詩集「第九集」
睦月 空晴れて
作詞:たけぼんだぬき
梅雨を 思い浮かべる
睦月 空に 雨雲なく
晴れ渡る
風は爽やかにして
心を洗う
道 歩きし時
昔よりの 友とあう
また嬉し
彼も また病持ち
仕事に励む
体のだるさ 常に
彼を襲い 苦しめん
彼の病は 不治の病
苦しき中仕事の途中
我を 見かけ 声かける
嬉しき事 いかばかりか
いつまででも
友と 思ってくれる
彼の心に 感謝の思い
深まれり
力なく 手助けできぬ
わが身の 情けなさか
空に飛び交う 鳥一羽
彼の後方 空に舞う
真っ白き 大きく
翼広げ 風に乗り
その位置に あり
何と素晴らしき
光景
彼は気づかず 我を案ずる
空は 青く 雲一つなく
日差しの矢
彼と 我につき刺さる
楽しきかな この一時
友と語らう 宝石の時間
きらきらと 彼を煌めかせ
我に 至福の時与う
人と 人とのつながりは
友情 袂に 宝をうむ
ありがたし
今日のこの日を
喜ばん
睦月 初めの宝物
空 笑みかけて
晴れ渡る
*******
音楽は 私のいのち
作詞:たけぼんだぬき
哀れみ 慈しみ
心を 満たす程の
涙が 胸を熱くする時
私は 慰める術を
音楽の音色に求める
私が私であると感じられる
時間は 音楽を聞いている
時間だから
ただ 息をして
ご飯を食べて 眠り
欲望を 満たすだけの
ものが与えられていたとしても
自由に 心を遊ばせる事の出来る
その時間は 部屋に流れる
音楽に 身を預けている時
だけだろう
音楽の調べは 私に
安らぎと 豊かさを
与えてくれる
悲しみのつつまれ
慟哭の中にいる私に
人生の喜びを 与えてくれる
楽しみも 喜びも
悲しみも 寂しさも
全てを 優しく
つつんでくれる
今日も 私は
こうして 生きられる
音楽は 私の栄養源
うたは 私のいのち
明日を生きていく糧
今を 暮らしていける
我が家
今日も私は 音楽を
楽しんでいる
今日の安らぎを得る為に
明日を 生き抜く為に
どんな辛い事でも
音楽さえあれば
私は 耐えていけるから
********
舞妓という名の 菖蒲の花
作詞:たけぼんだぬき
短き 花のいのち
可憐に 咲きて
我を 楽します
長くもって 二日とか
なんと侘しき 花のいのち
菖蒲の茎を束ね 風呂の湯に
浮かべ 体の悪き所に
軽く叩いて 癒すを
菖蒲湯という
茎の香り 湯船に
広がりてまたこれも
心地よし
かわつ菖蒲園にある
菖蒲の花 種類多くあり
その中に舞妓 という名の
菖蒲あり
名の如く 美しく 可憐なり
いのちの短きを
哀れみて 綺麗に
咲くを 許されしか
名の意味する 舞妓とは
うまく名づけたもの
それを 見るに 心和む
今日の花の 麗しき姿
心に残り 喜び満たさん
自然の美の 華麗さ
心に留めん
**********
ピンク色の カクテルは・・
作詞:たけぼんだぬき
浜の 港に切ない
霧笛が鳴り渡る
そんな夜
小さなスナックの
隅のボックスに半分だけ
腰をひっかけて マスターの
軽やかに 動くその手から
淡いピンクの 液体が
グラスに 注がれるのを
私は 見つめている。
その液体は グラスの中で
虹色に輝き そっと添えられた
彼の手は 横に座る君の前に
差し出される
君の細く白い手が グラスを
取る時 赤いマニキュアの爪は
まるで生き物のように
グラスの周りで踊っている
ステンドガラスのような
鮮やかな 照明が店内を照らす
その光のかけらが
君の横顔にあたり
弾けるのを
私はブランデーグラスを
傾けながら 見つめていた
あの日の 夕暮れに
横浜公園の 木の下で
熱く交わした キッス
その唇から 愛してるわ
とこぼれた一言が
今の私には 君が飲んでいる
カクテルの甘さよりも
もっと甘い味として
残っているんだ
君の瞳の奥に 今の私がいる
私は 君の胸に顔を埋めて
君の心の もっと奥へ入りたい
そこで 私は 君に囁く
もう離さない 愛しているよと
今夜の ブランデーは
よくまわるようだ
何故って 体の芯が
熱くて たまらないからさ
