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17話目 迷い人 その2

「は~ぁっ、食った、食った。お腹がいっぱいだわ。

げっ、やばいこれから夕飯だったんだ。どうしよう。


ローストビーフにミートパイ、エビチリに麻婆豆腐、肉まん、シュウマイ、餃子、青椒肉絲、天津飯、いろいろな料理を堪能するはずだったのに、お腹がいっぱいだわ。


このまま帰ったらおかんに怒られるわね。

だから、おやつの食べ過ぎはダメだってあれほど言ったでしょって、最低小1時間の正座付きお説教コースだわ。


すべてあなたが悪いのよ、私が勧めたのに無視して食べないから、あまりに美味しそうだったので一人でお腹いっぱい食べちゃったじゃない。


全部あんたのせいなんだからね。

小1時間の正座説教で足が縮んだらどうしてくれるの。

長い綺麗な足が大好きなシュウに嫌われちゃう。


うあぁぁぁん、生きていけない。

シュウに嫌われたら生きていけない。

うううつ、全部あんたのせいよ。

どうしてくれるの、私の自慢の美脚を返して。」


「ちょっと待ってよ、全部自分が勝手にしたことだろ。

僕は何もしていないよ。

勝手に寄ってきて、勝手に飲み食いして、勝手にお腹がいっぱいになって、勝手に夕飯が食べられなくて、勝手に叱られて、勝手に彼氏?に振られるんだろ。

僕はそんな身勝手に付き合っていられないよ。」


「むむむっ、確かに。

私が勝手にあなたに寄ってきて、勝手に飲み食いして、勝手にお腹がいっぱいになって、勝手に夕飯が食べられなくて、勝手に叱られて、シュウに振られるの・・・・・。


ちょっと待ってそんなの許されるわけないじゃない。


何であんたの様子を見に来て私がシュウに振られなきゃならないの。

ほんといい迷惑だわ。責任取って。」


「そんなの言いがかりだよ。君が勝手にしたことじゃないか。」

「・・・・・・・、確かに私がしたことよね。全部。

私がしたくてやった結果、シュウに振られる。

私の身勝手な行いは、最後は自分ですべて責任を負う。

まぁ、それはしょうがないわね。」


「ちょっと、諦めたような言い方してるけど、そのシュウとか言うやつに振られてもいいのか。

ちゃんと説明しないのか。どうしてそうなったか。


ちゃんと説明すればわかってくれるよ。

君もそのシュウ君もお互いのことが好きなんだろ。

それなら、ちゃんと話せば、まずは話してみることから始めないと。

自分の思いをきちんと伝えないと前には進めないよ・・・・・・・。

そう僕のように。」


「わかったわ、まずは、おかんに話してみる。

何でお腹がいっぱいになって、夕飯食べられなくなったか。ちゃんと説明する。

それでわかってもらえなかったら、一緒に謝ってくれないかしら。」


「何で僕が君のために一緒に謝らなければいけないんだよ。おかしいよ。」


「ん~っ、それは、繋がりができたからかな。」

「君と僕が繋がった? 僕の隣で食べまっくっていただけじゃないか。

何の繋がりがあるんだ。


「あなたの様子を見てくるように頼まれたて、私がここに来たことでよ。

きっかけはそんなもの。

そして、私がシュウに振られそうになっているなんて許せるはずはないでしょ。

だからあんたも一緒に謝るの。私のために。」


「君のために・・・・・。」

「そっ、きっかけは良くわからないけど、関わりのできた私が困っているのよ。

助けるってもんが人情じゃない。

頭を下げるぐらいで減るものは何もないじゃない。

何か減るものがあれば言ってみて。

今度は私が減ったものを何とか補ってやるわよ、いいこと。」


「僕が君と一緒に謝って、僕が失うもの、・・・・・・何もないな。

でも得るものもないよね。」

「何を言っているの、得るものはあるわ。」

「何がもらえるんだよ。」

「私からの感謝の言葉。

私との繋がりが強くなること。

そして、私が繋がっている人とも繋がるチャンス。」


「そんなもの、君との繋がりなんて・・・・」

「要らないの。チャンスはいらないの。」

「王族や王城に勤めるもの、王族と族長会議の関係者以外の者との、外にいる者との繋がりか。

外に居る僕のことを色眼鏡で見ない者との繋がりか。」


「あなたここでは皆に色眼鏡で見られていたの。」

「ああっ、そうだよ。」

「面白そうな話ね。聞かせてくれる?」


「そんなこと聞いてどうするんだ。」

「お腹がすくまでの暇つぶしよ。」

「暇つぶしのために僕が話さなきゃなんないのか。」

「私とあんたの繋がりなんて、その程度でしょ、今のところ。

