第一話〜オールバックにグラサンは付き物〜
初めまして。
なんとなくぼーっとしてたらはっと思いついたんで小説にしてみました。
適当な文章ですけど最後までお付き合いいただければ幸いです。
更新も適当にやりますww
ギャグセンスなくてすみませんっすm(__)m
「二〇六四年、世界は米中貿易戦争の悪化により、各地で代理戦争が行われた。
中でも第二次朝鮮戦争の勃発は全世界を混乱させるものだった。
そしてこの時すでに中国の経済力、軍事力はアメリカを上回り、この戦争も中国側の勝利が目に見えていた。
が、しかし。二〇六五年四月八日、事態は大きく変化した。なんだかわかるか?」
電子黒板の前でポケットに手を突っ込み、サングラスをかけたオールバックのおっさんの教師が席に座る生徒らに質問を投げかける。
すると、一人の女子生徒が大きく手を挙げた。
「はい。アメリカ政府が突如発表した、魔核生物兵器DFが戦場で起用されたからです」
「そうだ。魔核生物兵器DF。略さずに言うとDeus ferocissimus、ラテン語で獰猛な神を意味する。この兵器がその後の戦争をどう展開し、人類にどんな影響を及ぼしたかは言うまでもないだろう」
強面の教師はそこから授業に繋げていく。
その教室の窓側の奥、中森桜は窓の外をぼんやりと眺めていた。
(はぁ、あと少しで卒業かぁ………)
「おい、中森!」
ビクンッ!!!!
強面教師の突然の喝に一同が一瞬震える。名前を呼ばれた桜は尚更震え上がっていた。
「中森桜ぁ、お前、今授業聞いてなかったろ?お前は単位ギリギリなんだから卒業試験通らないと一年からやり直しだぞ」
「は、はい!わかっております!組長!」
桜は勢いよく立ち上がると、半泣き状態で後ろに手を組み頭を下げる。
「誰が組長じゃ!もういい、あとで職員室に来い!」
(もう嫌だ………。)
それから授業が終わり、桜は力が抜けるかのように机に突っ伏した。
「さくちゃん、今日もえらい怒られようやったね」
そんな桜の元に近寄るのは少しぽっちゃりした女子生徒で桜の小学校からの友人の林裕子だった。
「うん……。もうあの顔であんだけ大声出されたら殺されるかと思うよ……。ていうかなんであの人授業中なのにグラサンなの?」
「まああの人は絶対何人かヤってるよね。それよりさくちゃん、職員室行かなくていいの?さっき組長に来いって言われてなかった?」
その言葉に桜はハッとする。
「そうやったぁ〜!!あぁ〜〜!絶対アレだぁぁ!」
桜は泣きながらそう叫び、全速力で教室を飛び出した。
「お前、廊下走ったろ」
桜が職員室の組長の机に着くと組長は腕を組み、足を組んで桜を睨みきかせていた。
「おい、廊下走ったろ」
「ゼェーハァー、いえいえ、先生も冗談がお上手で」
桜が笑うと、組長も声を出して笑い始め、
「バカヤロウ!!そんだけ息切れしといて何誤魔化そうとしてんだ!校則で廊下は走るなと言われているだろうが!」
突然鳴り響く組長の怒号、他の先生も半泣き状態に陥ってた。
「すんません!!組長!!」
またも桜は手を後ろで組んで頭を下げる。もはや恒例の行事であった。
「だから、誰が組長じゃ!それよりも、今日は別の用件だ。お前、進路はどうすんだ?」
「………。なーんだ、補習の話じゃないんですね!」
予想とは全く異なる内容に桜は安堵の表情を見せ、緊張を解く。
「何が『なーんだ』だ。言っとくがもちろん補習はあるぞ、それにこれは軽い感じで躱せる話じゃねぇ。お前はあと数ヶ月で卒業だ。卒業試験に通った場合の進路は大きく言って二つに分かれる。DFKか支援隊、このどちらかにしか道はない」
組長は真剣な表情で言い切る。それに対して桜は少し浮かない顔をしていた。
「………」
「はぁ、わかった。もう少しだけ待ってやる。それまでにきっちりと答え出しとけよ」
「さくちゃん、進路はどうするの?」
教室に戻った桜は裕子に組長との会話を話していた。
「うーん。どうするかねぇ?」
「もう、ちゃんと決めないとまた一からやり直しだよ?」
「それはそうなんだけど……。ゆっちゃんはもう決めたの?」
机に顎をくっつけた状態で桜は隣に立つ裕子を見上げて言う。
「私?私は決めてるよ」
「え!!?早っ!!」
どうやら桜が本気で望んでいた回答とは違ったようだ。
「うん。実はね……お姉ちゃんが支援隊所属でね。来ないかって誘われてるんだ」
桜は内心(チッ、コネか)と愚痴を吐きつつも、表では「そうなんだ〜〜。。」と言って、あたかも関心ありますよ感を出していた。
しかし、桜も別にやりたいことがないわけではなかった。
(DFKか……)
桜は不安を胸に抱えながらとりあえずその後の授業を寝ることにした。
翌日
一限を終えると担任の組長から職員室への呼び出しがあった。
(チッ、あのグラサンヤクザ、二日連チャンで呼び出しとかふざけんじゃねぇぞ)
女子高生とは思えない桜の声に若干引くところはあるがそれは置いておこう。
組長の机に向かうと何やら見慣れない服装の女性と話していた。
身長は桜よりも少し高いだろうか。ショートヘアでスタイルも良いその後ろ姿に周りの教師も見とれるほどだ。
「組長!中森桜、ただ今到着いたしました!」
突然の大声に女性の方は少しビクついていたけれども、桜は特に気にしなかった。
組長は青筋立てているように見えたが、桜はそれも気にしないことにした。
「はぁ、中森、お前はいつもいつもーー」
「組長、この人はどちら様でしょうか?はっ、ま、まさか……私という人がいながら……浮気?」
「バカヤロウ!違ぇよ!大体なんで俺とお前付き合ってる設定!?………ったく、こちらはDFKの第十三班隊長の斎藤雪無さんだ」
組長は呆れた様子で話しの本題に持っていくため、女性の方を紹介する。
「初めまして、中森桜さん」
雪無は桜の方を向くと握手を求めた。
桜も一応挨拶をして握手を交わす。
「組長、そんな隊長さんがどうしてここに?」
「ああ、そうだな。まぁ、簡単に言えばお前、しばらく預かってもらうことになったから」
「………ホワッツ!!?」
桜は大変女子高生とは思えないほどの表情になって驚く。
(何故!?第十三班とか結構前線に出てる部隊だよ?バカなの?死ぬの?そしてなぜ私なのだグラサンよ!)
雪無の方を見るも優しく意味ありげに微笑んでいるだけで何も言ってこない。
「よろしくね!中森さん!」
そして、ポンと桜の肩に置かれたその手に桜は困惑以外の何もなかった。
(こんな展開、誰も望んでねぇよ!)
読んでいただきありがとうございます。
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次回もお楽しみに!