もう一度そのカクテルを
口に含んで 私の唇にそっと
添えて 流し込んでくれ
そうして 私の胸に燃えている
熱い 炎を 冷してくれ
今日の君は とっても綺麗だ
いつまでも こうしていたい
時間など なければいいのに
いつまでも 永遠に・・・
*******
冷たき 闇の風に
作詞:たけぼんだぬき
早朝の 日いずる前
頬を 掠める 冷たい風は
失恋の後の 侘しさのよに
私の心を 悲しくさせる
空に 輝く星たちも
もうすぐこの空から
消え去るのだ
東の空から 昇って来る
その光の塊りは
大きく空を覆いつくし
私の冷え切った いのちさえ
溶かしてしまうのだ
夜明け前の カオスが
私にあたえた 切なさなど
跡形もなく消し去って
全てのものに平等に
力強い 熱気と 眩いばかりの
巨大な 光を与えるのだ
太陽は 雲に隠れて
地上にまで光の恩恵を
与えなくても
その向こうに
厳然として
存在する
闇を払う そのエネルギーは
大地の全ての 生物、植物に
巨大な いのちを与えるのだ
生ある限り 私は
ここにあり続けるのだ
何と壮大な 宇宙のロマン
私の いのちの 源
今日も私は しっかりと
この大地を踏みしめて
生き抜いていくのだ
人の 暗闇を 晴らし
炎天下に 晒し 焼き尽くせ
太陽よ あなたのその 広大な
エネジーをもって 大地に
めぐみと 平和をもたらせ
そして願わくば
我の 心の闇を
消し去りたまえ
今日も 厳然と あなたは
東の空を赤く染めながら
のぼりきたる
*****
ダンスホール
作詞:たけぼんだぬき
今日の あなたは
ピンクのドレスに
ダイヤをちりばめた
ネックレス
いつもの 洗い晒しの
ジーンズと 可愛い猫の
刺繍の入った Tシャツ
しか見ていなかった
僕には 別人のように
思えてくる
何度も顔を見つめて
君である事を確かめた
君との 待ち合わせ
僕は約束の時間より
5分早くついたけれど
もう君は 来ていたね
横浜駅 西口にある
喫茶店
いつもクラシック音楽が
流れていた
君がいるのを見つけるのに
苦労したよ
だって そんな素敵な令嬢
だとは思わないからさ
君が笑顔で声を
かけてくれなかったら
きっと僕は ずっと店の外で
待っていたかも知れない
君との楽しい食事
今日は フルコースが
いいなあ と言いながら
何故か サラダだけを
食べていた君
野菜のフルコースかいって
からかうと
ばかねと言って 照れ笑い
していたね。
いつもの魚介類がいっぱい
入ったスパゲティを食べたね
それから君をダンスに誘った
ダンスホールなんかいかないよ
山下公園の広場でさ
二人っきりで踊るんだ
チークダンスをさ
君はボサノヴァがいいって
言っていたっけ
僕は離れるのが嫌だったから
チークを踊りたかった
結局 元町のダンスホールへ
いったよね。
カクテルを飲んで チークダンス
何故かその日は 君の足を
何度か踏んだっけ
下手くそな僕をリードしてくれる
君が 素敵だった
ドレスの似合う君だった
あの日の夜は そのまま更けて
いつまでも踊っていたね
ネオンの瞬きが大きな窓から
揺れて見えていた
*******
暗黒の 夢の中で
作詞:たけぼんだぬき
嵐吹きすさぶ 大地の向こうから
黒い傘をさして 歩いてくる
わざわざ 私を訪ねてきたのか
君の姿は すぐに分かるよ
いつも胸をはって 小走りに
走っている どうして
そんなに急ぐんだい
怪我をしないか 心配だよ
君の愛情も 愛も
僕には
わかっている
君がまるで 通い妻みたいだと
僕が言ったら いきなり僕を
殴ったっけ
嘘なんだけど そういう言い方しか
出来なった 僕
悪かったって何度も頭を下げたね
なかなか機嫌がなおらなくて
僕も悲しくなっちまった
よっぽど 嫌な言葉だったんだ
ごめんよ。
あれ以来 他の女性にも
目もくれないで 一人で
生きてきたよ
君だけを 思ってね
もうそろそろ 許してくれるかな
嵐の夜の 大失敗は
もう二度としないからさ
雷が 二三度 鳴り響いて
窓ガラスの向こうで
闇夜に 閃光が 走った時
