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27話目 君にしかできないこと

「秘書官の側で稼げそうな仕事ならあるよ。」こそこそ戻ってきたじいさん、こそこそ具合はさすがGさんだ


「そんな美味しい仕事があるんだ。是非私の側でやらせてあげてください。」

「きっと、稼ぎより持ち出し経費の方が掛かるブラックな仕事に違いない。」サッちゃん


「それはどのような仕事ですか。

皆さんの役に立って、そして、人類の生活や仕事ぶりをいろいろ知れたらうれしいなぁ。」

「幽霊さん、そんな美味しい仕事、きっと真っ黒ですよ。

今のうちに断った方がいいですよ。

Gさんがもってきた仕事なんて・・・・、秘書官の部屋か台所を徘徊するとか。」


「げっ、私の部屋を徘徊・・・・・・・、やっぱ、その仕事を断れ幽霊。」


「急にどうしたんですか。いつも側にこんなイケメンに居てもらえるんですよ、

特に私生活の面で。

最高じゃないですか。

私なんてシュウとずっと一緒にいる仕事があれば、そこに永久就職するわよ。」昨日からシュウと別行動でちょっと寂しいエリナちゃん


「いや側に居てくれるのはものすごくうれしいんだけど、わたしの部屋でっていうのが、なんというか、かんというか。」


「ごみ部屋で徘徊するスペースがないんだ。」みんな思っていても口に出せないことを平気でいうサッちゃん


「なっ、なっんと言うことを言うんだ貴様は私の部屋は何もなくて、きれいで、前方2回宙返り1回半ひねりの床運動ができるぐらい広々としているんだぞ。」

「確かに失敗してもなにがマットレスの代わりになって安心と言うことね。」

「そうそう、ゴミがマットレス代わりになってどこで転んでも安心・・・・・・、はっ。」


「僕は掃除は得意ですよ。王城にいたときには暇だったので掃除も毎日していました。」

「良かったじゃないですか、秘書官殿。汚部屋も気にせずに掃除までしてくれるって。」

「なっ、何を言うの私の部屋は整理整頓、ピッカピカ、余りの光具合で夜も明かりいらずよ。」

「ああっ、確かに、何かの油でべたべたの上、光っていたわね、あの汚部屋の床は。」


「掃除のし甲斐がありますね。

汚部屋でも気にしません。掃除は任せてください。」


「だから、私のお部屋は汚部屋じゃないって・・・・・・、うぇぇぇぇん、信じて。」


「そこまで言うのなら、実際にお部屋を見に行ってみましようか。」天然平目ちゃん発動

「あっ、今日はちょっと、えっと、そうそう田舎の母ちゃんと妹が遊びに来ていて、まだ寝ているんだよ、そう、寝てんのね。

だからまた今度ね。来週ならいいかも。」

「えっ、秘書官のお母さん見つかったの。それは是非に挨拶にしておかねば。」同じ孤児院出身サッちゃんの痛すぎるさりげない突っ込み


「俺も日頃、妻がお世話になっているので、お母様にはご挨拶を。」詳しい事情は知らないけど場の話の流れに乗っかった発現のじいさん


「えっとぉぉぉぉぉ、・・・・・・・、しっつれいしましたぁぁぁ・・・・・」誤魔化しで断崖絶壁に追い込まれて、とうとう尻尾を撒いて逃げ出す秘書官


「僕の仕事がまた去って行く。

どうしていつもこうなんだ。

僕は人類領でも必要とされていないんだ。うううっ、」汚部屋の掃除でも仕事がもらえそうでうれしかった幽霊さん、幽霊が絶望したらどうなるんだ


「ああっ、幽霊さんにはそんなお部屋の、あっ、はいはいサッちゃんわかってますよ汚部屋ね、掃除なんてお願いしようとしたわけではないんですよ。


実は俺はこことバートリ、教会本山を行ったり来たりしているんだけど、外に行くとなかなかここと連絡が取れないんだ。

人類の祠の転移魔法陣は魔力をバカ食いするから、なかなか戻ってこれないことも多いんだよ。

ちょっとした用ならここに戻らなくても、こっちにいる人たちで済ましてほしいんところがあるんだけど、お願いするというか伝言を渡せる相手がいないんだよ。


幽霊さんは優秀な風魔法士と感じたんだ。

だから、ここの連絡要員として、秘書官の側についていて僕の話を彼女に伝えてほしいんだよ。」


「じぁ、僕にもできる仕事があるんですね。」

「むしろ幽霊さんにしかできない仕事だと思うよ。協力してくれるかなぁ。」

「僕にも仕事がある。僕にしかできない仕事がある。・・・・・・・。

是非やらせてください。

お願いします。

報酬なんていりません。

人の役に立つことが出来るだけで満足なんです。」


「幽霊さん、それはだめ、ちゃんと報酬は受け取らないと。

ボランティアを募集しているわけではないのよ。

仕事ができる人を望んでいるの。

働いた分の対価はちゃんと受け取らないと。

次の人が困るわ。」


「次の人が困るって? 」

「そう、あなたの次にここで連絡員になる人。

その時に仕事にふさわしくないような低い報酬だったらどうかしら。

じいさんは前任者と同じでいいと思うだろうし。

