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詩集「第五集」

2009-04-18 「青年 それは」「傷ついた あなたの心」

      「優しく降るはずの 春の雨」「東に棚引く 雲ありて」追加

2009-04-19 「中庭にある幸せ」追加


初夏の志賀高原

作詩:たけぼんだぬき



もうあれから何年過ぎたのだろう


ギターアンサンブルの合宿で行った


志賀高原 丸池温泉 君と時間を見つけては


付近を探索していたね。


素敵な森 その先にひっそりと佇む池


その日差しは緩やかに僕たちを包み


君との会話はまるで 童話のように


僕の心に残っている


合宿はきつかった。


朝から晩まで練習付け


秋の大学対抗アンサンブルコンクール


に向けての合宿だった。


お金のかかるクラブでもあったなあ。


合宿は8月初旬から末まで


練習付けの毎日


僕はセカンドギターだったから


ハーモニーをやかましく言われたっけ


君はいつも中心でファーストギター


そしてソロ


僕のギターは練習用に買った


安いギターだった。


君のはすごいいいギターだったね。


もう鳴らした瞬間に心に飛び込んでくる


そんなギターだったっけ。


僕もあのギター欲しくて


仕方なったけど 58万じゃ買えもしない


いっぱい君の周りには先輩や同僚も


集まって楽しそうだった。


そう初めて二人で話したのも


そこでだったね。


こっそり練習抜けて森へいって


君の手をひっぱって池まで行ったんだった


あの時強引過ぎたって思って


後で謝ったら 別に大丈夫だよ


私もあなたと話したかったから


そういってくれた。


その言葉で僕は救われた。


それから一年後僕の部屋で始めて結ばれた


君を幸せに出来なかった事だけが心残り


その10年後君はこの世からいなくなった


あの日に僕が手を引かなかったらなんて


考えていた時期ももう遠い過去の事になった


アルハンブラの思い出が君の一番好きな曲


懐かしく今CDから流れてきているよ。


君のほうが上手かったと感じながら


久々に恋のときめきを感じている


志賀高原の森の香りが部屋に漂っている


そんな風に感じながら


------------------------

スカボロー・フェアのかかった喫茶店で

作詩:たけぼんだぬき



授業が終って、仲の良いメンバーが


集まると、いつもいく店


大学前の坂道を少し登った所にある


スカボローフェアがかかった喫茶店


入るといつも学生でいっぱい。


隅のカウンターに友人3人で入る。


何を話するでもなく、君と語り合う


カウンター越しにマスターの忙しく


動く姿を君は優しい眼差しで見つめながら


僕に笑みを送ってくれる。


優しい面影に 窓ガラス超しに


入る日差しが 光る


友人が例の遊びを始めだした


4本のマッチ棒で 出来そうもない


形を作れという


まず始めは 田んぼの田という字を作れ


必ずいつも女の子を前にすると奴はこれを


始めるんだ。


可愛い奴・・


厳つい風格の友人は全く似合わぬ性格


あいつの目的は君の友人


僕らは友人仲間では公認


自由に愛を語り合い 楽しみあった。


喫茶店のいつも流している曲


スカボロー・フェアは学生たちに


邪魔をしない曲として好かれていた


午後の授業も忘れて4時間話し続ける


他愛もない話


そんな時間があの時の僕らの


もっとも大切な時間になった


厳つい顔の奴とは哲学、文学の話が