君は濡れたままの 服を
脱いで 着替える時だった
下着のままで 僕の胸に
飛び込んできた
ちょっと照れくさかったけれど
ちょっぴり 嬉しくて
君を守らなければと
思った
でも結局 君を守れなかったのかな
こうして 一人身でいることが
君の望んでいたことでは なかったのに
僕は どうしても 他の人を
愛する事が出来なかった
今宵の闇は 色んな思いを
僕に与えてくれる
ちょっぴり 照れくさい
思い出までさ
もう今日は 眠るよ
朝があけるまで
フトンにくるまってさ
いい夢が 見れるといいなあ
じゃあ おやすみ
愛するあなたへ
おやすみのキッスを・・・
********
一番 嬉しい お便りは
作詞:たけぼんだぬき
体調が優れない時 布団に
くるまって じっとしている
頭の中は 心臓の鼓動に
合わせるように 鐘がなる
起き上がって
水分をとろうとして
お膳の所まで 這って行く
一杯の 水が 喉を潤して
ちょっと幸せな気分になる
薬を取り出そうとする
いつもは うまく取り出せるのに
時々だけど 薬がお膳の上に飛ぶ
ちょっといらいらする
そんな状態が半日ほど続く
そのうちに落ち着いてくる
頭の中で 鳴り響く鐘の音も
いつの間にか 消えている
そんな時 起き出して メールや
ブログを読む
様々な 情報が今日も
私と無関係に 飛び交っている
でもその中に
私を思って書いてくれる
言葉が ある
ちょっと嬉しくなる
ありがたいな と思う
ちょっとした気遣いが
とっても
大きく 見えてくる
人って 素晴らしいなあって
思える
人に備わる 他人に共感する能力
相手の意図をくみ取る能力
ミラーニューロン という細胞が
あるらしい
誰かが 傷ついたシーンを見ると
自分が傷つけられたように感じる
これって人とのコミュニケーション
には 必要なもの
相手を思い遣る心は
ここから出ているのだろう
このミラーニューロンという
細胞に障害が起きると
自閉症になるらしい
つらい時は 話もしたくない
だけど そんな時こそ
大切だと思える 人には
話をしよう
それが 人との繋がる
大切な事なのだと思う
いつも
あなたの側に
いなくても
あなたを
気遣ってくれる人は
あなたにとって
一番大切な人なのだから
話した後は 外に出て
綺麗な空気をいっぱい
胸に 吸い込んで
また頑張っていこう
いつも訊ねてきてくれる
多くの人々に 心から
ありがとうと
素直に 言おう
そして 笑顔を
お返しして
その人を 安心させて
あげようよ
あなたの 大切な 人に
せめてもの お返しだよね
いつも いつも
ありがとうと・・・
********
山梢に 里の音
作詞:たけぼんだぬき
ダム上流より眺め
風景 鳥鳴く声
味わい深し
故郷の山々 川の流れ
絶えずして 緑澄み
心 晴れやか
ダムの水 水門通り
下流の田畑 届く道
また 静寂にして
優雅なり
梢に 聞こえる
鳥のさえずり
草踏む 音
梢に 響いて
もの思い 耽る
小さな 遊具 杜にあり
ジャングルジムに
木陰落つ
小さき子供 駆けて遊ぶ
老爺 連れ立ちて
声をかける
公園長閑に
日は 西に傾き
情景また 興味深い
池に 飛び込む音
驚きて 音のするほう
見るに 亀の姿 池にあり
これもまた 興味深し
時間は過ぎて
友と帰宅す
あの日の わずかな時間
意味深く 我が胸にあり
今の この時 重みを
持ちて すぎゆく時間
大切なりやと 我に問う
意味もたせ 生きるは
己が思い次第なり
今日も一日がすぎていく
癒えぬ身体 引き摺りて
我は それでも 生きていく
早く癒えろと祈りつつ
鎮守の杜に 心 留め
春過ぎ行き 梅雨迎え
時の過ぎ行く ひとときを
願いて 今日も 我は生く
古里 ありて 我あり
梢の 音に もの思う
草の音に 我思う
踏みしめ 生きる
今日を 喜ぶ
********
時 過ぎ去りし
作詞:たけぼんだぬき
目に映る
瞬間 瞬間
過ぎ去る時間は
あまりに
早すぎて
記憶にすら
残らぬもの
忘れ去り
消え去った記憶