もしかして、余りのブラックさになり手がいなくて、じいさんが困ったり、後継者がいなくてあなたがずっとそれをやり続けなければならないなんてことも考えられるわね。

あなたはもっとやりたいことが出来て、ここから出て行きたいのに引き継ぐ後輩がいない。


仕事として引き受けたいなら、正当な報酬は要求すべきです。

そうしないと、皆が後々苦い思いをしますよ。」


「わかりました、じいさん、連絡員はぜひやらしてほしいですが、僕の仕事としてやりたいので、相応の報酬をいただけますか。」

「わかった、取り敢えず秘書官と同じ給料で。」


「えっ、そんなに貰えるんですか。

じゃぁ、私がやります。

幽霊さんは調理番を代わりにやって。」

「どっちがやってもいいけど、勤務時間は設けないし、休みは不定期だぞ。

当然、残業手当はなしだ。」


「げっ、社畜じゃんそれ。

ブラック仕事反対~い。

雇い主に抗議するぅぅぅ、ストライキしてやるぅぅぅ。」


「しょうがないだろ、いつ連絡が必要になるかはわからないし。

それに休みはあるぞ。俺がここにいるときは基本休みだな。」

「ほほ~っ、じいさんをここに縛り付けておけば毎日休みじゃん。いいかも。」

「それじゃ、仕事がなくて、すぐクビだな。」


「やっぱ、幽霊さんがやって。私向きの仕事じゃないわ。

いつ来るかわからない連絡を待ってらんないわ。」

「あっ、そう言うことなんだ。だから、幽霊さんに頼むんだ。」アマデオ君が幽霊さんと呼ばれているのに誰も突っ込まないので、エリナもそう呼ぶことにしたのか


「僕に頼む理由があるの。」幽霊でも何でも呼びかけてもらえるだけでうれしい方

「そうよ、幽霊さんしにしかできないのよ。

いつ来るかわからない連絡を待ち続けるなんて仕事はエルフ族の気質を持つあなたにしかできないってことね、」

「そう言うことだ。

保守的で変化を嫌うエルフ族だけど、この仕事に関しては一つのことをじっくりとやり遂げる力、粘り強く我慢強い気質を持つエルフ族にしかでないと思うよ。

秘書官だったら半日でいなくなっちゃうよ、飽きて。」


「そうか、そうい事なんだね。

僕にしかできないじいさんとの、或いは外部との連絡役。

僕、頑張るよ。自分にしかできそうにない仕事は僕がやらなきゃね。」


「幽霊さん、そうよ。あなたの代わりは今のところいないわ。

あなたに頑張ってほしいとみんな思っているわ。」


「ありがとう。なんかうれしいな。僕にしかできないことがここにあった。

僕がいないと困る場所があった。

僕が居て良い場所があった。

何か凄いね。

希望とやる気で心がはちきれそうだよ。ぐすん。」


「泣いてどうするのよ。まだ始まってもいないのよ。

うまくやれて褒められたら、泣きなさい。」サッちゃん

「ごめん、うれしくって。自分の居場所が出来て。ぐすん。」


幽霊さんは妖精の首飾りを持った手で、うれし涙をぬぐった。

何か私もうれしくて、昨日はあんなに悲観に暮れた奴から今日は希望に満ち溢れた幽霊さんの顔を見られたのがうれしくて、目から汗が出できた。


私は誤魔化すように手で目からの汗を拭って言った。

「じいさん、サッちゃん。幽霊さんをよろしくお願いします。」

「幽霊君よろしくな。」

「よろしくね。それと幽霊さんは定職に就いたので家賃と食事代は給料天引きだから。」


「よろしくお願いします。僕はここで頑張る。やり直すんだぁぁぁ。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


感想や評価、ブックマークをいただけると励みになります。

よろしくお願いします。

もちろん、聖戦士のため息の本篇の方への感想、評価などもよろしくお願いします


この物語「優しさの陽だまり」は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。


第108旅団の面々は3つのパーティに分かれて行動することになりました。


「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」

の本編はシュウを中心として、月の女王に会いに。

「優しさの陽だまり」はエリナを中心としたエルフ王族の寿命の調査にエルフの王都へ。

もう一つは駄女神さんを中心とした風の聖地の運営に。


この物語ではエリナの王都での活躍をお楽しみください。

また、この物語は本編の終盤に大きな影響を与える物語となる予定です。


10/5より「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。

この物語も「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。

「優しさの陽だまり」の前提ともなっていますので、お読みいただけたらより一層この物語が美味しくいただけるものと確信しております。


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