中心 彼は太宰治が大好きな青年


僕はどちらかというと哲学が好き


ニーチェ サルトル、キェルケゴール


自己は絶望を選び


絶望の中に自己を見つける


等と訳の分からぬ話を続ける僕


実存主義にはまっていた青春時代


他愛無い子供のお遊びに見えただろう


君は 僕にないものをいつも持っていた


友人 財産 地位 でも君は一つも


それを僕らの前では見せない


優しい面差しの君は


僕らのあこがれの君


純粋理性批判論などを無駄に話し


分かったような顔をしていた


あの頃 まだ子供だった


スカボロフェアーのかかった店で


他愛もなく過ごしたあの日々を


喫茶の窓から差し込む日差しだけが


時を忘れてのんびりと過ぎていった


------------------------------

ドロップ

作詩:たけぼんだぬき



小さかった頃 おばあちゃんから


お買い物を手伝うと 目をつぶって


お口を開けて と言われて


その通りにすると 口の中に


パインアップルの香りが


広がって 嬉しくて


何かあると いつもおばあちゃんの


所へ遊びに 行っていた。


口の中に入った それは


とっても甘くて ちょっと酸っぱくて


何かすごく嬉しかった。


舐めていると 幸せな気分


おばあちゃんの懐も とっても


心地いい香りと暖かさがあって


とっても とっても嬉しかった。


おばあちゃんの お話


とっても好き 地元に伝わる


昔話 時間を忘れておばあちゃんの


話を聞いていた。


でも おばあちゃんは忙しい


お店と 外回り その楽しい時間は


わずかなんだ。


でもでも その分いっぱい僕を可愛がって


くれたんだ。


今でも ドロップを舐めると おばあちゃんを


思い出す。


缶に入ったドロップ


おばあちゃんの エプロンのポケットに


入っていた。


不思議だな いつもそこにあるの


なくなったのを 見た事がなかった。


僕は


あの日のその光景は 多分幾つになっても


忘れない。


おばあちゃんの 温もりと共に


---------------------------

素敵な明日がくるように

作詩:たけぼんだぬき



朝の道 歩けば空も 晴れ渡り 雲に光が


煌めいて 道端 花も 喜びて 笑いし笑顔


面白き 出会う老婆の 挨拶も ふと思い出す


人 情け 川の遊歩を 歩けども 川の流れの


清らしさ 心洗われ 清々し 水も笑みて


見える日は 嬉しき 朝の 心風景


今日も 前向き 進みいく 勇気もらいて


帰りたる。


今朝の空気の 美味しさは 元気をもらい 今日も生く


朝の道に 我進みゆく 鳥 鳴く声に 仰ぐれば


空の青さが目に沁みる 今日も一日 朝のたびだち


今日もよし 人の出会いを期待して 笑顔絶やさず


進まなん 泣いて生きるも人生で 笑って生きるも


これまた人生 されば笑って生きようと 心に誓いし


朝の風景 転べば 起きてまた進む 転べば起きて


また進む これぞ人生 転ぶ痛みも人生なら


起きる勇気も また人生 今日の一日 あなたには


幸せくればと 祈ります。


泣いた分だけ 幸せの 明日がくるよに祈ります


共々起きて進みましょ。


素敵な今日がくるように 一緒に手をとり進みましょ


輝く 明日がくるように 笑顔で今を生きましょう。


素敵な明日がくるように


---------------------------


地球だいちの太陽無用なり

作詩:たけぼんだぬき



副題:牙 風(いのち溢れるこの地球)