なのに
きっかけがあると
私の脳裏に
一瞬でその場面が
まるで映画を
見ているように
蘇ってくる
人の脳とは
どうなっているのだろうか
もう 一度
それが起きると
自分自身が
タイムスリップ
したかのように
その時代の
自分に 戻ってしまう
そして
その時に 持っていた
感情の 全てが
いのちの 底から
湧き出て
自分では
抑える事すら
出来なくなる
それが
風景だったり
音楽だったり
人との対話の場面だったり
その時々で
様々だが
一度 そうなると
自己規制という
足枷は 解き放たれて
心は 既に そこにない
人の心は 面白いものだ
様々な顔を持つ いのち
様々な 感情をその底から
湧き出す
どこに こんな感情が
潜んでいるのだろう
そう思えるほど
いのちの ヒダは
面白い
過ぎ去った過去は過去
取り戻す事など出来ないのに
それとは別に 自分が
そうなってしまう
いのちがある
深い 沼の 奥深くに
堆積された 過去の残骸が
大きな 棒で
かき回したようになり
澄み切った 沼も
どろどろに 汚れていく
そして その汚れが
また静かに収まるまで
かき混ぜるより
もっと多くの時間が
かかるのだ
年齢を経ていくと
その汚れが少しずつ
深く重厚になり
少しくらいかき混ぜても
沼全体が汚れるほどの
堆積物が巻き上がらなく
なってくる
これが 人の年輪という
ものなのかも知れぬ
老人の姿は 不思議と
赤子のように
澄み切っているように
私には見える
人生の苦しみも
楽しみも
恐らく私の何倍も
経験している
だろうに・・・
あの穏やかさは
どこから
出てくるのだろうか
人とは 不思議なもの
人とは すごいもの
人とは
何と素晴らしいのだろう
そんな思いが
今の私
人生途半ば
はるか 彼方
今を 精一杯に
そして のんびりと
生きていこう
先は長いのだから
焦る事はないのだから
*******
やぎのいる風景
作詞:たけぼんだぬき
まんのう町 山あいの市道沿いに
一軒の喫茶店がある
その店の人が作る案山子が
目印になっている
店の名前は「筍の里」
という
手作りの案山子たちが店の前の
田んぼに並ぶ
つい車で走っている人たちも
停まって 写真を撮る人が多い
楽しい風景だ
そこの店の人はそれ以外にも
ユニークなものを飼っている
やぎだ
私が見たときは、雑草等を
切り刻んだものを 食べていた
とっても可愛いのだが
どうやって飼っているのかは
分からなかった
でもやぎの姿が 可愛くて
近寄ろうとしたが、怯えていた
のでちょっと離れた所から
カメラにおさめるのが
精一杯だった
讃岐路を走っているが
なかなかこんなユニークな
風景が見られる場所は多くない
昔 高知の山林道を走っている
時に 猪が車の前を行き過ぎて
それ以来の 犬、猫以外の
大型哺乳類だ。
近寄って頭を撫でたかった
けれど、角がちょっと怖いかな
自然に触れるというのは
楽しいものだ
色んな人や光景を見たり
触ったりするのが 大好きなのだ
森の緑に包まれる感覚も
私は好きだ
ずっとその場にいたい気分になる
このまんのう町は ため池でも有名だが
私はこの付近の段々畑のある
光景も大好きだ
やぎののびりした姿を見ていると
心が安らぐ
*******
気分が うつろいゆく日々
作詞:たけぼんだぬき
二四時間 うつろい変わる
私の 体調
良かったり 悪かったり
こんな状態は 嫌だけれど
病と付き合っていくしか
術はないのだろう
元気だった頃 気がつかなった
色々な事が分かってくる
自分がこうなのだと
他人に説明しても
埒があくわけでもないし
ただ その時 その時の
自分を曝け出せる
詩だけが 私の心の表現
言葉を 尽くしても
求めるものは 与えられない
けれど それでも良い
今日の体調は
午前中は こうで
午後からは ああで
夕方からは そうで
夜は こんな感じで
って 全く下らない事
ただ 不思議に 音楽を
聞いていると気分が
落ち着いて 楽になってくる
今日聞いていたのは
本田 美奈子.
