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タダで読むのが丁度良い物語  作者: 聖域の守護者
第2章 〜やっぱり帝国、次にシャウラッド、たまーーに日本〜
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第37話〜現在のシャウラッド〜

【シャウラッド コルカソンヌ シオン城 桔梗の間】

「ほう。

 シャウラッドと同盟ですか。

 それは穏やかではありませんね。」

「貴様には関係無いだろう。」


カテリーナが向き合っている この仮面男は未だに名前すら名乗っていない。


「我々は世界的な組織なのでね。

 そーゆー情報には敏感でして。」

「大君にはいつ会える?」

「今日中には会えますよ。」

「それは良かった。」

「ただ、条件が他にもあります。」

「何?」

「条件が1つだけだなんて私は一言も言っていませんよ。」


男の言動、そして何より男が付けている道化師の仮面がさらに彼女のフラストレーションを増加させる。


「今、この場で条件とやらを全て行ってもらおうか。」

「殿下がそこまで仰るなら。

 1、殿下がいらっしゃった経緯を全てこの場で話す。

 2、コルカソンヌから出ない事。

 3、一般市民との接触を行わない事。

 4、一切の戦闘行為を行わない事。

 5、一切の魔法発動を行わない事。

 6、前出の条件以外にも、いかなる状況でも私の指示に従う事。

 以上です。」

「何も出来ないと言う訳か。」

「大君との会談は明るくなってからですので、一先ずはお休みください。

 お部屋はご用意しました。」

「連れの部屋は?」

「勿論、ご用意しております。」

「案内を頼む。」

「外で待機させてあります。」


男は手でドアの方へカテリーナを促した。


「貴様の案内ではないのか?」

「私は忙しいので。

 正直、この時間も無理矢理作ったんですよ。」

「嫌な男だ。」

「ごゆっくり。」


カテリーナは部屋を出た。


【シャウラッド ゲッティゲン 中央広場】

「市内南西部に派遣された部隊と連絡が取れません!!」

「南西部を隔離地域に指定。

 直ぐに実行しろ。」

「報告します!!

 市内北東部にて、非難を開始した市民が死徒の襲撃を受けた模様!!

 護衛の部隊に被害が出ています!!」

「自己判断での撤退許可を通達した上で今直ぐに増援を向かわせろ。」


ゲッティゲン中央部の広場に設置された市内作戦指揮所には次から次へと戦況が報告される。

状況対処の指示を出しているのは、若手ながら市内作戦指揮所のトップに任命されたギマラエンス総隊長だ。


「外郭正門までの様子は?」


手元の地図に被害状況を書き込みながら、付近の偵察隊員に尋ねる。


「まだ確保できていません。」

「残っている部隊を投入して急いで確保しろ。」

「邪魔するよ。」


騒然としている指揮所に初老の女性が入ってきた。


「ナシメント団長!!」


彼女の姿を見るなりギマラエンスや他の魔導師達も敬礼をする。


「バカ正直にそんな事するんじゃない。

 時間の無駄だ。

 状況は?」

「市内南西部を隔離地域に指定。

 北東部でも着実に被害が広がっています。

 北西部の非難は完了。

 南東部は非難準備中。

 指示通り、避難民はシュノンス城に収容していますが、そろそろ限界です。

 しかし、外郭正門までの道は確保できていません。」

「悪いね。」

「正直に申し上げますと、これ以上の救出は不可能です。

 我々の被害と救出できる市民の数が釣り合いません。」

「もっともな意見だ。」


ナシメントは非常に悩ましいといった具合で地図を覗き込んでいる。


「報告します。

 死徒の一部がシュノンス城防衛線に到達しました。」


指揮所にやってきたのはナシメントが向かわせた偵察隊員だった。


「防衛線のどこだい?」

「北西部です。」

「最悪だね…。」

「団長!!」


偵察隊員からの報告を聞いて上官に指示を仰ぐギマラエンス。


「外郭正門への道を確保しな。

 城内の避難民を市外に護送するよ。」

「全部隊の状況は?」


ギマラエンスが傍に控える部下の女性に尋ねる。


「11、12、13番隊とは未だに連絡が取れていません。

 14、15番隊は市内北東部を制圧中ですが6名の被害が出ています。

 16番隊は避難民護送中に襲撃を受けて4名が死亡、残りの6名はシュノンス城防衛班に合流。

 既に防衛隊へ合流していた17、18、19番隊の内、17番隊を北東部へ派遣。

 18番隊は南東部の隔離を実施しています。

 20番隊は避難民を連れて移動を開始したと先程 報告がありました。

 21、22番隊は南東部の制圧を継続中。

 こちらにも3名の被害が出ています。

 23、24、25番隊はシュノンス城の周囲を防衛中。

 防衛線の北西部で交戦が確認されましたが、被害は出ていません。

 26番隊は城内にて避難民を護衛中。

 27、28番隊は外郭正門への道の確保を行なっています。

 先程の総隊長の命令で29番隊を応援に向かわせました。

 30番隊は中央広場及び指揮所の防衛を担当中です。」


彼女は手元の状況報告書を読み上げる。


「勿論、城からここまでの一本道は確保出来ているんだろうね?」

「出来ています。」

「それじゃあ、中の避難民をここまで連れて来な。

 市外に逃がすよ。

 余計な荷物は少ないに越したことはない。

 アタシは正門までの道を開けてくるから避難民の方は頼んだよ。」


ナシメントは部下を連れて指揮所の外に出る。

ギマラエンスも続く。


「市内の指揮を変わっていただければ私が戦線に出ますのに。」

「そうもいかなくなったんだよ。

 …、パロマノーヴァ市内からの連絡が途絶えた。」


ギマラエンスの足が止まった。


「…、全滅…、したと…?」

「ああ。

 少なくともアタシとアルシャンドルはそう考えている。

 だから一刻も早く非戦闘員を市外に逃がさなくちゃならんのだよ。

 1人やられるだけで戦況は大きく変わってくる。」


ギマラエンスはパロマノーヴァの惨状を想像して身震いした。


「話は終わりだ。

 直ぐに避難民を連れて来な。」


ナシメントは大きく跳躍して闇の中に消えていった。

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