牙剥く 風は我を刺す


虚空の空気は 我 裂かん


胸刺し 貫く刃には


言葉の切っ先 貫かん


空浮くわが身 芥と化し


何くんぞ 


身を置く場ありやと 訊ねゆく


虚しくも 救済船も


この世に無し


何ゆえに この身 晒して


ここに置く


牙剥く 風は我食らい


虚空の空気 我求め


空高く 持ち上げん


寒気の鉈を 我あびて


大地に 強く叩かれん


凍りついたる 大地には


いのちのかけら 無かりせば


大地の嘆き 聞こえなん。


草木も 動物ものも消えうせて


茶色き 大地そこにあり。


月の姿も 消えうせて


星も見えぬ宇宙には


生命のかけらなかりしぞ


無限の地獄 この地図は いずくの


誰がかきたまう。


原子の 悪魔描き給う


光の果ては かくのよう


ただれる大地 嘆きしが


後にはそれを 治すもの


この世になくて ただ無空


長きいのちの 変革が


起こる時間の 長さかな


原子の 争い打ち辞めて


手を繋ぎし 平ら道


求めと 我は祈るのみ


花咲き乱れ 空に鳥


大地を駆ける生物の 宝庫と


なれや我らの地球だいち


輝く いのちの花が咲く


そんな大地を願うのみ


大地に 太陽無用なり


空に輝く太陽の恩恵あれば


それで良し


願わくば 人類争い打ちやめよ


懇願するも


人と人 殺しあう


さが うち捨てて


平和の鐘を打ち鳴らせ


永久に平和を求めぬけ


そんな国土を 喜ばん


そんな平和を 楽しまん


いのちの 尊さ いつまでも


人の 心にあるように


こうして祈らん いつまでも


いのち溢れるこの地球だいち


-----------------------

霞む 風景

作詩:たけぼんだぬき



春の空気に 霞む山景


輪郭 おぼつかなく


空色 かすみ 滲む


我 思いなく ここにあり


遠くに 見ゆる あの海も


そっと滲みて そこにあり


足元 見れば 黄色き花


春の陽気に 喜びて


咲きている 可憐花


表れしもの かすみしもの 


喜びしもの 嘆きしもの


笑いしもの 怒りしもの


富しもの 貧しきもの


丈夫なもの 病みしもの 


悩みなきもの 苦しみしもの


何れに 春は訪れしや


雨降り 地満ち 空曇り


海荒れ 心乱されぬ


春の景色も 我が目には


かすみうつりて 嘆かなん


蒼空 見えて 鳥飛べば


我の心も 癒されん


空はかすみて 薄空色


時間の流れ それぞれか


黄色き 花の可愛さよ


君のごとくに われ咲くか


そうなりたしや いまの時


春の川にも 水清き


流れは絶えず 滔々と


続きてや 流れなむ


このとき 生きる


わが身 思わば


焦る思いを 断ち切りて


一歩の足も 引き摺りしが


胸に 思いは かすみなし


春のかすみの 風景よ


今日何処いずくにありと


生き抜きて 花の色より


鮮やかに 咲くを信じて


進み行く 春の霞の風景や


--------------------------


鬼ヶ島

作詩:たけぼんだぬき



桃太郎 子供に聞かす


お伽話 キビ団子持って


向うは 鬼の住む島


鬼が島 讃岐に残る島があり


その名も 女木島めぎじま


高松沖合い 浮かぶ島


古代に 鬼が住むという


桃太郎 言い伝えによれば


岡山中部に 生まれたり


じいさん ばあさん


優しき二人に育てられ


大きく育った桃太郎


近辺荒らす 鬼退治


せねばならぬと 決意して


向うも一人で 勝ち抜けぬ


達者なものを引き連れよと


おばあが渡せし きび団子


行く先々で出会うのは


雉 犬 猿と三匹の家来を


連れて 鬼ノ島へと 進み行く



雉 情報を集めしと


犬 忠節尽くせしと


猿 智慧まわりしと



各々才を奮いて戦わん


女木島穴に住みし鬼


退治せしめて 瀬戸内に


平安訪れ 安穏国土


つくりたり 古より


面白きかな 讃岐には


地名の変わりし所あり


古代名前はしらねども


今に残りし地名には


鬼無と申す所あり。


鬼住む島の 北側に


男木島おぎじま


優しく相添いて夫婦仲良く


おりたまう


時代は 大きく 変われども


人の情けは 生き抜いて


平和を願う 島伝説


香川に残る


遠き 昔の 物語


---------------------------

旅立ちの歌

作詩:たけぼんだぬき



春の風は あなたに


希望を与える しかし


その分 過酷さも与える


人生の岐路に立ち 選んだ


その道が正しいのか どうか


