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30話目 事の顛末をご報告 中編

「お疲れ様でした。話はメイドたちより聞いています。

大丈夫ですか。

一晩中アマデオさんに寄り添い、戻ってくるように話していただいていると聞いています。

王都の気候がいくら温かいとはいえ、外で、まして魔の森で過ごすとは大変でしたでしょ。風邪など召しておりませんか。」


「大丈夫ですよ。

まぁ、魔の森にいたわけじゃなく、ちゃんとした宿舎で寝ていましたし。」

「王都の下町で宿を取ったということでしょうか。」

「その辺は私の部屋に行って、心配していた皆さんに報告します。

まずは今回の依頼者のメイドさんたち、私の仲間たちに報告すべきだと思います。」


「今回のアマデオの事は申し訳なかった。

それで、アマデオはどうしました。」


「それを含めて報告したいと思います。

まずは依頼者に報告するのが筋だと思います。

ご一緒にお聞きになりますか、それとも別に報告した方がいいでしょうか。」

「これ以上、私たちの家族のことで手間を掛けさせるのは申し訳ないので、私は一緒でもいいが、リリアナはどうだろう。」

「私もご一緒で構いませんわ。」


「お二人にはアマデオさんに対する本当の気持ちをお聞きしたいと思います。

それはアマデオさんとの約束なんです。

皆の前でお聞きすることになりますが、それも構わないでしょうか。」


「既に人類魔の方も、メイドたちも、私たち家族の問題に巻き込んでしまった。

私の思いも聞いてもらう方がいいだろうな。

やっぱり一緒がいいね。」

「私も夫の言う通りに、一緒に全てを聞いてもらった方がいいと思います。」

「それでは、私の滞在している部屋に行きましょうか。」


リリアナさんの後ろに控えていた、私付のメイドさんが案内するような形で、ゲストハウスの中をを移動し、私の部屋にやって来た。


「お姉ちゃん、お帰り、疲れてない。」

「大丈夫よ、朝寝坊するぐらいゆっくり寝たから。

ソニアちゃんは足のしびれは治ったの。」


ソニアちゃんは、おかんメイトさんの方をちらっと見てから口を開いた。


「何とかね。足のしびれ口がまで伝わるほどだったよ。」

「明日からは一人で起きないとね。」

「起こしてくれるのがメイドさんの仕事じゃないの。」


「ソニアちゃん、ヤツはメイドじゃないの、お・か・んメイドと言う別の生き物なの。

そんなものに頼っちゃだめ、明日は2時間正座説教になるわよ。」ひそ

「そっかぁ、そうだったんだぁ、納得だよ。

通りでお姉ちゃん付きのメイドさんと私の扱いに天地のような差があると思ったよ。」ボソ


「お二様、何か私にご用でも。」ヤツだぁ

「「あっ、お茶をありがとうございます。」」

「どういたしまして。」


話を聞く者たちに私付のメイドさんとヤツがお茶を入れてくれた。

それが終わった後は、話を聞くために一番後ろにそっと移動した。


「メイドさんたちも座ってくれますか。」

「私たちはこれが仕事ですから、ゲストとホストがいらっしゃる前では座れません。」


「わかりました。

あっ、まずはお土産ね。出かけていたらお土産よね。

ええとこれは特一風見鶏村の奥さんたちからです。

あんまんです。後で蒸していただけますかね。


えっと、これが人類領の第1081基地にいるサッちゃんからもらった。今朝雌鶏が生んだばかりものを使ったゆで卵です。これはどうするかはメイドさんに任せます。


それと、これは基地の運営者のじいさんに持たされたバートリ産のお茶です。

大変いい香りがしますので後で入れていただけますか。」


「これが天然平目ちゃんの真の姿ですのね、あなた。」ヒソヒソしても聞こえているわよカロリーナさん

「しっ、取り敢えずはそういう生き物だと無理にでも思い込んで、聞き流して。」ヒソヒソしても、聞こえているわよカメさん


「ヒソヒソ夫妻にはお土産なしね。これからもっといいものが出てくるのに残念ねぇ。」


「わたしはヒソヒソしていないからお土産貰えるわよね、お姉ちゃん。」

「もちろんよ、ソニアちゃん。

そしてこれが、本当のお土産です。魔の森の緑の蛍光色に光る草。

きれい・・・・・、夜に見てね。」

「わぁぁぁい、光る草だ。お姉ちゃんありがとう。」

「どういたしまして。」


「「「「「・・・・・・・」」」」」 (心の声の意訳: 何だこの生き物たちは)


「エリナさん、お土産ありがとう。

皆さんは光る草のお土産も欲しいけど、お土産話、アマデオさんのことも聞きたいみたいですよ。」


「「「「「うん、うん、うん」」」」(心の声の意訳: 良く言ったぁぁぁ、流石タイさん。)


