある時間のある場所に


突然巨大な光を放ち


あらわれる 星たち


無限に広がる 生命の脈動


塵芥 集め 光もち


人の持つ小さな時計を


はるか超えた 膨大な


宇宙という 時計


少私 これ 存在すら


無意味なり


超新星爆発し その空間


広がること 千年


未だ その広がりを止めず


はるか 広大なる宇宙を


満たせども 宇宙のひろがり


その規模 まだまだ 無限に


広く一点の穴より小さし


人の心 またしかなり


小さき ムクロ


収まらず いのち


宇宙にまで広がりたり


宇宙を見るに


無 また有


有 また無


無き所より 発し


有となり 有より


無 生まれ


有 無 これこん然と


一体なりや


かに座 爆発後の残骸


高速に 宇宙に広がり


留まることなし


壮大なる 宇宙の神秘


人の思考を超える


我 ここにありて


かく 思う


人のはかりがたき


大きさを ここに見る


壮大なり 広大なり


今 ここに生きる


確率 いかばかりかと


小数点 何個並べても


これに答える術を知らず


いのちの 重さ 尊さ


尺する 事 あたわず


この星に生まれたる事


ありがたし


母の恩 父の恩


家族の恩 かくの如く


大きく深し


********


旅の空を 眺めながら

作詞:たけぼんだぬき




悲しみに くれながら


ここまで 歩いてきた 


小さな 花たちが


僕を やさしく


つつんでくれたよ


坂道の 途中には


お遍路の 老婆の姿


腰につけた お守りが


紫色に 光る


杖の先で なりわたる


小さな 鈴の音が


チリン チリンと


杜の 木立を抜けて


私の 耳に 涼やかな


風を 運んでくる



傷ついた 私の心


目の前に 広がる


道が 優しく撫でる




海に沿った この道も


潮風が 涙で濡れた


いのちさえ そっと


そっと 慰めてくれた




旅の途中の 小さな森が


旅に疲れた 私の身体を


包み込み 


優しく 癒してくれた




朝の日差しも 今日を寿ぎ


喜びの 笑顔で


私を 和ませる




大地 はるか


歩く 旅の途中での事


優しき 人々の


思いが 私を助けた



人生 只この道を


ひたすら 歩ければ


それだけで 私は


永遠に 幸せ




転がり落ちた 人生の道


傷ついた 身体を休め


横たわる その傍らに


あおき 草のにおい




旅立って もう幾年か


空を仰ぎ見る


飛び交う あの鳥たちが


私を いたわるよに


真っ青な空に 舞う




今日もまた 一日


生き延びられた


このいのちに 感謝しながら


足の痛みも 心の痛みも


川のせせらぎが 安らぎをくれた




遠く離れし 我が故郷


旅の空は あの懐かしき


町や 山や 海に 繋がり


今日の 癒しの場に


身を 横たえる



旅の果てに 人々の


温かき 人情に触れ


私は 今日も生きる




疲れた 身体を


引き摺りながら





ああ 楽しき人生


全ての いのちあるもの


全ての 人々に


ありがとう の言葉を


贈りたい


********


休日の昼下がり

作詞:たけぼんだぬき




皐月の曇り空を眺めながら


時がゆっくりと過ぎていく


そんな昼下がり


縁側に 一人 隣家の庭に


可憐に咲いた 一輪の花が


空に向って語りかけている


私も 仲間に入りたいのだが


入り込む余地はない


私も空を見あげてみる


そういえばこの所


下ばかりを見て


生きてきたようだ


空が好きで 空ばかり


写真におさめてきたが


ゆっくりと眺める時間等


私に あったのだろうか


空と語り合う事など


そんなに無かった気がする


ただ 目の前の通り過ぎる


時間だけが 私の生きてきた


実感だから


今にも壊れそうな


心の器が パンっと


音がして 弾け飛べば


それだけで もう


私の悩みも苦しみも


消えてなくなれば


いいんだけれど



これまで 気ままに


思ったとおりに生きてきた


報いなのか