それすら 見えないのだ


それでも人は 決断を下さねば


ならない。


仕事でも 学校でも 社会においても


間違えたと 言っても 誰もそれを


直してはくれない 自分で選んだ道


だれも修正はしてくれない。


だけど誰にもそれを変える事もできない


これは自分で責任を取るという問題の


代わりに 自分の道を全うできるという


ことでもあるのだ。


人生は前向きに その意味がそこにある。


間違いを恐れていたら前に進めない


共に新しい年度を迎えたのだ。


楽しく前向きに考えていこう


誰も助けてくれないという事ではない


助言は必ずくれるはずだ。


あなたを大切に思ってくれている人が


必ずいるはずだから。


春のように温かくあなたを支えてくれる


人がいるのだから。


あなたも閉じこもらずに 積極的に


触れ合おう


それこそが 障害物を乗りこえられる


手段なのだから


ぶつかって 倒れたら その時にこそ


大空を見上げていっぱいの空気を吸い込んで


また立ち上がってぶつかって


いけばいいんじゃないか


誰もあなたをとめる事などできないのだから


春の風のように爽やかに生き抜こうよ


---------------------------------

青き空と学生服

作詩:たけぼんだぬき



一点の雲なき空に 心爽やか


太陽は私を見つめて 何を思うのだろう


学生の群れが 私の前を通り過ぎる


騒ぐその 楽しそうな姿にも


春を感じる 自分がいる


学生服の君たち


みんな明るい笑顔がそこにある


希望に満ちた 君たちにも


悩みはいっぱい あるのだろう


友達との対話は 楽しいかい。


みんなと遊ぶ このひと時は楽しいかい。


学べる時間は 人の人生の中で


いっぱいあるけれど


君たちは勉強は好きかい


社会で学ぶ事は 学校で学ぶ事より


もっと多いんだよ


そしてもっともっと沢山の人々に


自分が支えられているという事を


知らされるんだ。


学校で学べる 今この時を大切にしてね


あなたにも 大切な友達がいるんだ


とっても素敵な事 友達を苛めてはいけないよ


友達が嫌がる事をして 喜んでいる


そんな卑怯な事は しないでね。


君が一番大切な人になるかも 知れないんだから


君の一時の思いで 友人を失くしてしまわない


ように僕は願っているよ


クラスのみんなと 仲良く出来る事がどれほど


幸せな事なのか。友人がいる事がどんなに


幸せな事なのか。君が大きくなって社会人に


なっていったときに 気がつくのだから


友達を大切にしていってね。


目の前を通り過ぎる


君たちの未来が輝くように


僕は祈っているからね


----------------------------


琥珀色のブランデー

作詩:たけぼんだぬき



君とあの夜


薄暗い裸電球の元


二人でワイングラスに


注ぎ交わした


ブランデー


今は空になった瓶だけが


転がっている


電球に照らされた 君の顔


少し頬に紅が刺して


とっても素敵だった。


グラスに口を添える時


僕の胸は 時めいた


始めて交わしたキッスも


甘いブランデーの香り


僕を包み込んだ


全ての世界は


柔らかな唇と


その優しさで


いっぱいになった。


あの日の


ブランデー


レーズンバター


いまでも忘れられない


思い出の味


君の優しさが


やわらかい


唇の香りにして


僕の記憶の中で


それを永遠なものに


したんだ。


小さなスナックの灯りは


今にも消えそうにちらちら


揺れて僕らの愛を見守っていた


あのブランデーはもう空に


なってしまったよ。


僕の心と共に


外で走り去る


電車の音のように


もう二度と


あの日は戻らない


君の愛を確かめた夜


僕の愛を捧げた夜


共に一つになった夜


裸電球の灯りのように


ゆらゆら揺れて


もう灯る事は


無いのかもしれない


それでも


僕の愛と


君の愛は


君が居なくなっても


僕の中には


はっきりと


残っているから


ずーーーと永遠に・・・


---------------------------


我此舞在春風

作詩:たけぼんだぬき



春風 心舞い


力 そこに倒る


草の香り 鼻を過ぎ


大地軟らかなり


花 我を包み


心静寂なり


仰ぎ見れば天空雲無く


澄み渡り


我が身留め置く


地 力なり


空 広がりなり


土 命なり


水 静寂なり


風 自然なり


騒がすもの何もなし


ただその場に任す