それとも一緒におかんのところに行って、一緒に謝って、最悪一緒に小1時間正座説教食らう。」

「説教をされるのは君だけでしょ。」

「一緒に謝りに行った時点で、同罪よ。

だって私が爆食いしていたのを止めなかったじゃない。

ちょっとだけ繋がりがあるのに。」

「げっ、何という巻き込み方だ。」


「だから、あなたの話、あなたの思いを今聞かせてよ。

もちろんタダとは言わないわよ。

まずは、このサンドイッチをどうぞ、お茶も飲んでね。」


「・・・・・まぁ、良いか。話す報酬としてもらっておくよ。」

「まずはゆっくりと食べて、お茶を一口飲んでから話して。

時間はあるから。

私のお腹にあるさっき食べたものが消化するまでの時間はたっぷりあるから。」


「そんなに食べてたの。」

「しようかないじゃない、おいしかったんだから。

さっ、あなたもどうぞ。

お腹が空いては話したいこともうまくまとまらないわよ。」


彼は私付きのメイドさんが作ってくれたアップルパイを一片かき込むように食べた。

やっぱりお腹が空いていたんじゃない。


「落ち着いてお茶もどうぞ。」

「ありがとう、お腹が思いっきり空いてたんだ。のども渇いていたし。」


「話が長くなりそうなので、もう少し食べて飲んでからでもいいわよ。

それと寒くなるといけないのでこの寝袋に入って。」

「君は寒くはないのかい。」

「私はこちらの毛布をかぶっておくわ。だから寒くはないわよ。

それに、風も何故か今日は暖かいのよね。

きっと風の精霊様が春風を私たちに恵んでくれているのね。」


食べて、飲んで、暖まって、漸く話を聞くことになった。


「僕はアマデオ、エルフと人類のハーフだ。

父はエルフ国王の第2王子で、王族と族長会議の事務局長をしているんだ。

母は人類の人で、もうとっくに亡くなったんだけどファンニというんだ。」

「私はエリナ、人類よ。」


「人類・・・・、じゃぁ、王族のゲストじゃないか。

それにちょうど今頃、王族と人類のゲスト、特に190年ぶりに見つかったというソフィア様の忘れ形見の・・・・・。」

「そう、ソニアちゃんをエルフの王族にお披露目する日ね。

ソニアちゃんは人類領で私とシュウの家族、シュウは私の旦那で、ソニアちゃんは私たちの妹として一緒に暮しているの。」


「そんな大事な会をすっぽかして、僕の様子を見に来たのか。」


「あっ、その辺は気にしないで、最初に言ったように私がそうしたいからここにいるだけだから。

お腹が一杯になっちゃたのは想定外だけど。


ここに来る前に、同じようにソニアちゃんがお菓子でお腹を一杯にしてお付きのおかんメイドさんに20分間正座をさせられてありがたいお説教を聞かされたのは事実よ。

姉の私だったら確実に正座小1時間の説教よね。」


「そうだね。わかったよ。叱られそうになったら僕も一緒に謝るよ。」

「ほんと、ありがとう。これで30分になれば儲けものね。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


感想や評価、ブックマークをいただけると励みになります。

よろしくお願いします。

もちろん、聖戦士のため息の本篇の方への感想、評価などもよろしくお願いします


この物語「優しさの陽だまり」は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。


第108旅団の面々は3つのパーティに分かれて行動することになりました。


「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」

の本編はシュウを中心として、月の女王に会いに。

「優しさの陽だまり」はエリナを中心としたエルフ王族の寿命の調査にエルフの王都へ。

もう一つは駄女神さんを中心とした風の聖地の運営に。


この物語ではエリナの王都での活躍をお楽しみください。

また、この物語は本編の終盤に大きな影響を与える物語となる予定です。


10/5より「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。

この物語も「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。

「優しさの陽だまり」の前提ともなっていますので、お読みいただけたらより一層この物語が美味しくいただけるものと確信しております。


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