彼女の 歌声が
気分を楽にしてくれる
大分楽になって 聞いたのは
平原 綾香
これは ネットで聞いた
その中でいいなあと
感じた曲は
蘇州夜曲 だった
この曲は 李香蘭 が歌った
古い曲
だけど メロディがすごく綺麗
やはり 私は 歌が好きなのだ
歌が 私を 幸せな気分に
させてくれる
楽にしてくれるから
頭痛がひどくて どうにも
自分が 抑えられない時でも
音楽が流れていると
少しずつ 治まってくるんだ
爽やかな 風が私を包んで
くれているようだ
いつもの自分に戻る為
うつろいゆく 気分を
癒すため
私は 今日も音楽を
聞いている
***********
心の 空に
作詞:たけぼんだぬき
四国の空は 雲を敷き詰め
どんよりと 一日 太陽
顔も見ず 遠き山々
しっとりと 霞の向こうに
佇みたり
青き 草木は 潤いし
人の 歩きは 早くなる
側に 立ちたる 学校の
校庭 児童の 声もなし
妙に 道路も 静かなり
走る 車も忙しげに
走り去るのも 寂しげな
思考する事 我もまた
とまりて 心 おぼろげに
かすみかかりて いと むなし
春の 夕べのひとときを
一人 食べる夕餉の侘しさ
味覚の 影響 あるのかと
味なき おかずの 鯖煮付け
味噌の 香りも 薄まりて
腹満たす為にのみ 食すなり
君ありせばと 覆う悲しさ
胸 つかえ 笑い語らい
食した あの日
夢 幻と 消え去らん
白飯 湯気の 向こうには
ただ 虚しき TVの絵
君の 笑顔を そこに
見たいと 思う時
ふと 頬伝う 涙かな
春の夕べは 無情にも
静かに 時は過ぎゆきて
湯気の如くに 消え去って
今日という 日は 過ぎ去らん
春の夕べの 幻想に
ふと見る 夢の非情さよ
我の 心に 灯る陽なし
泪のように はらはらと
葉の先 露も
霞に 消え去る
寂しき春の 夕べかな
無情の 雲が空覆う
心を 包む 暗雲の
雨が 我を 救う事
ありとは 思えず
絶望の 今の時を
すぎゆかん
讃岐の道に 慈雨降れば
我の上にも 慈雨降れと
願う気持ちも 消えうせて
望みも既に 尽き果てぬ
四国の 空に 雲覆う
我が心に 雲覆う
我がいのちに 雲覆う
じっと 動かず 時過ぎよ
我が上 通り過ぎていけ
四国の 空に 雲覆う
我が 人生 未だ完せず
我が 道 未だ達せず
我 未だ 為すべき事
終らず
*********
針を落とす 緊張感
作詞:たけぼんだぬき
そういえば 最近
音楽を聞くとき
レコード盤だった
時代にあった
あの緊張感が
なくなった気がする
真新しいレコードに
スプレーをかけて
フェルト生地の
埃取りを 盤にのせて
掃除をする
黒い盤の 表面溝が
綺麗に並んでいるのを
確認して レコード
プレイヤーに載せる
回転を始める盤の上に
針を落とす
部屋全体に響く サウンド
針を落とす緊張感が
私は いつも大好きだった
廻るレコード盤から
弾かれるように 音が
飛び出してくる
部屋を駆け巡り私をつつむのだ
部屋には スプレーの香りが
漂い 音とのハーモニーを
かもし出すのだ
人工ダイヤモンドで作られた
針先がレコードの溝をトレース
していくとき 私の心は
ときめいた
大事にとってあった
レコードも
引越しの際に処分して
もう今はない
その代わり CDプレイヤーが
音を奏でている
レコードの アナログサウンドは
大きな音で 聞いていても
うるさいと 思った事はない
テープレコーダーに録音して
聞く事が多かったけれど
やはり レコードで聞くとき
音が弾ける感じがして
大好きだった
CDプレイヤーにはない
温かさがあった
私のアンプは 三極真空管
の手作りアンプ
2台作って ステレオで聴く
真空管のフィラメントが赤く
灯り しばらく待つ
完全に真空管が暖まると