春に死して 秋に虫となり


冬とけざる雪となり


夏光となる


生は ここにあり


使わず朽ち果て


土に帰るか


春の舞に踊らん


夢に会いたき人会い


涙 流れて止まず


ただこれ 空虚なり


目覚めし この今


我 取り戻す


悲しき夢の一夜


ああ ため息つきて


また眠らん


-------------------

卯月満月 君と酒を酌まん

作詩:たけぼんだぬき



4月9日 昨夜0時満月を迎えた


今日の月は もう欠けて行く


わずかの間の満たされた月


幸せもほんの少しだけなのか


今日の夕方見た月はまるで徹夜を


してきたように赤かった


きっと昨夜満月で嬉しくて宴会でも


したのかな。


飲みすぎで赤くなっているのかな。


薄暗い夜空に大きな赤い月が丸亀の


城の上に輝いていた。


私とあなたもほんのちょっとお酒を


酌み交わして楽しむのもいいんじゃないか


桜の花びらが道路に舞って悲しくしているよ


車に飛ばされて泣いているよ。


僕らもこの足でその花びらを踏んで歩いたね


酌み交わす盃にひらひらと落ちて来た可愛い


花びらを君は一気に飲み干したんだ。


うまいと 大きな声で笑いながらね。


君との友情がいついつまでも続くようにと


僕は花びらの酒を飲み干した


いいねえ。春の酒はうまいねえ


君はそういって あの月のように


顔をまっかにしていたね。


目の前にある友情の月 空に輝くまっかな月


すてきだね。


友情こそ 僕の全てさ


乾杯だね。


君となら朝までだって飲めるよ


友よ。


歌でも歌おう肩を組んでね。


月にも一緒に入ってもらおうよ


なあ。友よ


-----------------------


さ よ う な ら

作詞:たけぼんだぬき



機は熟した


旅立ちの時は来た


別れたくなくても


熟れた柿が 大地に落ちて


カラスの 餌食となりても


この別れは 止むを得ないのだ


出会いの挨拶が あれば


必ず、別れの時が 来るのだから


もう二度と 会える事は


ないのかも 知れない。


親が守る 巣の中で


愛情を込めて 育てられても


ずっとそこにいる事は 許されない


だからせめて 笑顔で


あなたとの お別れをしたい。


大切な 大切な あなたへ


いつまでも お元気で


あなたの 幸せを 祈ります



-----------------------


蒼林深く 静湖あり

作詩:たけぼんだぬき



森深く 分け入りたる


木々 どこまでも深く


進めば 静寂 湖あり


どこまでも澄みいり 深く


蒼く 揺らぎなく


湖面は静かに そこにあり


空に 綿菓子浮かべたる雲


浮かべり


我 ここに今 在り


ああ なんと静寂な時間


喧騒を離れ 心穏やかにして


目に映る 景色


自由にして 長遠 時間過ぎて


ここにあり


足下 可憐に生き 花あり


紫色に染め 大地色添えん


湖面脇に 一本の木立


鳥鳴く 声聞こゆ


ま白き 鳥 羽広げ


湖面に向かいて 啼く


その勇姿 勇ましく


また可憐に見ゆ


時 まさに今


大きく羽ばたき


湖面に向かい 飛び立つ


その美しき姿 我に勇気与う


静寂 湖面に 波たち


揺れん


彼の勇気を 讃嘆するか


鳥も大空 雲に向かい


征せんと向う 勇姿なり


人もかくあるべし


揺らぐを恐れず 波立つを恐れず


いのちあらん限り 使いて


勇気持て 飛びたたん。


かくの鳥の如くに


羽広げ 胸張り 進みゆかん


大空目指し 飛びたたん


今日出発の日 いのち燃やして


--------------------



ボサノヴァの流れる店で

作詩:たけぼんだぬき




駅前の広い通りを 少し抜けて


町の灯りが 少なくなってきた所


横に入る 細い道


人が二人くらいしか 通れない


路地を入ると 一番奥に


その店はある ちょっと派手な


ネオンで輝く看板に


すなっく ルミ と書かれた店


扉は ちょっとアンティックな洋風


飾りもシックに小さな灯り窓の付いた


扉のノブを引くと 薄暗い店内に


流れる ボサノヴァの曲 


ピアノの物悲しいメロディにのせて


味わいのある店内 テーブルは黒い


シックなものを 6つ配置している


様々な人々の楽しげな会話が聞こえ


心を和ませる


赤 青 橙 色の光が混じりあう中に


君と二人 隅のテーブルに


マスターがワインを運んでくる


乾杯する二人


グラスにうつる君の顔


今夜は 素敵だよ


話も次第に深まって 二人だけの世界


