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悪夢の始まり

...ぉい、シン、起きろ!


タタタタ...タタタタタン...


何処からか俺を呼ぶ声が聞こえる。それに、これは銃声か?


「おい!起きるんだ!早く!」


タタタタタ、タタタタタ、


いったい朝からなんだってんだ。

しかも、こいつ誰だ?どっかで見たような気が...


「いいか、一度だけ言う。よく聞け。あいつらはもうすぐそこまで迫っているんだ!

俺達が時間を稼ぐ!その間にこの先の地下二階にあるシェルターに急げ!」


「ん...んん?あいつらって誰だ?しかもここどこ?」


回りを見渡しても見覚えのあるものはない。

たしか俺は、昨日飲みに行って、それから...くそっ思い出せねぇ。


「どこって、ここは地下3階の機関室だ。お前が何故こんなとこに居たのかは俺の方が聞きたいね。そしてあいつらのことだが...」


ダンッダンッダンッ


言い終わる前に前方の扉を叩く音が聞こえた。

いつの間にか銃声も止んでいる。


「早く行け!時間がねぇ!ここは俺が食い止めておく!早く!」


「お、おう、わかった。じゃあな。」


「幸運を。」


そして、後方の通路に向いた瞬間、背中に生暖かい液体がかかった。

恐る恐る振り替えると、


そこには頭から串刺しにされているさっきの男が居た。


「うそ、だろ。」


そして、串刺しにしているもの。それは触手だ。

頭上の通気孔から男に向かって真っ直ぐに伸びている。


「うあわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


俺は後方に向かって一心不乱に駆け抜けた。


バァン‼


ドアが破られる音がする。

それでも走るのを止める訳にはいかない。



扉をいくつか開け、その部屋に入った瞬間、俺は立ち止まってしまった。

何故ならそこは行き止まり立ったからだ。

代わりに大量のロッカー。


俺は手頃な、縦に長いロッカーに飛び込んだ。

その瞬間、


バァンッ!!!!


ドアが蹴破られそして、"あいつ"が入ってきた。


"あいつ"を見ると最初に目につくのはやはりゴツい体格と灰色の胴体だろう。

そしてその肌はぐちゃぐちゃで、所々から体液が吹き出している。

次は片方の手。そこに手と呼べるものはなく、代わりに触手のようなものが何本も出ている。

最後は顔だ。こいつの最も気味の悪い部分である。

何故ならその顔は人間のものだからだ。それも複数の。

そう、こいつの首には人間の顔が生えているのだ。そしてその一つ一つが訳の解らない事を呟いている。


俺はそいつに恐怖し、そして確信した。

ここはゲームの中の世界だ。飛びっきり最悪の。


そう、製作者にしてクリア不可能とまで言わしめたホラーゲーム、『Hell to you』の世界に俺はいる。

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