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4話目 王城に続く道

「事務局への伝言をお願いしてきたわ。

さぁ、行きましようか。

お腹が空いたわね。

朝から移動で大変だったもの。あなた何が食べたい。」

「僕は王都が初めてだから、君に任せるよ。

夕食は迎賓館だから、何か庶民的な食べ物が良いなぁ。」


「そうか、夕飯は歓迎会を兼ねているので、王族と族長会議のメンバーも来るのね。

それがこれからも続くとなると。

やっぱり、屋台で買い食いじゃない。気兼ねなく食べたいわ。」

「お姉ちゃんの言う通りだわ。」

「屋台だと料理するところが見られますかね。料理法にも興味がありますので屋台が良いですわね。」


「迎賓館でもお願いすれば料理方法はみせてもらえると思うけど・・・・、まぁ、普段のお料理にはあまり参考にならないわね。

ここは屋台にしましょう。

食べ物の屋台が集まっているところはいくつかあるけれど、王城の方に向かいながら行くとなると、あっちの方が良いわね。」


カロリーナさんが指さした方を見ると高台にになっており、大きな石造りの建物がいくつも並んでいた。

さらにその先には大きな森があり、森を抜けた一番高い所には、立派な建物がいくつか並んでいた。


「皆さん、向こうの一番高い所にあるのが王城とそして王族と族長会議の建物になります。

エルフ族の国の最高機関ですわ。

その下の王城を囲うようなにある森は魔の森と呼ばれています。」


「魔の森? 」


「そうです。魔力で満ち溢れているため、一度入ったら容易なことでは抜け出せない、恐怖の森なの。

外敵には恐怖ですが、市民にとっては守りの森となりるわ。」

「魔の森が守りの森ですか。」


「エリナさん、魔の森には2か所ほどキレているところがあり、そこに市民の暮らすここ下町と王城を結ぶ道となっているの。


外敵が来たら、市民の皆さんは王城やその周りの建物に逃げ込むの。

そして、ある魔法により、森を抜ける道を塞ぐの。


これで市民が避難した王城が完全に魔の森に囲まれることになるわ。

敵は魔の森を突破することはできないので、安全なわけなの。」


「立てこもるのはいいけど食料とかはどうするの。

水は森があるくらいだから何とかなるでしょうけど。」

「さすがにそれはエルフ王都の防衛上の事なのでお話しできないの。

結局は籠城することになるわけだから、持ちこたえている間に他の地域からの援軍を待つということにが王都の防衛戦の基本戦術となるのよね。

まぁ、戦全体の戦略上の意義は敵を引き付けておくのが役目と言い換えてもいいかもね。」


「しかし、魔法攻撃で王城を直接攻撃すればいいのではないかと。

戦略上は無傷で王城を手に入れる必要はないかと。

寧ろ指導部を壊滅した方がエルフ族としての統一性を奪うには好都合かと思いますが。

あっ、不躾な質問で申し訳ありません、戦術には興味があるので。」第3小隊の戦術士官のタイさん


「これも詳しいことは話せないけどね、ここから王城には魔法は届かないの。」

「そう言うことですか。

王族や王族と族長会議という国の最高指導部が不沈鑑に乗っているのなら、確かに安心ですね。」

「タイさん、不沈艦とはどのようなものなのかな。」


「そういえば、エルフ族は軍艦はお持ちではないのですね。

その上、商用の大きな船も必要としていないそうですね。

不沈艦というのは文字通り沈まない絶対安全な船のことですね。

絶対攻め落とせない砦ということですわね。」


「そう言う意味なのね。ありがとう、これも人類とエルフ族の交流のおかげね、一つ知識が増えたわ。」


「もう不沈艦でも、攻め落とせない砦でもいいけど、私は空腹で倒れそうなんだけど。

屋台はどこなの。」

「ソニアちゃん、まるでシュウみたいね。本当に似た来たわよ、お兄ちゃんに。」

「うっへぇぇぇぇ、変なところが似てきちゃったよ。お姉ちゃんどうしよう。」

「うふふふっ。早く屋台に行けばいいことだと思うわ。

カロリーナさん、ソニアちゃんがシュウのようになる前に屋台に行きましょう。」


「すみませんソニア様。今ご案内致しますので。」

「カロリーナちゃん、私だけにそんな丁寧な言葉遣いは止めてほしいな。」

「しかし、王族の方ですから。」

「私はシュウお兄ちゃんとエリナお姉ちゃんの妹よ。

王族よりもそっちの方がはるかに大事なことなの。」


「わかりました。仲間内のところではそうしましょう。

でも、さすがにエルフ領での公式な場ではそれなりの対応にしますよ。

すっかり遅くなってしまったわ。

ソニアちゃんは、何が食べたいかなぁ。」


「お菓子。」


「お昼にお菓子だというのはちょっとねぇ。」

