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飛ばしてるね

8


キノーガルドに落ちて来てからもう10日目か……長いような短いような。


「あの岩礁地帯を森へ回避して進めばもうすぐサヒラやでー」


「おぉ!もはや岩山だなあれ」


わう


「怪我もせんで、よーついてきたな」


「カッツォ先生のおかげです。ひひひ」


わう


「いやいやあんたら頑張っとったでホンマ。昨日なんてうちの出番なかったやんな」


「う……俺の倍ゴンタが倒してたけどね」


わうわう


「索敵だけでなく戦闘でも気功術使えてたやん」


「ああ、あれは自分でもうまくやったと思った。やっと形になって来たよー」


「まじめに訓練してたしなぁ。オーガ相手に使ったあれはすごかったな」


「あの掌底かい?地球での気功を参考にしてみた。武器とかに気を纏わせると表面にダメージが入りやすいだけだけど、殴った時に相手に自分の気を送り込むと相手の内部に影響が出るってのは少しずつ試しててわかったんだ」


わうー


「別に体の内部を破壊できるわけじゃなかったけど、内臓とかの一時的な機能停止は成功してたね。心臓へは特に有効だった。完全に動けなくなってたもの」


「自分の気を減らしてまで、やろうとは思わんからなぁ……気の量が多くても躊躇するで」


「必ず接近戦になってしまうしね」


「うちにはまねでけんなー」


「人型の魔物なら臓器の位置も想像つくんだけど、それ以外のやつには頭くらいしか狙えないってのもあるなぁ」


「あーなるほど、そうかもなぁ」


わうー


「あの岩礁地帯を回避して森を進む前に休憩と水の補給しておこうか?」


「はいな」


わう


3人で海へ向かう。

昼前だが砂から熱気が伝わってくる。


「お飲みー」


わうー


ざぱぱぱぱー


ぺろぺろ

なでなで


この行動はすでにセットだな。ひひひ。

ゴンタが水を飲んだ後はカッツォが手を洗い、頭から水をかぶった。


ぶるぶるっと水飛沫を飛ばす。結構暑いもんね。

そして水筒に水の補給。

カッツォは水魔法で水を出せるんだが、俺の錬成水のほうがうまいって言ってる。

カッツォの水魔法で出した水も飲ませてもらったが、違いがあるとは思わんかったよ?


俺も手と顔を洗い、水を飲む。

缶に水の補給も忘れない!

缶はコーヒーとお茶のボトルをそのまま流用している。

本当は菌が繁殖するから使いまわしはしないほうがいいんだけどね…。


木陰に行って休憩だ。


あ、昨日の結果を見てなかったな。

ステータスっと。


<サトウ・トシオ>

・67

・ポーター・バーサーカー・バトラー・オーラマスター

・錬成2


・ポーター

スキル運搬3体術3


・バーサーカー

スキル棒術3体術3内臓強化2制限解除1狂化1


・バトラー

スキル格闘3体術3軽功1


・オーラマスター

スキル気功術3体術3瞑想2


・錬成2

このレベルでは非生物が対象。

分離と結合が可能で結果として素材ができる。素材作成時の変形も可能。


強度65から67に上がっている。

さすがに強いオーガ相手だと上がりがいいな。

すでにマッドウルフじゃ5匹くらい倒さないと上がらないもんな。

まぁゴンタは強度90超えてるけども…。

俺達も戦いを重ねて強くなっていると思う。

カッツォいわく武器の性能に頼らないで戦えるのはいい事かもしれないとのこと。

防具もないから慎重にもなるし、新人にありがちな勘違いをしないですんでるそうだ。


「昨日の戦いで強度67に上がったよー」


「ランク3は間違いなくいけるでー。こら並ばれてまうかもな。先輩として上にいっとかねばっ」


「えー、仲良く一緒のがいいなー」


わう


「そうはいかんでぇ。うちは熱心にランク上げてなかっただけやねんで?ランク1なんて問題やないはず」


「ぐぬぬ」


「ぐぬぬって声でいうたらあかんでー。にひひ」


「ゴンタのステータス教えてー、強度は90超えてただろ?上がったかい?」


わうわうー


「強度96……2上がったんやて。スキルは格闘3体術4索敵4毒耐性2回復強化3で回復強化のレベルが1上がったんやて。遠吠えは3のまんまやと」」


「その強度でも同じように上がるもんなのか」


「いやいや、おかしいで!?そこは異世界補正で片付けとかんかい!」


「はっはっは、何をいまさらー」


わう


あー空が近い。夏だねぇ。

そういやこっち来てから一度も雨降ってないな。

小さい川はあったけど、水量少なかったし。


「こっち来てから一度も雨が降ってないんだけど?いつもこんなもん?」


「あー夏だし、こんなもんや。夏の前は結構雨も振ったんやけどね」


「ここらは四季とかあんの?」


「夏の前に雨季があるくらいで、あんまり代わり映えせんな」


「そっか、春夏秋冬で季節の食べ物とかないのか」


「そういうのは、ほとんどないねぇ。寒くなっても雪なんて振らんしな、春は花が咲くから解るやね」


「そっか」


わう


「まだ8月やからね。まだ暑い日は続くで」


「からっとしてるから暑さも苦にならないよ」


わぅ


「ゴンタは涼しいほうがええってさ。にひひ」


「犬だもの雪の中を駆け回りたいよねぇ」


わう


「さて一気に森を抜けようかね」


「はいな」


わうー


「明後日にはサヒラ入りだっ!」


「せやでー。楽しみにしときー」


わう


やっとかー。

楽しみだ!

妄想は止まらないぜっ!

ぐへへへ

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