ボサノヴァのリズムにのせて ピアノが


情熱をかなで アルトサックスが切なく咽ぶ


こんな夜 君と愛の確認作業


この場にあうね


その夜は 二人きり 永遠の世界に


いきるんだね。


甘く切ない サックスの響きにのせて


--------------------


青年 それは


作詞:たけぼんだぬき







私を いつも頼ってくれる




君を 僕は頼もしく思う




青年とは 素敵な称号だね




青い 年 人生の中で




この時期程 自分に誠実な




時期はないのかも知れない





訪ねてくる 君を見ているだけで




僕は 嬉しくなる




一生懸命な その姿勢だけが




君の 輝く勲章





自分に誠実 友を思うその心に




僕も青年に戻って 頑張らねば




そんな気持ちにさせてくれる





厳しい今の世の中 どんなに




便利になって 裕福になって




何でも金で かたをつけようと




するような 風潮のある時代に




一人の友の事を案じている君





様々な困難にも 体当たりで




ぶつかっていける 時期





青年





僕はこの言葉が大好き





だから僕も生涯青年のままで




ありたいと決意している





いつも頼ってくれてありがと




そして一緒に今を生きている




事を嬉しく思う。





春の花咲く この時




悩みながら 笑いながら




決して汚れる心なく




青年の心を 持ち続けていこう




共々に

---------------------


傷ついた あなたの心


作詞:たけぼんだぬき








あなたは 綺麗な心を


持っている 君だけは


無垢な いのちを


持ち続けて もらいたい。




刃物で 出来た傷は


治療で ある程度は治る


言葉で 傷ついた心は


そう簡単には 癒せない。




相手を憎んで 発する音声は


憎しみのいのちを 起こさせる


声は いのちを 共振させるから




相手を心配して 思いやりの言葉を


投げれば 相手のいのちに


触れて 思いは通じる



あなたの思いを 通じさせるには


相手の心に 訴える事が大切




君が 友人を 大切に思うように


その人も 友人を 大切に思っている。




君が 自分を 大切に思うように


その人も 自分を 大切に思っている。




友情の思いは 必ず聞こうと


する人になら 通じる


友情の絆が 生まれてくる




逃げたら 君の影も一緒に


逃げるように 全てを失うのは


他の誰でもない 君自身なのだから




働く現場で 苦しんでいる君を


僕は分かる。




僕も苦しんで ノイローゼに


なりかけたから




君の側で エールを


送ってあげたい




君が聞こうと してくれれば


きっと僕の声が 聞こえるはずだ




僕はいつも 青年の味方だ。




僕もかつて 青年時代に


壮年の方から 自分の


子供のように 大切にしてもらった




その人は 53歳で


癌で亡くなったが 僕には


一生忘れられない 人になった。




苦しい時も 楽しい時も


悲しんでいる時も 寂しい時も


いつも 声をかけてくれた



食事を ご馳走になったり


相談に 乗ってくれたり


一緒に 喜んでくれたり


一緒に 悲しんでくれた



そんな人を 持てた僕は


幸せだと思う




だから君のために 僕が出来る事は


してあげたいと 思うんだ



青年が 悲しんでいると


僕まで 悲しくなる




青年が 閉じこもっていると


僕まで くるしくなる




青年が 喜んでいると


僕まで 嬉しくなるんだ




君といられる 時間が


もっとあれば 話せる事が


もっとあれば いつもそう思う




君の笑顔が 僕の喜び


自分に嘘の無い 青年だから


僕は好きなんだ




透き通る水は 常に流れなければ


淀み腐っていく


多くの友人の中で 流れ続けて


様々な人たちと ぶつかり合って


原石の君は 丸く削られ


輝く金剛石 になっていく


美しい友情の 大河を作って欲しい




君の 幸せを 君の 友情を


君の 人生を 僕は祈り続ける


-----------------


優しく降るはずの 春の雨


作詞:たけぼんだぬき




悲しいほどに 僕の心に響く




寂しいまでの 静けさ




鳥の啼く声もない。




とめどなく 押し寄せる苦痛




頭の中に居座る 痛み




きっと残酷なまでの過酷さを




僕に教えてくれているのだろう