スピーカーから雑音は消える
音は 三極管といわれたが
優しいまろやかなサウンド
になるのだ
部品をかき集めては
自分でハンダ付けして
組み立てる
それもまた 楽しみの一つ
時代は ICチップに移り
変わってしまったけれど
手作りサウンドの時代が
私に 音楽を好きにさせた
理由かもしれない
メリハリとまろやかさ
あい矛盾する二つを
求めていた時代
素敵な時代であった
音楽は 感性と言われる
私の 感性は
ギターと レコードに
よって 成り立っている
もう一度 レコードの
音を聞いてみたいものだ
あの 三極管 アンプで・・
*********
呼吸の ハーモニー
作詞:たけぼんだぬき
いのちが触れる
息が メロディになる
心が ハモる
アカペラの素晴らしさ
それは いのちの調和
声が 響き 仲間と
一つになったとき
素晴らしい音楽が生まれる
人が持って生まれた
最大の楽器
それは 声である
人の心に届けと
叫んだ時 それは
サウンドとなり
人々に 訴えかける
アカペラの 素晴らしさ
それは いのちへ
訴えかける 事だから
あなたも歌おうと
呼びかける 声だから
共に 歌えば 厚みを増す
沢山の人々に伝わって
みんなが 歌えば
重厚な 重みさえ持って
世界に広がる
言葉を超えて 人の心の
闇を 超えて
全ての いのちに 届くのだ
*********
ときに 漂って
作詞:たけぼんだぬき
寂しいとき 悲しいとき
僕は 山を 見るの
山肌に 植える 木々たちの
緑は 私に 安らぎを
そっと 応えてくれるから
楽しいとき 嬉しいとき
僕は 空を 見あげるの
青い 空に 浮かんだ雲
青さは 私に 穏やかさを
そっと 与えてくれるから
感動したとき 驚いたとき
僕は 海を 見つめるの
さざ波は 私に 満足を
そっと 促してくれるから
狂おしく 恋しくて
あなたの面影 思い出せば
山や 空や 海を 見ても
私の 心は 泪で 濡れた貝殻のよに
いつまでも いつまでも
癒される事はないのさ
はしゃいで 駆け回った
あの草原に 悲しみの 雨が降る
笑顔に あふれた 君の顔が
せめてもの 私の 救い
飛び立つ 鳥が 命の限り
翼を広げ 大空を駆け巡るように
私の心にも 見えない翼がある
きっと 自由に 飛びたてる
白い 翼がある
あなたの元へ 飛んでいけたなら
幸せな 時を 二人で
きっと きっと
過ごせるだろう
白い 翼を広げよう
心にある 自由な羽根を
精一杯 広げてさ
あなたと空を 飛び廻ろ
それが 私の願い
いつまでも いつまでも
あなたを 愛してるから
*******
カルフォルニア サウンド
作詞:たけぼんだぬき
汐の 香りを はこんで来る
心が 寂しさに 包まれた時
私は West Cost Sound
を聞く
心は 一気に
カルフォルニアの
海岸へ 飛んでいくんだ
爽やかな風と
海の青さが見えてくるようだ
いつも 私の 心にある海は
残念ながら カリフォルニア
ではない。
若き日に 行った 湘南の海だ
海を 眺めている時
カルフォルニアの海を 想像する
WESTCOAST SOUND
心は 弾み 楽しさが胸いっぱいに
広がっていく
広大な 海の ビッグウェーブが
目に浮かぶのだ
波の上に 乗るなんて
最高に 幸せな 気分
自然の懐につつまれて
波との格闘
素敵じゃないか
夏は 海が楽しいのさ
でも・・・
海は 簡単に人のいのちも
奪っていく
だから 海との戦いなのさ
波が 私を 呑み込んだ時
その怖さを 思い知るのさ
波を征服しないと 乗れない
だから 人は 果敢に
波に向っていく
波を制覇するのではない
自分に 打ち勝つために
波に 向うのさ
今年も 夏が来る
楽しい季節がやってくる
危険な夏がやってくる