どうにも ならぬ


この身の もどかしさ


今日もまた ゆっくりと


時間は過ぎ 何事もなかった


顔をして 終っていくのだろう



病 癒えるその日まで


このもどかしさが


私を離れる事はないのだろう



こんなじれったい毎日の


繰り返しが 私の今の


一日なのだ


いつになったら


人の役に立てる自分に


戻れるのだろう


生きている 証を


感じられるのだろう


毎日を それだけを


願って生きる 今の私


過ぎ去る時は 今日も


同じ顔をして 


知らん振りして


通り過ぎていきやがる


私の人生とは 無関係の


ような 顔をして


*******


流れ去る 音を

作詞:たけぼんだぬき




頭の中に 流れていく


音の つながりは


脳のひだから 湧いている


だけど 口ずさむ時


違ったものに


姿を変える




違うんだ


そうじゃないんだ


僕のここに


流れている音律は


そんなものじゃない




私は いつも苦悩する




録音して 聞いていると


全て 違っているんだ


一度だって イコールに


なったことがない




音が 旋律に変わり


旋律が メロディに


そして音符に


この流れすら


自分の意識する


世界から


離れていくんだ




こうなんだって


何度も感じるけれど


それを 流れ出る


せせらぎのように


受け止めて


小さな小川に流して


悪戦苦闘の 山々を


くぐり抜けて


歌は生まれてくる




でも それが一度


人の耳に入ると


私の意識とは


無関係に姿を 変えて


流れていく




僕は ギターが 好きだ


たった 六本の金属で出来た


糸が 震えて奏でる旋律は


どんな音色よりも


私の 原風景に マッチするから


素朴で 露わで それでいて


臆面もない




そんな 音楽が


私の原音なのだ




侘しさも 悲しみも


楽しみも 優雅さも


全てを つつんで


流れていくからだ




あの 山や 小川を


絶え間なく 流れ去る


流麗な 美しさは




ギターの 音色に


ぴったりとあう





壮絶なる 激しさも


僕は大好きだ




今日も 脳のヒダから


溢れ出る その音は


私を 楽しくさせる




きっとそれが


私自身であるからだろう




止め処なく流れ出る


その音に 私の苦痛は


和らげられ 安堵感さえ


与えてくれる




たった 1Hzの違いでも


嫌なのだ


音楽を 愛してしまった


私の 宿命なのだ




今日も流れて 消えていく


書き留める 暇もない



捉えられぬ この音が


私を 喜ばせてくれている




きっといつまでも


多分 私が死んだ後も


流れているのだろう




広大な 宇宙の狭間で


永遠に・・・


******


夕日の坂道で

作詞:たけぼんだぬき



夕日のあたる あの坂道で


君と歩いた あの日の夕暮れ


語らう言葉は 他愛もない事


ギターケースを提げた 二人の


背中に 真っ赤に輝く 太陽が


道の傍らに 小さな白い子犬が


僕らの方を抱いて欲しそうに


潤んだ目で見つめていたね。



君は僕に ギターケースを


あずけると 子犬の方に


歩いていく


くんくん と可愛い声で


君に尻尾を振って その場で


飛び跳ねている


君の笑顔が まるで 宝石箱を


あけた様に眩しく 見えていた


優しく抱き上げた 子犬は


嬉しそうに尻尾をくるんくるんと


廻しながら 君の顔を舐めていた



可愛いね と言った君は僕に


向って 子犬を渡そうとする


両手のふさがった僕には子犬を


受け取る事が出来なくて


そこにギターケースを


並べておいた


ちっちゃな いのちは


僕の手の中で いっぱいの


温かさをくれたんだ


あの日の夕日は


刹那の 二人だけの幸せを


見守ってくれていたっけ


あの子犬は あの時


僕立ち二人に 温もりを


教えてくれたんだ


いのちという名の


大切な温もりを・・・


*******


悲しまないで

作詞:たけぼんだぬき




始めが 終わりのスタートだから