小さな脳は悲鳴を上げている




苦痛ゆえか 優しささえ失い




薬のせいで深く眠ってしまう




目が覚めれば気だるさが




全身に 広がってすぐに




起き出せない




春の雨も 私に寂しさを




くれるだけ。




じっとしていても切なくなる




動けば ふらついて動けない




ふらつきがなくなるまで




じっと待つ。




覚めやらぬ情景 見ている




全てのものが 透明感に




包まれて 無感情になっていく




壮烈な あの痛みはもう今はない




記憶されたものすらない。




いきなり 時計の針だけが




数時間先を指している




また落ち着けば動ける




そう願いながら じっと耐える




春の雨は 虚しく小さな音を




立てているだけ




なくした時間は もう帰らない




いのちある事の 証なのだろうか




この苦痛は 誰にも分からない




また無駄に 8時間を捨て去った




その悔しさだけが僕を包んでいる


---------------


東に棚引く 雲ありて

作詞:たけぼんだぬき




空に棚引きたる 一片の雲


長く横に引かれたる


梳く君の 髪の如く


悲しみ募り 思いあぐ


君思う心 深く強まらん


君去りし 時


我が心 時計とまりて


動くことなし



我 老いて 白髪見ゆ


あの頃 遠く 過ぎ去りぬ


西に沈みし 日輪赤く


涙 流して 滲みたり


心に 浮かぶ 君が姿


目潤みし為 霞み見ん



東に 棚引く 雲ありて


君の姿を 重ね見ん


空飛ぶ鳥は 雲向い


飛ぶ姿 我見るも


何時ぞや 我も 鳥になり


君の元へと 飛びたちし


深い思い 深まれり 


いのちあらん 限り


生き抜けと 君の言の葉


くさびとなりて


胸刺さり 抜く事ならず


君が遺言



我がいのち 果てるまで


抱えて 生き延びん



虚しき 思い


切なき 思い


悲しき 思い


辛き  思い


楽しき 思い


嬉しき 思い


怒りし 思い


笑いし 思い



全ていのちに刻まれて


重くなりし 我がいのち


生き延びる 意味を


今また 思い知る


彼の地 ゆきし時


笑って 君に答えたし


醜態晒して 生き延びん


老いさらばえて 生き延びん


若きいのち 胸にしもうて



東に棚引く 雲を見て


かく思う 我のみあり


綺麗にこの世に さよならを


言えるよに 自分に素直に


生き抜いて 君に見せよと


それのみ思い 今を生く


東に棚引く 雲ありて


-------------------------


中庭にある幸せ

作詞:たけぼんだぬき



いつも 君は花畑の


手入れに 余念が無い


何をするにも


手にスコップを


持って 時間があれば


花をいじっている


そんな君を 僕は


道路の 垣根から


見つめるだけ




声をかけたくても 出来ない


部屋の中にいる 君の父上


君を見つめながら お茶を


飲んでいる。


見えないように 隠れて覗く


自分の哀れさを 何と言えば


いいのだろう。




君の元へ 駆け寄って 抱しめたい


そんな衝動にさえ 駈られるのに


中庭にある 花壇の花に 僕は嫉妬する


君の手の中に 入りたいと


妄想なんだ。幻想なんだ


でも・・・


もう一方で 僕たちを許さない父上様


殺してやりたいとも 妄想するんだ。


そんな自分が怖い。




君をいつまでも 見つめている


それしか今の僕には 出来ないんだから


情けない男だよ。俺っていう男は・・


こんな場所に 逃げるように隠れなきゃ


いけない事を 俺はしたんだろうか・・




あの日の太陽は 僕にたっぷりの汗と


立ちくらむ程の苦痛を 与えてくれる。


それでも僕は その場に立ち竦んで


君を見つめているだけ




もうあの日の 悔しい思いは


二度と味わいたくない 屈辱だ。




君への愛だけは 今でもその時のまま


楽しそうに 花を摘む


君の笑顔と 手の白さが


瞼の裏に 焼きついている。




ある夏の日の 昼下がり


君を恋焦がれていた


僕の思いだけが


太陽のように


胸の中で輝いている




だけど 最後には僕が勝ったんだ


君の愛を 僕は全て受け止めた


そして 君亡くなりし後も


僕の胸の中に 今もこうして


生きている。



君の優しい 笑顔と共に


いつまでも


*****************


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