********
潮風と さざ波
作詞:たけぼんだぬき
波の音が 私を優しく
包み込むとき
心から 苦しみや 不安が
取り除かれて そっと
聞き入っている
目を閉じれば 脈打つ
血管の流れのように
ざわー ざわーと静かに
聞こえてくる
波も 海も 驚くほど
静かで 優しい
少し瀬戸内海と違うと言えば
海の色が濃いかな。
波の起き方も瀬戸内と
太平洋側では違っている
瀬戸内の海は 一番好きなのだが
今日のこの海岸の海も
好きになれそうだ
島に今にもうつれそうな
所にあるのだが、
表札には 急に深くなるので
遊泳禁止と書かれていた
静かな 波優しそうな海
だけど 危険が潜んでいる
のどかそうな海
海はどこまでも 青く
砂浜の砂は 小さくて
足を取られそうなくらい
軟らかな感覚
生物の いのちが継がれる
素敵な海だった
********
あなたの 奏でる旋律は
副題:辻井伸行さん
ピアノコンクール優勝を記念して贈ります
作詞:たけぼんだぬき
いのちから 湧き出る
その音色は 私の心に
喜びを 与えてくれる
目にハンディを抱えながら
ピアノに 向かうその姿勢は
いつも私に 感動を与えてくれる
音の 世界に
旋風を巻き起こしてくれる
そのサウンドからは 向かっていく
勇壮な 師子の如く
果敢で 退く事を 知らない
だが ピアノという楽器が
一度 鳴り響くと 安らぎさえ
私に与えてくるのだ
白い鍵盤と黒い鍵盤の上を
華麗に舞う その指先が
奏でる舞いは 何と優雅な事か
ピアノ コンクールでの優勝は
私にとって 当たり前の出来事
むしろ 遅すぎる程だ
世界の聴衆に聞かせてあまりある
そのサウンドは
広大で 雄大だ
宇宙の彼方にまで 闇の世界へ
燃え上がる 太陽の中へ
響かせていっているのだから
あなたの 心に 見えている
ものを 全ての人々 否
全てのいのちあるものに
伝えようとするかのように
私には 聞こえてくる
優勝おめでとうございます
これからの益々の ご活躍を
お祈りしつつ
お体 お大切に いつまでも
いつまでも 素敵な 音楽を
私たちに 届けて下さい。
***********
山中の 花と山門
作詞:たけぼんだぬき
自然を 愛でて
徳島の 山中を歩いている
途中 小さな寺に ぶつかった
山の木立に響き渡る 鐘の音が
妙に 風景に合っている
自然と 寺と 花と
そして 療養中の私
不思議な感覚に とらわれた
車で 登ってこれる道も
今では 大型バスが 通れるほどに
整備されて 昔の面影はもうないのだろう
そんな道の端に ぽつんと
忘れ去られ 朽ちかけるように
小さな山門があった
屋根の上に ぺんぺん草が生えていた
昔の古い建物には 誰も住まなくなった
家の屋根に ぺんぺん草が生えているのを
見た事があったが 長くみていなかった
そんな景色が山の緑に呑み込まれそうに
山門が建っている
建物としては かなり古そうだ
日差しの中に 今にも倒れそうに
その場に佇んでいた
森の木々に囲まれた急な山道を
登っていく 木立の生い茂る
合間から 太陽の光が
まるで スポットライトの
ように 私を照らし
眩しさに 手で顔を覆った
梅雨を迎える 山の木々は
少し嬉しそうに 吹き抜ける
風に 揺れていた
何かを忘れた 私の心
小さな 優しさと安堵感が
優しく包み込み
病を 忘れさせてくれた
香川に見られない
自然の厳しさも
また徳島の特徴だ
四国の自然と戯れる時
心の闇もまた 消え去って
祖父と祖母の生まれた
この土地が 私のルーツ
なのかも知れない
温かく 迎えてくれた
徳島の 自然に
ありがとうと 応えたい
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