どんな素晴らしい 物語りも


読み始めていけば 終わりが来る


歌も歌い始めれば エンディングがある


物事は いつもそんな


悲しみと 憂いを抱いて


始まるものだ




恋も 出会いがあって


別れがある。



なんて悲しい 物語



愛する 人との別れほど


悲しいものはない



深く愛すれば 愛するほど


別れの瞬間の 侘しさ 切なさは


大きな 心の痛手となるんだ



だけど それがまた一つ


自分を大きくする原因にもなる


あなたを愛した自分を


誇りに思えれば


それはきっと 本当の愛



愛は 与えられるものではなく


与えるものでもない


互いが 求め合う中にしか


本当の愛はないのだから



人生に いなくてはならない


そんな人だから 僕はあなたを


愛してきたんだ



あなたに 愛を求めた事は


一度だってなかった



ただあなたの 姿を


見ていられれば それでよかった



そこに ある


ほら そこに



いつも あなたの笑顔が 瞳が


いのちが 言葉が


そこにあれば 良かったんだ



もう過ぎ去っていった


流麗な 汽車のように


あなたは どこかへ


行ってしまった



もう その姿も 笑顔も


その透き通る瞳も


見る事は出来ないけれど


あなたを愛した事だけは


私の心の 大切な


宝物だ



別れるのなら 出会わなければ


良かったと いう人がいる



私は そうは 思わない


別れを 感じているから


別れがある



離れていると思うから


離れてしまう



いつも私の側にいて


私を見守ってくれている


そう 私は信じよう



夜の闇の中に その姿を


見失って 泣いている


幼子になりたくないから



これからも そして今も


あなたは そこにいる


いいえ ここにいる



だから僕は


こうして 生きていける


今を信じて 生きていける



そこの君も 悲しまないで


笑顔を見せて


涙が 枯れるまで


泣き尽くしたら


笑顔を見せて



あなたの 大切な人の為に


そして あなたの為に


笑顔で 今を生きていこうよ


*****


160の 心を詩って

作詞:たけぼんだぬき


副題:160作目を思う詩




4ヶ月間 心を精一杯


謡ってきたんだ


様々に 変化する


心の 色彩を


僕は 詩に託してね


だけど どれ一つとして


僕の 心を 欠ける事なく


現した 詩はない


それは 心のある一面のヒダ


それだけを 詠ってきただけ


まるで 真っ暗な 暗闇から


小さく空いた 穴を覗いて


壮大な 宇宙を


眺めているようなもの


一瞬 一瞬移り行く


心の 変化は


どんな言葉を尽くしても


語りきれないんだ


160もの 詩が


僕の全てなのかも知れないな


どれが本当なのか


全て 嘘だといえば 嘘


全て 真実だといえば 真実


心って そういうものなのだろう


沢山の言葉が 鎖のように


繋がって 私の心に


絡まっている


解いて見れば 一筋の糸


糸の端は 見れないんだ


それが 私の 言の葉


ポエム 詩


これから ずっと


私は 糸の端っこを


探し続ける


心に繋がる 糸の端を


摘まんで 引っ張りあげるんだ


そうすれば きっと


私の心と 詩が 真実になる


いつまで 続くのだろう


この長い 長い 糸の端を


捜し求める 旅は・・・


私には 分からない


心から 湧き出る 言の葉が


繋がっていのちから湧き出ている


こんな小さな いのちの


何処に 一体 こんなに


言葉が ちりばめられているのだろう


僕には わからない


次は 170


180


190


200


と言の葉は続いていく


限りなく永遠にさえ思えてくる


私の いのち


言の葉


そして 詩


湧き出る 言の葉よ


君は 何処から来て


何処まで いくのだ


私に 教えてくれないか


その答えをさ・・・


*********


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