「カロリーナちゃん、私は今だけ王族になります。

お菓子の屋台にご案内してくださらない。」


「ソニアちゃん、お昼にお菓子だけ食べるのはダメよ。

これから成長期なんだから。んっ、成長期に入るのよね。

バランスのとれた食事をとらないと、つるぺたになるわよ。

シュウお兄ちゃんは巨乳好きなのよ。」

「えっ、昼にお菓子だけを食べると胸が成長しないの・・・・、よし、牛乳も飲んでやるか。」


ソニアちゃんにお菓子と牛乳だけでない食事を取らせるために、サンドイッチのようなバランスの良い食事を売っている屋台を探して、王城に向かう道を進んだ。


王城に向かう道はかなり広かった。

真ん中は荷車や大きな荷物を運ぶための道であり、その両脇が普通の歩道になっていた。


歩道と言っても一方は店舗に面しており、もう一方には露天商が並んでいた。

店舗と露天商に挟まれて歩道があるような感じなのだ。

当然、お店を覗くと歩道に立ち止まってしまうことになるが、それでも歩行するのに不自由することがないほど歩道も広かった。


それほど広い道なのだが、多くの人や荷車が行きかい、歩道に面した店舗と露天商は切れ目がないほどびっしりと立っていた。

マドリンの中心街も同じような道の作りだったが、人もお店もけた違いに多かった。


あちこち覗いておいしそうなものを探そうと思ったのだけど、ちっちゃいシュウと化したソニアちゃんが空腹に耐えきれず、えいっやぁでおいしそうな匂いを漂わした屋台へ突撃し、声を掛ける暇もなく、商品をくわえて、お金を払っている。


「ふがふがふが、・・・・・・・もぐもぐもぐ、ふがふがふが、・・・・・・・もぐもぐもぐ、」


「ムリしてしゃべらなくていいから、お口が空になってからしゃべってね。

その肉まんがおいしてのはわかったような気がするから。」


「ソニア様はお菓子のような食事を選びましたね。」タイさん

「肉まんって、お菓子なの、それとも食事なのかしら。」アイナさん


「食事時に食べたら食事で、それ以外の時間に食べたらおやつ、つまり、お菓子じゃないの。」わかったようなわからんような曖昧の答えで誤魔化すカメさん


「じゃぁ、ドーナッツも食事時の時に食べたらお菓子にカウントされないの。」お菓子も食事と認められそうな話題に食いつく肉まんを食べ終わったソニアちゃん

「う~ん、ドーナッツはいつ食べてもお菓子のような気がする。」


「肉まんは食事とおやつになれるけど、ドーナッツはお菓子にしかなれないの。なんかおかしいわよカメちゃん。

食事に認めてもらえなかったドーナッツ様に謝れ。メソ。」ウソ泣きして、カメを追い詰めるソニアちゃん


「げっ、やば。ソニア様、やっぱりドーナッツは食事かなぁ。」

「じゃぁ、これからは食事にドーナッツを食べまくってもいいって言うわけね。」何気にお菓子だけの食事でも認められそうで、勝ち誇っているソニアちゃん


「ソニアちゃん、ツルペタ。」

「わかった、オネちゃん、ちゃんと牛乳も飲むよ。」


なんか話が元に戻ったような。


そんな楽しい会話とそれぞれ好きなものを屋台で一杯食べながら私たちは王城に続く道をゆっくりと進んで行ったのだ。


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


感想や評価、ブックマークをいただけると励みになります。

よろしくお願いします。

もちろん、聖戦士のため息の本篇の方への感想、評価などもよろしくお願いします


この物語「優しさの陽だまり」は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。


第108旅団の面々は3つのパーティに分かれて行動することになりました。


「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」

の本編はシュウを中心として、月の女王に会いに。

「優しさの陽だまり」はエリナを中心としたエルフ王族の寿命の調査にエルフの王都へ。

もう一つは駄女神さんを中心とした風の聖地の運営に。


この物語ではエリナの王都での活躍をお楽しみください。

また、この物語は本編の終盤に大きな影響を与える物語となる予定です。


10/5より「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。

この物語も「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。

「優しさの陽だまり」の前提ともなっていますので、お読みいただけたらより一層この物語が美味しくいただけるものと確信しております。



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