「あっ、そうか。お土産を渡すために集まってもらったんじゃなかったもんね。ごめんね。」

「「「「「うん、うん、うん」」」」(心の声の意訳: その通り、ようやく始まるのか)


「私はメイドさんたちの依頼で、魔の森にアマデオさんがいないか見に行きました。

魔の森で迷子になっている人がいるのは事前に感じられたので、食料とか毛布を持って行ったのです。

魔の森の大きな木の下に迷い人はうずくまっていました。


やはり、アマデオさんでした。

私は何故ここで迷っているのかを彼に尋ねました。

初めはなかなか口さえ開いてもらえませんでしたが、餌につられてぽつりぽつりと話をしてくれました。


どうも、昨日の交流会と言うか人類のホスト役から逃げ出したようなんです。

そんなにホスト役が嫌なのか聞いたところ、そんなことはなくて、是非やってみたいと考えていたと言ってました。


彼は人類の生みの母より人類式の教育を受けて、30歳までにはエルフ族の教育で言うと100歳時の大人と同じレベルに達しているそうです。

その後も研鑽、特に人類と人類領について独学で研究を進めて、ここエルフ領では人類の専門家と言っていいほどの見識を持つと自負していたようです。


そのため、彼の一家が私たち調査隊のホスト役を務めることになったと聞いた時は小躍りしたくなるほどうれしかったようです。

漸く、自分のこれまでの研鑽が生かせることができると。


しかし、自分の研鑽には全く興味がない、全く無理解な方から、教養のない奴は黙ってメインホストの脇でただ微笑んでいればいいと言われたそうです。

せっかくの自分のこれまでの努力を生かせる機会だったのに、それを無理解な者から奪われたことに対して絶望したようです。


これまでも自分の持つ教養を生かせるように何かさせてくれとその方に何度も何度も懇願してきたようです。

その度に拒絶され、拒絶それるたびに自分の心を癒しに魔の森に入っていたそうです。


それでもさすがに今回のことは耐え切れずにもうこのまま魔の森で朽ち果てても良いという覚悟、というか、生きることに絶望して、魔の森に留まっていたというのがアマデオさんが魔の森に潜んでいた理由だと語ってくれました。」


私はみんなの方を見た。


人類側のメンバーの反応は驚きと、アマデオさんの境遇に同情したのか、驚きと悲しみが混じったような表情をしていた。


リリアナさんとメイドさんの二人はやっぱりそうかという、心当たりがありそうな驚きはしているのだが冷静な佇まいを見せていた。


そして、事務局長は無表情だった。

ただ静かに私の話を聞き流している人形のように。

そう、事の当事者ではなく、無関係なしょうもない奴の出来事だとばかりに聞き流しているような感じなのだ。


私は怒りが腹の底から湧いてくるのを我慢できなくなりそうだった。


こんなことがあってもいいのか。

家族が家族の一員を消えてなくなりたいと思い悩むまで追い詰めていることに。

追い詰めた当事者が、私とは関係のない世界という様に無表情でここの場所に居ることに。


私は覚えたての炎の魔法属性フィールドを展開してこのゲストハウスを、王城を、王族と族長会議の施設を何もかも、幽霊さんを苦しめてきた施設も人もすべて焼き払いたくなった。


体が熱い、心が熱い、理不尽に対する怒りで燃えるようだ。

もう我慢できそうにない。制御することができない。


「お姉さま、もう少し待って。

まだ、幽霊さんとの約束を果たしていませよ。

彼の父親から幽霊さんに対するこれまでの思いを聞いていません。

それを聞くのが彼との約束でした。

それを聞いた後でもここにあるもの、旅団の仲間以外は、すべてを灰にしてもおそくはないとおもいます。

こんな無慈悲な者が指導するエルフ族などとの友好は、死神さんも旅団も、そして人類も誰も望まないと思います。」ゴセンちゃん


そうだった。私はまだ、幽霊さんから依頼を果たしていない。

まだ、全てを灰にすることはできない。

でも返答次第では。

「すべて灰にしましょう。

腐ったヤツが指導者に居ると、そこに生きる者をすべて腐らせ、関係した者をすべて不幸の渦に落とすことになりますわ。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


感想や評価、ブックマークをいただけると励みになります。

よろしくお願いします。

もちろん、聖戦士のため息の本篇の方への感想、評価などもよろしくお願いします


この物語「優しさの陽だまり」は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。


第108旅団の面々は3つのパーティに分かれて行動することになりました。


「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」

の本編はシュウを中心として、月の女王に会いに。

「優しさの陽だまり」はエリナを中心としたエルフ王族の寿命の調査にエルフの王都へ。

もう一つは駄女神さんを中心とした風の聖地の運営に。


この物語ではエリナの王都での活躍をお楽しみください。

また、この物語は本編の終盤に大きな影響を与える物語となる予定です。


10/5より「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。

この物語も「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。

「優しさの陽だまり」の前提ともなっていますので、お読みいただけたらより一層この物語が美味しくいただけるものと確信しております。


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